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34 おかしいわね
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「な、なんてことを!」
怒ったレレール様はドクウサを地面に向かって投げ捨てたあと、私を指さして叫ぶ。
「あなた! わたくしを馬鹿にしているの!? こんな魔道具を欲しているのではなくってよ!」
「違います。馬鹿になんてしていません! 私が馬鹿なんです。馬鹿に難しいことを言われても理解できません。ですから、私が考え得る限りのことをしてみただけです!」
「……っ!」
訴えると、レレール様は悔しそうな顔をして口を閉ざした。多くの人が見ていることもあり、それ以上は強く言えないみたいだ。
「レレール様、彼女はあなたの望みは叶えているはずです。もう帰らせていただいてもよろしいですか?」
ジェイクはドクウサを拾い、私に手渡してくれてから言った。
「望みは叶っていませんわ! このぬいぐるみは嘘を言っていますもの!」
『嘘なんて言っていませんよぉ! ぬいぐるみを投げ捨てるだなんて、物を大事にしない女性ですねぇ! レレール様はぁ! 腹が立ったらこうやっていつも物に当たる女性なんですよぉ! さぞかし、良い教育を受けてこられたんでしょうねぇ!』
私が言い返す前にドクウサが言い返した。
おかしいわね。
レレール様が触っている時しか言わない設定にしたはずなのに、なんで言い返したんだろう。もしかして、投げ捨てられたことに怒ってる?
私の疑問を読み取ったのか、ドクウサが話し始める。
『主には申し訳ないんですけどぉ、ドクウサはぁ、レレール様を目立たせるための魔道具ですのでぇ、目の前にレレール様がいる以上は目立たせるつもりなんですぅ!』
「わかっているとは思うけど、知られたくない秘密とかは言っちゃ駄目よ?」
『もちろんわかっていますよぉ! ドクウサはぁ、レレール様の本当の性格というものをみなさんに知ってほしいだけですのでぇ! ドクウサも性格は良くないですがぁ、レレール様はもっと悪いんですよぉ! みなさぁん! レレール様はぁ、人の婚約者を奪って楽しんでいる人ですよぉ! 人前では悪いことをしてしまったとか言いながらぁ、夜、寝る前に思い出してニヤニヤしていますよぉ!』
ドクウサはさっきも言っていたようにレレール様が目の前にいる限り、彼女の本当の姿を暴露し続けるつもりらしい。
レレール様は焦った顔で私に訴える。
「ちょっと、黙らせてちょうだい!」
「子供みたいなものなので、私が言って黙るかどうかは……」
「あなたが作ったんだから黙らせなさいよ! その魔道具は欠陥品だわっ! 悪口しか言っていないじゃないの!」
『……良いとこを言ったらいいんですかぁ?』
「そうよ。わたくしの良いところを皆さんの前で伝えなさい!」
レレール様はギャラリーを手で示して叫んだ。
ドクウサは少し考えてから口を開く。
『えぇっとぉ、良いとことなんですけどぉ、性格は悪いのでぇ、見た目ですかねぇ! みなさぁん、レレール様の良いところは、見た目だけですぅ!』
暴走気味のドクウサは耳をふさぎたくなるくらい大きな声で叫び、レレール様の希望に応えた。
怒ったレレール様はドクウサを地面に向かって投げ捨てたあと、私を指さして叫ぶ。
「あなた! わたくしを馬鹿にしているの!? こんな魔道具を欲しているのではなくってよ!」
「違います。馬鹿になんてしていません! 私が馬鹿なんです。馬鹿に難しいことを言われても理解できません。ですから、私が考え得る限りのことをしてみただけです!」
「……っ!」
訴えると、レレール様は悔しそうな顔をして口を閉ざした。多くの人が見ていることもあり、それ以上は強く言えないみたいだ。
「レレール様、彼女はあなたの望みは叶えているはずです。もう帰らせていただいてもよろしいですか?」
ジェイクはドクウサを拾い、私に手渡してくれてから言った。
「望みは叶っていませんわ! このぬいぐるみは嘘を言っていますもの!」
『嘘なんて言っていませんよぉ! ぬいぐるみを投げ捨てるだなんて、物を大事にしない女性ですねぇ! レレール様はぁ! 腹が立ったらこうやっていつも物に当たる女性なんですよぉ! さぞかし、良い教育を受けてこられたんでしょうねぇ!』
私が言い返す前にドクウサが言い返した。
おかしいわね。
レレール様が触っている時しか言わない設定にしたはずなのに、なんで言い返したんだろう。もしかして、投げ捨てられたことに怒ってる?
私の疑問を読み取ったのか、ドクウサが話し始める。
『主には申し訳ないんですけどぉ、ドクウサはぁ、レレール様を目立たせるための魔道具ですのでぇ、目の前にレレール様がいる以上は目立たせるつもりなんですぅ!』
「わかっているとは思うけど、知られたくない秘密とかは言っちゃ駄目よ?」
『もちろんわかっていますよぉ! ドクウサはぁ、レレール様の本当の性格というものをみなさんに知ってほしいだけですのでぇ! ドクウサも性格は良くないですがぁ、レレール様はもっと悪いんですよぉ! みなさぁん! レレール様はぁ、人の婚約者を奪って楽しんでいる人ですよぉ! 人前では悪いことをしてしまったとか言いながらぁ、夜、寝る前に思い出してニヤニヤしていますよぉ!』
ドクウサはさっきも言っていたようにレレール様が目の前にいる限り、彼女の本当の姿を暴露し続けるつもりらしい。
レレール様は焦った顔で私に訴える。
「ちょっと、黙らせてちょうだい!」
「子供みたいなものなので、私が言って黙るかどうかは……」
「あなたが作ったんだから黙らせなさいよ! その魔道具は欠陥品だわっ! 悪口しか言っていないじゃないの!」
『……良いとこを言ったらいいんですかぁ?』
「そうよ。わたくしの良いところを皆さんの前で伝えなさい!」
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ドクウサは少し考えてから口を開く。
『えぇっとぉ、良いとことなんですけどぉ、性格は悪いのでぇ、見た目ですかねぇ! みなさぁん、レレール様の良いところは、見た目だけですぅ!』
暴走気味のドクウサは耳をふさぎたくなるくらい大きな声で叫び、レレール様の希望に応えた。
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