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3 離婚したい妹と離婚したくない姉
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手を取ったはいいものの、そのまま出発できるはずもなく、まずは荷造りをすることになった。
当たり前だがメイドたちが手伝ってくれるわけもなく、一人で持ち物をトランクケースに詰めていった。途中で話を聞いた義母がやって来て文句を言われたが、自分が悪いわけではないとさらりと聞き流した。
荷物を詰め終えたところで応接室に呼び出され、ロヴァンスから離婚協議書を手渡された。
内容はファリアーナからロヴァンスに慰謝料を求めないなど勝手なことが書かれていたが、アシュから待ったがかかった。
「離婚をする理由はシルフィーナと結婚したいからだろ? ファリアーナは悪くない。あなたは慰謝料を払うべきだ」
アシュの声は日常会話をする時は小さなほうだ。だが、はっきりとした口調であることと眼力に押されて、ロヴァンスは渋々ながらも内容を変更し、ファリアーナに慰謝料が支払われることになった。
ファリアーナが離婚協議書と離婚を認める書類にサインをしたところで、アシュがシルフィーナに話しかける。
「君からも彼女に慰謝料を渡すべきだ」
「わ、私がですか?」
「当たり前のことだよ。君は人の夫を奪ったんだから」
「何を言っているんですか。シルがここに来なければこんなことにはならなかった! 原因を作ったのはあなたやあなたの家族だ!」
ロヴァンスが叫ぶと、アシュは吊り目気味の目を細めて呟く。
「簡単に騙されるなんて馬鹿としか言いようがない」
その言葉を聞き取ることができたのは、横にいたファリアーナだけで、驚いた彼女がアシュを見つめると、彼は自分の口元に人差し指を当てた。
(内緒ってことよね。それにしても美形がやることって何でも絵になるのね)
住む場所が決まったということだけで、ファリアーナの気持ちはかなり軽くなっており、そんなことを考える余裕もできてきた。
ダメージの軽そうなファリアーナを見て、必死に苛立ちを隠しているのは、姉のシルフィーナだった。
ロヴァンスとの仲を婚約中に引き裂かなかったのは、幸せの絶頂にいる妹に絶望を味わわせたかったからだ。なぜ、彼女がここまで妹を憎んでいるのかというと、ただ単に性格が合わないからだった。
何をしても両親や兄に否定されるファリアーナは、いつしか自分の意見を家では言えなくなっていた。俯いて身を縮こまらせる彼女の姿は、シルフィーナのように気が強い人間には不快感しかなく、攻撃対象として認識するようになった。
ファリアーナは嫌なら嫌と言えばいいのに口にすることができない弱虫だ。だから、強い自分が攻撃しても許されるというのが、シルフィーナの持論だ。
今回のこともファリアーナが離婚は嫌だと言えないことはわかっていた。ロヴァンスの母に気に入られ、アシュが迎えに来るまでに、ロヴァンスが自分に落ちたとわかった時には、自分自身に喝采を送りたかった。ただ、順風満帆と思われていた彼女にも予想外の出来事があった。それは、アシュが自分と離婚して、ファリアーナを受け入れようとしていることだ。
アシュが自分との離婚を拒み、ロヴァンスと二人で自分を取り合う想像をしていた。最終的には爵位が上であるアシュが勝ち、ファリアーナとロヴァンスだけが惨めな思いをして終わる予定だった。
アシュ様は一体、何を考えているの? 私を手放したら後悔するわよ。ファリアーナもファリアーナよ。虫けらの分際で、私の男を奪うつもり?
シルフィーナはそんなことを考えつつも、眉尻を下げて悲しんでいる演技を続けていた。
「七日間の猶予をいただきましたが、すぐにでていきます。短い間でしたがお世話になりました」
ファリアーナがロヴァンスに頭を下げると、シルフィーナがハンカチを目に当てながら訴える。
「アシュ様、ファリアーナは良い子ですが、マナーを知らない子です。使用人にするにしても一から教えないといけませんよ」
「君がマナーのことを言うのか」
アシュは鼻で笑うと、シルフィーナに尋ねる。
「不貞行為はマナー違反じゃないんだね?」
「不貞行為なんてしていません!」
「僕に不満があったなら、実家に帰ればいいんじゃないか? それなのにここへ来たのはなぜだ? 妹の夫を誘惑するためでしょ?」
「違いますわ!」
図星を言い当てられたシルフィーナは、顔を真っ赤にさせながらも否定した。シルフィーナが馬鹿にされたと思ったロヴァンスが、眉根を寄せて会話に割って入る。
「アシュ様、あなたは無口な方だと社交界では有名です。私もあなたがこんなに話している姿を見たのは初めてですよ。シルに冷たく当たったことを後悔しているのですか?」
ロヴァンスは後ろめたさのせいで、アシュの口数が増えていると言いたいようだった。
「後悔してない」
アシュは冷たく答えると、ファリアーナに話しかける。
「準備はできたんだね?」
「できました! 協議書の内容にも目を通して、サインもしました」
「じゃあ行くよ」
「はい!」
ファリアーナが元気よく立ち上がった瞬間、彼女の目の前がぐらりと揺れた。ストレス、寝不足、栄養不足などによって引き起こされた立ちくらみだった。
「大丈夫?」
崩れ落ちるファリアーナを支えたのはアシュだった。
「あ、ありがとうございます」
自分の足で立とうとした時、シルフィーナが立ち上がった。
「アシュ様、まだ私たちは離婚していないのに、女性の身体に触れるなんて浮気です!」
「何を言っているんですか、お姉様! アシュ様は倒れそうになった私を助けてくださったんです! 咄嗟に手を出してくださっただけじゃないですか! それなのに浮気だなんて」
「私はまだアシュ様の妻なの。それなのに、私の目の前で他の女性に触れるなんてありえない!」
反論してきたファリアーナに苛立ち、ヒステリックに叫んだシルフィーナだったが、ある考えが浮かび、わざとらしい演技を始める。
「も、もしかしてファリアーナ、あなた、さっき倒れそうになったのは、わざとなんじゃない? そうやってアシュをたぶらかそうとしているんじゃ」
「違います!」
「そうかしら。私への腹いせにアシュ様を」
話の途中だったが、アシュが大きなため息を吐いて遮り、シルフィーナを睨みつける。
「倒れそうになった人を支えただけで浮気だと決めつける意味がわからない。君は道端で人が倒れていて、周りに君しかいなかった場合、助ける助けないの意思は自由だとしても、助ける気はあるのに、浮気になるから異性は助けないって素通りするの? もし、そうなんだとしたら別れることになって本当に嬉しい」
「わ、私は、そのっ」
「安心して。そんな考えの君が同じようなことになったら僕は助けない。テーブルに顔や頭をぶつけたりしないように気をつけてね」
皮肉を言われたシルフィーナは、悔しさで醜悪になる顔を見せないように俯いた。
「お、落ち着いてください。あなたが暴力をふるうから怯えているのです!」
ロヴァンスがシルフィーナを抱きしめると、アシュは口元に笑みを浮かべる。
「君の理屈なら、君も浮気だな」
悔しさで震えているシルフィーナにそう告げると、アシュはファリアーナを促して部屋を出たのだった。
当たり前だがメイドたちが手伝ってくれるわけもなく、一人で持ち物をトランクケースに詰めていった。途中で話を聞いた義母がやって来て文句を言われたが、自分が悪いわけではないとさらりと聞き流した。
荷物を詰め終えたところで応接室に呼び出され、ロヴァンスから離婚協議書を手渡された。
内容はファリアーナからロヴァンスに慰謝料を求めないなど勝手なことが書かれていたが、アシュから待ったがかかった。
「離婚をする理由はシルフィーナと結婚したいからだろ? ファリアーナは悪くない。あなたは慰謝料を払うべきだ」
アシュの声は日常会話をする時は小さなほうだ。だが、はっきりとした口調であることと眼力に押されて、ロヴァンスは渋々ながらも内容を変更し、ファリアーナに慰謝料が支払われることになった。
ファリアーナが離婚協議書と離婚を認める書類にサインをしたところで、アシュがシルフィーナに話しかける。
「君からも彼女に慰謝料を渡すべきだ」
「わ、私がですか?」
「当たり前のことだよ。君は人の夫を奪ったんだから」
「何を言っているんですか。シルがここに来なければこんなことにはならなかった! 原因を作ったのはあなたやあなたの家族だ!」
ロヴァンスが叫ぶと、アシュは吊り目気味の目を細めて呟く。
「簡単に騙されるなんて馬鹿としか言いようがない」
その言葉を聞き取ることができたのは、横にいたファリアーナだけで、驚いた彼女がアシュを見つめると、彼は自分の口元に人差し指を当てた。
(内緒ってことよね。それにしても美形がやることって何でも絵になるのね)
住む場所が決まったということだけで、ファリアーナの気持ちはかなり軽くなっており、そんなことを考える余裕もできてきた。
ダメージの軽そうなファリアーナを見て、必死に苛立ちを隠しているのは、姉のシルフィーナだった。
ロヴァンスとの仲を婚約中に引き裂かなかったのは、幸せの絶頂にいる妹に絶望を味わわせたかったからだ。なぜ、彼女がここまで妹を憎んでいるのかというと、ただ単に性格が合わないからだった。
何をしても両親や兄に否定されるファリアーナは、いつしか自分の意見を家では言えなくなっていた。俯いて身を縮こまらせる彼女の姿は、シルフィーナのように気が強い人間には不快感しかなく、攻撃対象として認識するようになった。
ファリアーナは嫌なら嫌と言えばいいのに口にすることができない弱虫だ。だから、強い自分が攻撃しても許されるというのが、シルフィーナの持論だ。
今回のこともファリアーナが離婚は嫌だと言えないことはわかっていた。ロヴァンスの母に気に入られ、アシュが迎えに来るまでに、ロヴァンスが自分に落ちたとわかった時には、自分自身に喝采を送りたかった。ただ、順風満帆と思われていた彼女にも予想外の出来事があった。それは、アシュが自分と離婚して、ファリアーナを受け入れようとしていることだ。
アシュが自分との離婚を拒み、ロヴァンスと二人で自分を取り合う想像をしていた。最終的には爵位が上であるアシュが勝ち、ファリアーナとロヴァンスだけが惨めな思いをして終わる予定だった。
アシュ様は一体、何を考えているの? 私を手放したら後悔するわよ。ファリアーナもファリアーナよ。虫けらの分際で、私の男を奪うつもり?
シルフィーナはそんなことを考えつつも、眉尻を下げて悲しんでいる演技を続けていた。
「七日間の猶予をいただきましたが、すぐにでていきます。短い間でしたがお世話になりました」
ファリアーナがロヴァンスに頭を下げると、シルフィーナがハンカチを目に当てながら訴える。
「アシュ様、ファリアーナは良い子ですが、マナーを知らない子です。使用人にするにしても一から教えないといけませんよ」
「君がマナーのことを言うのか」
アシュは鼻で笑うと、シルフィーナに尋ねる。
「不貞行為はマナー違反じゃないんだね?」
「不貞行為なんてしていません!」
「僕に不満があったなら、実家に帰ればいいんじゃないか? それなのにここへ来たのはなぜだ? 妹の夫を誘惑するためでしょ?」
「違いますわ!」
図星を言い当てられたシルフィーナは、顔を真っ赤にさせながらも否定した。シルフィーナが馬鹿にされたと思ったロヴァンスが、眉根を寄せて会話に割って入る。
「アシュ様、あなたは無口な方だと社交界では有名です。私もあなたがこんなに話している姿を見たのは初めてですよ。シルに冷たく当たったことを後悔しているのですか?」
ロヴァンスは後ろめたさのせいで、アシュの口数が増えていると言いたいようだった。
「後悔してない」
アシュは冷たく答えると、ファリアーナに話しかける。
「準備はできたんだね?」
「できました! 協議書の内容にも目を通して、サインもしました」
「じゃあ行くよ」
「はい!」
ファリアーナが元気よく立ち上がった瞬間、彼女の目の前がぐらりと揺れた。ストレス、寝不足、栄養不足などによって引き起こされた立ちくらみだった。
「大丈夫?」
崩れ落ちるファリアーナを支えたのはアシュだった。
「あ、ありがとうございます」
自分の足で立とうとした時、シルフィーナが立ち上がった。
「アシュ様、まだ私たちは離婚していないのに、女性の身体に触れるなんて浮気です!」
「何を言っているんですか、お姉様! アシュ様は倒れそうになった私を助けてくださったんです! 咄嗟に手を出してくださっただけじゃないですか! それなのに浮気だなんて」
「私はまだアシュ様の妻なの。それなのに、私の目の前で他の女性に触れるなんてありえない!」
反論してきたファリアーナに苛立ち、ヒステリックに叫んだシルフィーナだったが、ある考えが浮かび、わざとらしい演技を始める。
「も、もしかしてファリアーナ、あなた、さっき倒れそうになったのは、わざとなんじゃない? そうやってアシュをたぶらかそうとしているんじゃ」
「違います!」
「そうかしら。私への腹いせにアシュ様を」
話の途中だったが、アシュが大きなため息を吐いて遮り、シルフィーナを睨みつける。
「倒れそうになった人を支えただけで浮気だと決めつける意味がわからない。君は道端で人が倒れていて、周りに君しかいなかった場合、助ける助けないの意思は自由だとしても、助ける気はあるのに、浮気になるから異性は助けないって素通りするの? もし、そうなんだとしたら別れることになって本当に嬉しい」
「わ、私は、そのっ」
「安心して。そんな考えの君が同じようなことになったら僕は助けない。テーブルに顔や頭をぶつけたりしないように気をつけてね」
皮肉を言われたシルフィーナは、悔しさで醜悪になる顔を見せないように俯いた。
「お、落ち着いてください。あなたが暴力をふるうから怯えているのです!」
ロヴァンスがシルフィーナを抱きしめると、アシュは口元に笑みを浮かべる。
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