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第二部
3 夜会での出会い
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リアムが女性に人気があるということは彼と知り合う前から知っていた。
だから、彼と結婚して、女性からのやっかみがあってもおかしくないこともわかっていた。
でも、それは当たり前のことだし、しょうがないとも思っていたし、夜会などに出なければ、特に支障はなかったから、深く考えていなかった。
だから、リアムと夜会に初めて一緒に出席した時に、彼の人気を思い知らされるはめになった。
主催者の方に挨拶を終えたあとは、話しかけてきた人達に挨拶をした。
はじめましての人も多かったけれど、勉強してきたから、困ることなく対応できた。
一通りの挨拶が終わったあとは、リアムは仕事の話を始めたので、会場の隅で彼を待つことにした。
サマンサしか友人がいない私には、こういう場所は辛いけれど、別に一人ぼっちでいることは悪いことでもないし、果実ジュースを飲んで、リアムを待っていた。
しばらくすると、三人グループの令嬢が近付いてきた。
「あの方がマオニール公爵閣下の奥様なの?」
「もっとお美しい方なのかと思ったけれど、ただの地味な女性じゃない。マオニール公爵閣下なら、もっと素敵な女性を選べたはずなのに!」
「しかも、あのノマド家の女性なんでしょう? ああ、でも、あの、悪戯? だったかしら?家族が悪戯をした責任を取って嫁にもらってもらえるなら良いわよねぇ。私も両親にそうしてもらえばよかったかしら」
わざと聞こえるように大きな声で話、私の前を横切っては遠ざかっていき、また戻ってくるということを繰り返す。
一組がやりはじめると、数人が真似しはじめた。
こういうの、ノマド家がやってたこと似たようなものだと思うんだけれど……。
それに、それだけ大きな声で言うなら、直接言ってきたほうが良いと思うし、私は公爵夫人なんだから、彼女達は自分達が後でどうなるかとか考えたりしないのかしら?
そんな疑問を頭に浮かべていると、また、令嬢達の声が耳に入ってくる。
「マオニール公爵閣下は彼女の何が良かったのかしら? 悪戯の罰だとか聞いたけれど、実際はそうではないんでしょう?」
「あれじゃない? 身体をつかって誘惑したんじゃないの?」
「ええ? そうかしら? だって、そんなに良い身体はしておられないわ?」
令嬢達が私のほうを見てクスクスと笑い、嫌味を言いながら、私の前を通りすぎていこうとした時だった。
「おい、君達。良い身体とはどんなものなんだ?」
背が高くて、がっしりとした体格。
体とはアンバランスで、目はパッチリで女の子みたいに可愛らしい顔立ちの男性が、令嬢達を呼び止めた。
「あ、あなたはイーサン様!?」
最初は訝しげな表情で振り返った令嬢達だったけれど、彼を見た瞬間に色めきだった。
「こんばんは。で、良い身体というものを教えてくれないか? 俺の婚約者が知りたがっているんだ! あの、とある一部の部分を言うなら、ぶん殴ってこいと言われてるんだが……。だから、その一部でないことを祈る。女性は殴りたくないんだ」
彼は律儀に挨拶をしたあと、真剣な表情で令嬢達に尋ね、最後のほうは少し離れた所で、私のように壁の花になっている、水色のシュミーズドレスを着た女性に目をやった。
その女性は、私と目が合うと、軽く頭を下げてきたので、私も軽く頭を下げてから、また男性と令嬢達のほうに目を向けると、令嬢達は明らかに困っていた。
イーサン様というと、リアムのお友達のイーサン・ジュード辺境伯令息ね!
「あ、いえ、その……」
「やはり言いにくいことなのか? もしかして、クレアが言っていた部分のことを言っているなら、俺はそんなことは気にしない! だから、全ての男性がそこばかり気にしているわけじゃない! だから君達もそんなことを気にしてはいけない! 人には人それぞれの良さがあるんだ!」
「え、ええ……?」
明らかに令嬢達は困惑しているようだった。
この状況にどう対応すべきか迷っていると、リアムが慌てた顔をして私の元へやって来た。
だから、彼と結婚して、女性からのやっかみがあってもおかしくないこともわかっていた。
でも、それは当たり前のことだし、しょうがないとも思っていたし、夜会などに出なければ、特に支障はなかったから、深く考えていなかった。
だから、リアムと夜会に初めて一緒に出席した時に、彼の人気を思い知らされるはめになった。
主催者の方に挨拶を終えたあとは、話しかけてきた人達に挨拶をした。
はじめましての人も多かったけれど、勉強してきたから、困ることなく対応できた。
一通りの挨拶が終わったあとは、リアムは仕事の話を始めたので、会場の隅で彼を待つことにした。
サマンサしか友人がいない私には、こういう場所は辛いけれど、別に一人ぼっちでいることは悪いことでもないし、果実ジュースを飲んで、リアムを待っていた。
しばらくすると、三人グループの令嬢が近付いてきた。
「あの方がマオニール公爵閣下の奥様なの?」
「もっとお美しい方なのかと思ったけれど、ただの地味な女性じゃない。マオニール公爵閣下なら、もっと素敵な女性を選べたはずなのに!」
「しかも、あのノマド家の女性なんでしょう? ああ、でも、あの、悪戯? だったかしら?家族が悪戯をした責任を取って嫁にもらってもらえるなら良いわよねぇ。私も両親にそうしてもらえばよかったかしら」
わざと聞こえるように大きな声で話、私の前を横切っては遠ざかっていき、また戻ってくるということを繰り返す。
一組がやりはじめると、数人が真似しはじめた。
こういうの、ノマド家がやってたこと似たようなものだと思うんだけれど……。
それに、それだけ大きな声で言うなら、直接言ってきたほうが良いと思うし、私は公爵夫人なんだから、彼女達は自分達が後でどうなるかとか考えたりしないのかしら?
そんな疑問を頭に浮かべていると、また、令嬢達の声が耳に入ってくる。
「マオニール公爵閣下は彼女の何が良かったのかしら? 悪戯の罰だとか聞いたけれど、実際はそうではないんでしょう?」
「あれじゃない? 身体をつかって誘惑したんじゃないの?」
「ええ? そうかしら? だって、そんなに良い身体はしておられないわ?」
令嬢達が私のほうを見てクスクスと笑い、嫌味を言いながら、私の前を通りすぎていこうとした時だった。
「おい、君達。良い身体とはどんなものなんだ?」
背が高くて、がっしりとした体格。
体とはアンバランスで、目はパッチリで女の子みたいに可愛らしい顔立ちの男性が、令嬢達を呼び止めた。
「あ、あなたはイーサン様!?」
最初は訝しげな表情で振り返った令嬢達だったけれど、彼を見た瞬間に色めきだった。
「こんばんは。で、良い身体というものを教えてくれないか? 俺の婚約者が知りたがっているんだ! あの、とある一部の部分を言うなら、ぶん殴ってこいと言われてるんだが……。だから、その一部でないことを祈る。女性は殴りたくないんだ」
彼は律儀に挨拶をしたあと、真剣な表情で令嬢達に尋ね、最後のほうは少し離れた所で、私のように壁の花になっている、水色のシュミーズドレスを着た女性に目をやった。
その女性は、私と目が合うと、軽く頭を下げてきたので、私も軽く頭を下げてから、また男性と令嬢達のほうに目を向けると、令嬢達は明らかに困っていた。
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「あ、いえ、その……」
「やはり言いにくいことなのか? もしかして、クレアが言っていた部分のことを言っているなら、俺はそんなことは気にしない! だから、全ての男性がそこばかり気にしているわけじゃない! だから君達もそんなことを気にしてはいけない! 人には人それぞれの良さがあるんだ!」
「え、ええ……?」
明らかに令嬢達は困惑しているようだった。
この状況にどう対応すべきか迷っていると、リアムが慌てた顔をして私の元へやって来た。
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