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第8章 暴走する者たち
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※残酷描写と感じる方もおられるかもしれません。ご注意くださいませ。
「ロイアン卿! あなた、何を考えてるの!?」
「信じられねぇな」
声を上げて立ち上がると、ランシード様はわたしを庇うようにして前に立った。
デスタが持っている剣に血は付いていないから、誰かが刺されたり斬られたりしたわけではなさそうなので、少しだけ安堵する。
「セフィリア、君を迎えに来たんだよ」
「何を言ってんだ」
わたしの代わりにランシード様が応えると、デスタの後ろにポーラ様が現れた。
「大丈夫よ。ちょっと殴られたくらいで大げさよ。あなたたち、こんなことで騒ぐようなら全員クビね」
ポーラ様は廊下にいる騎士やメイドにそう言ったあと、自分も部屋の中に入ってきた。
デスタはポーラ様のことは気にする様子もなく、虚ろな目をして、こちらにゆっくりと近づいてくる。
「ランシード殿下、僕にセフィリアを渡してください」
「渡すわけねぇだろ」
ランシード様が答えると、ポーラ様が反応する。
「デスタ、もう二人共殺してしまえばいいんじゃない? セフィリアなんかにこだわる必要はないでしょう?」
「うるさい!」
デスタの表情は切羽詰まっているのか、目はつり上がり、口元は引きつっていて恐怖を覚えた。
いつものデスタじゃない。
下手に刺激しないほうが良さそうだけど、どうしたら良いの?
ポーラ様はデスタの様子がおかしいことに気付いていないのか、それともわかっているけど気にしていないのかはわからない。
刺激をしないようにと伝える前に、ポーラ様は口を開く。
「うるさいですって!? このわたくしになんて口をきくのよ!」
「うるさいからうるさいと言ったんだよ! あんたのせいで僕の人生は無茶苦茶だ!」
「何を言っているのよ! わたくしに文句を言わないでちょうだい! あなたがセフィリアの婚約者だったのがいけないのよ!」
「そんなことは関係ない! あんたが僕を婚約者にしたのは、セフィリアとの婚約破棄のあとじゃないか!」
「じゃあ、言い直すわ。セフィリアが大した女性じゃないから、あなたは浮気したんでしょう? それで、婚約破棄されたのよ。わたくしのせいではないわ」
ポーラ様とデスタがどうしてここに来たのかわからない。
とにかく今の内に逃げたほうが良いのかもしれない。
そう思った時、ランシード様が無言で、わたしの手を握って歩き出そうとした。
すると、それに気が付いたポーラ様が扉の鍵を内側から締めてしまった。
「逃さないわよ、二人共。さあ、デスタ。恋敵もろともセフィリアを殺しちゃいなさいよ」
「おい。まさか、お前、俺を殺そうとしてるのか?」
ランシード様がポーラ様に尋ねると、彼女は楽しそうに笑う。
「殺そうとしているのはデスタですわ。わたくしには何も関係ありません」
「関係ねぇわけねぇだろ。焚きつけてんのはお前じゃねぇか」
「人聞きの悪いことを言わないでくださいませ。ランシード殿下、わたくしを恨まないでくださいね? 恨むなら、あなたを婚約者にしたセフィリアを恨んでください」
ポーラ様は、わたしのせいでランシード様が危険な目に遭うのだと言いたいらしい。
「待ってください! ランシード様は関係ありません!」
「あるから黙ってろ」
ランシード様はデスタから目を逸らさずに、わたしの言葉を否定した。
「でも、ランシード様」
「セフィリア、俺のことは気にしなくて大丈夫だ」
「気にしないほうがおかしいです!」
そんな会話をしていると、誰かが助けを呼びに行ってくれたようで、部屋の外が騒がしくなってきた。
近い内に、鍵を壊してでも扉を開けてもらえるだろうと思った時だった。
「おい! 開けたら、ポーラ姫を殺すからな!」
デスタが叫ぶと、一瞬にして部屋の外は静まり返った。
「わたくしを殺すだなんて、そんな馬鹿なこと」
「するんだよ! どうせ殺すつもりだったんだから」
「えっ?」
ポーラ様が聞き返したと同時に、デスタは持っていた剣でポーラ様の横腹を刺した。
「ロイアン卿! あなた、何を考えてるの!?」
「信じられねぇな」
声を上げて立ち上がると、ランシード様はわたしを庇うようにして前に立った。
デスタが持っている剣に血は付いていないから、誰かが刺されたり斬られたりしたわけではなさそうなので、少しだけ安堵する。
「セフィリア、君を迎えに来たんだよ」
「何を言ってんだ」
わたしの代わりにランシード様が応えると、デスタの後ろにポーラ様が現れた。
「大丈夫よ。ちょっと殴られたくらいで大げさよ。あなたたち、こんなことで騒ぐようなら全員クビね」
ポーラ様は廊下にいる騎士やメイドにそう言ったあと、自分も部屋の中に入ってきた。
デスタはポーラ様のことは気にする様子もなく、虚ろな目をして、こちらにゆっくりと近づいてくる。
「ランシード殿下、僕にセフィリアを渡してください」
「渡すわけねぇだろ」
ランシード様が答えると、ポーラ様が反応する。
「デスタ、もう二人共殺してしまえばいいんじゃない? セフィリアなんかにこだわる必要はないでしょう?」
「うるさい!」
デスタの表情は切羽詰まっているのか、目はつり上がり、口元は引きつっていて恐怖を覚えた。
いつものデスタじゃない。
下手に刺激しないほうが良さそうだけど、どうしたら良いの?
ポーラ様はデスタの様子がおかしいことに気付いていないのか、それともわかっているけど気にしていないのかはわからない。
刺激をしないようにと伝える前に、ポーラ様は口を開く。
「うるさいですって!? このわたくしになんて口をきくのよ!」
「うるさいからうるさいと言ったんだよ! あんたのせいで僕の人生は無茶苦茶だ!」
「何を言っているのよ! わたくしに文句を言わないでちょうだい! あなたがセフィリアの婚約者だったのがいけないのよ!」
「そんなことは関係ない! あんたが僕を婚約者にしたのは、セフィリアとの婚約破棄のあとじゃないか!」
「じゃあ、言い直すわ。セフィリアが大した女性じゃないから、あなたは浮気したんでしょう? それで、婚約破棄されたのよ。わたくしのせいではないわ」
ポーラ様とデスタがどうしてここに来たのかわからない。
とにかく今の内に逃げたほうが良いのかもしれない。
そう思った時、ランシード様が無言で、わたしの手を握って歩き出そうとした。
すると、それに気が付いたポーラ様が扉の鍵を内側から締めてしまった。
「逃さないわよ、二人共。さあ、デスタ。恋敵もろともセフィリアを殺しちゃいなさいよ」
「おい。まさか、お前、俺を殺そうとしてるのか?」
ランシード様がポーラ様に尋ねると、彼女は楽しそうに笑う。
「殺そうとしているのはデスタですわ。わたくしには何も関係ありません」
「関係ねぇわけねぇだろ。焚きつけてんのはお前じゃねぇか」
「人聞きの悪いことを言わないでくださいませ。ランシード殿下、わたくしを恨まないでくださいね? 恨むなら、あなたを婚約者にしたセフィリアを恨んでください」
ポーラ様は、わたしのせいでランシード様が危険な目に遭うのだと言いたいらしい。
「待ってください! ランシード様は関係ありません!」
「あるから黙ってろ」
ランシード様はデスタから目を逸らさずに、わたしの言葉を否定した。
「でも、ランシード様」
「セフィリア、俺のことは気にしなくて大丈夫だ」
「気にしないほうがおかしいです!」
そんな会話をしていると、誰かが助けを呼びに行ってくれたようで、部屋の外が騒がしくなってきた。
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「おい! 開けたら、ポーラ姫を殺すからな!」
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「えっ?」
ポーラ様が聞き返したと同時に、デスタは持っていた剣でポーラ様の横腹を刺した。
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