価値がないと言われた私を必要としてくれたのは、隣国の王太子殿下でした

風見ゆうみ

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38 元妹の終わりの始まり

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 ノーラル様がシイナレンラジ家の別邸で見つかったことで、フィール様はもちろんのこと、シイナレンラジ家の当主様も息子の行動を止められなかったということで責任を問われた。

 助け出されたノーラル様はよほど、怖い思いをされたらしく、声が出なくなってしまい、人を見るだけで、怯えるようになってしまった。
 現在は病院に入院されていて、誰とも会えない状態だという。

 地下牢から出て、証人保護という形で守られているルピノは、最初はおとなしかったようだけれど、自分が守られているということで気が大きくなっていき、相変わらずのワガママを言うようになったけれど、好きなようにさせてあげた。

 裁判後の彼女に待っているのは現実だとわかっていたから。
 
 刑事事件として、シイナレンラジ家は裁判にかけられ、爵位の降格が決まった。

 最後まで抵抗しておられたそうだけれど、余罪もあるとして、判決は覆らなかった。
 
 ルピノのほうも、慰謝料請求に関して、彼女の要求通りに支払われる事が決まった。
 
 ルピノはそれに大喜びした。

 これで、自分の顔は元通りになるのだと。

 けれど、彼女はこれからが大変だという事がわかっていなかった。

 彼女の世話をしてくれる人はもういない。

 ヤイネバ家はもう潰れかけているし、たとえ、頼ることになっても、現在の当主は伯父なので、何をされるかわからない。

 母親は病院に入院していて、いつ退院できるかもわからない。

 裁判が終われば、彼女を保護する必要もなくなるため、王家から派遣していた騎士やメイドもいなくなる。

 そう、今の段階では、彼女の世話をする人は誰一人いなくなった。

 裁判に勝ち、浮かれているルピノは、これから自分がどうやって生きていくのか、考えているようには見えなかった。

 そして、今回の慰謝料の受け取りをどうやって、誰がするのかなども、何も考えていなかった。

 被告人席にいるフィール様がギラギラした目で彼女を見ていることにも気付いていないようだった。




※次話はルピノ視点です。
明日にエピローグと同時投稿予定です。
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