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3 はじめましての午後
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ダイニングルームに向かう途中でマララと出会った。
すると、彼女は馬鹿にしたように笑って、私のメイクは下手くそだと言った。
「そんなに酷いかしら」
「ええ。本当に鏡を見たんですか? やったこともないくせに無理にやろうとするから、そんなことになるんです」
「悪かったわね。だけど、あなたにそこまで言われる筋合いもないと思うのだけど?」
私が言い返すと、マララは驚いた顔をしたあと「申し訳ございません」と小さな声で謝ってきた。
3年前の私はおっとりしていたから、マララにここまで舐められていたのね。
そして、私はそんなことにまったく気が付いていなかったんだわ。
小さく息を吐いてから、マララに言う。
「そんなにおかしいと言うのなら、メイクは落としてから出かけるわ」
「私にメイクをさせていただけないのですか?」
「少し考えたの」
一度言葉を区切り、マララを睨むように見つめて話を続ける。
「あなたに色々と世話をしてもらっているのは確かよ。だから、私が必要以上に偉そうにするのはおかしいと思うわ。だけど、メイドという仕事に就いているあなたが私に偉そうにするのもおかしいんじゃない?」
「そ、それは、そうかと思います。私が偉そうにしているように見えたというのであれば謝ります。申し訳ございません」
マララはそう言って頭を下げてきた。
「わかってくれたのなら良いの。でも、お父様に相談させてもらうから」
「そんな! お待ちください! 謝ったではないですか!」
「そうね。だから、クビにしろとまでは言わないわ。専属メイドから変更してもらうだけよ。今すぐにクビにして補ほしいと言うのなら、そうしてあげても良いけれど?」
「……何よ。偉そうにするのはおかしいと言いながらも、偉そうにしてるじゃないの」
マララは小さく呟いたあと、唇を噛み締めた。
聞こえていると言いたいところだけれど、マララにいつまでもかまってはいられない。
彼女のことは今はおいておいて、ダイニングルームに向かうことにした。
そういえば、メイクのことで思い出したけれど、リュカは私の顔を見たことがあったかしら?
ないわよね?
だって、牢屋の中で話をしただけだもの。
それに私だって、リュカの顔を知らないわ!
それだけじゃない。
顔だけじゃなくて、リュカのことをほとんど知らない。
いつも私が話すばっかりで、リュカは自分のことをあまり話さなかったんだもの。
心配事のせいで気分が悪くなりそうだったけれど、ダイニングルームに着くと、明るい気持ちになった。
中身が19歳の私にとっては久しぶりの温かなスープや新鮮な野菜、柔らかそうなパンがテーブルの上に用意されていたからだ。
早速、席について、温かなスープをスプーンですくって口に入れる。
「美味しい」
美味しい食事のおかげなのか、今までの暗かった気持ちがどこかへ吹き飛んだ。
リュカはどんな顔をしているのかしら。
独房を仕切っていたのは石の壁だったけど、廊下側は鉄格子だったから声が通ってリュカと会話が出来た。
声だけは絶対に間違わない。
今は、それだけで十分だと思うことにしましょう。
それにこんな不思議な体験をしているんだから、絶対に出会えるはずよ。
そう自分に言い聞かせて、これからの段取りを頭の中で組んでいった。
*****
朝食を終えた私は一度部屋に戻り、メイクを落とした。
あれだけ変だと言われてしまった顔で、リュカに会うのは躊躇われたからだ。
そして、書き物机の引き出しの中に入れていた小銭をワンピースのポケットに忍ばせる。
マララがチップを要求してくることがあるから、小銭を鍵付きの引き出しに入れていたのが、ちょうど役に立った。
ポーチに待たせていた馬車に乗り、屋敷から1時間半以上はかかるドルセン広場へと向かった。
マララには屋敷で待っているようにお願いしたけれど、付いていくと言ってきかないので、一緒の馬車に乗って出発した。
お父様とお母様、それからお兄様は、三日前から領地の視察に行っていて屋敷にいなかったので助かった。
お父様たちがいたら、出かける理由を考えないといけなかったからだ。
馬車の中では会話もなく時間が過ぎ、目的地周辺に着いた。
私は馬車から降りて、マララにお願いする。
「少し、一人にしてほしいんだけど」
「いけません! 一人で危険です。リリー様に何かございましたら、私が叱られます」
「わかったわ。だけど、少し離れて付いてきてくれない?」
「どうして、そんなワガママをおっしゃるんですか」
マララはブツブツ言いながらも、騎士と一緒に少し離れて付いてくることになった。
今回のことについては、マララが文句を言いたくなる気持ちはわかるから咎めるつもりはない。
ドルセン広場は私が住んでいる小国、アグリタ王国の中では一番大きな広場で中央には噴水があり、その噴水を囲むように石畳の道と芝生が広がっている。
この場所は、人々の憩いの場のため、見渡す限り人だらけだった。
広場の中央付近からは近くにある時計塔が見えたので時間を確認すると、あと5分程で1時になるところだった。
リュカはどこにいるのかしら。
きっとリュカは来てくれる。
だけど、リュカの姿がわからないんじゃ、どうしようもないわ。
ウロウロしても意味がない様な気がして、噴水に近い場所で立ち止まり、リュカらしき人物を探す。
顔や体型がわからないので、一人でいる若い男性を見つけては、リュカがどうか確認しようかと迷った。
でも、たくさんの親子連れやカップルは視界に入るけれど、一人だけで歩いている若い男性の姿はあまり見えない。
しかも、誰かを探しているような素振りもない。
噴水の周りには、たくさんの人が座っていて、浮浪者なのか薄汚れたコートを着て、フードで顔を隠している人物がたくさんいる。
そんな人たち一人ひとりに話しかけていく気にもならなかった。
迷っている内に、刻一刻と時間は過ぎていく。
リュカ、どこにいるの?
時計が1時になろうとした瞬間、たまらず私は叫んだ。
「リュカ! どこにいるの!」
「ここだよ」
後ろから声が聞こえて振り返ると、茶色の外套のフードを目深にかぶった人物が、真後ろに立っていた。
私よりも頭一つ分背の高い誰かは、私が怯えた表情を見せると、フードを軽く上げて顔を見せてくれた。
漆黒の髪にキラキラ光る青色の瞳、前髪は目にかかりそうなくらいに長い。
目は少し吊り目気味ではあるけれど、ぱっちりとした目に鼻筋のとおった端正な顔立ちの青年は、私と目を合わせると、にこりと笑った。
「リリー、はじめまして。俺がリュカだよ。リリーの姿は、君があの場所に連れて来られた時に一度だけ見ただけなんだ。だから、本当にリリーかどうかすぐにわからなくて、中々声が掛けられなかった。不安にさせてごめん」
「それはかまわないけれど、本当にあなたがリュカなの!?」
「そうだって。若返ってはいるけど、声はそんなに変わらないだろ?」
彼の声と、若返ってはいる、という言葉が出た時点で、私の中では安易かも知れないけれど、彼がリュカだという確信はもてた。
でも、想像していた以上にリュカの容姿が整っているため焦ってしまう。
「こ、声は一緒だけど、イメージが違うというか」
「そうか? あんまり変わってないと思うんだけどな。とにかく会えて嬉しいよ。色々と君と話がしたいんだ。いきなりで申し訳ないけど走れるか?」
「本当にいきなりね。長い距離は体力が続かないけど多少は走れるわ。そうなることも覚悟して動きやすい格好にしてきたから」
「じゃあ、行こう!」
リュカは私の手を取ると、人を上手に避けて歩き始めた。
そして、少しずつ歩くスピードが速くなっていく。
足の長さが違うため、最初はリュカに付いていけるか心配になった。
でも、人混みを避けながらなので、小走りになればついていけるスピードだったので助かった。
足を止めずに、ちらりと後ろを振り返ると、護衛の騎士たちがマララと一緒に焦った顔をして追いかけて来ているのが見えた。
だから、わかってはもらないと思っていながらも叫ぶ。
「大丈夫だから、馬車の所で待っていて!」
本当にごめんなさい。
でも、二人で話をしたいと言っても許してもらえないでしょうし、リュカもバレたくないみたいなのよ。
心の中で謝ってから、リュカに話しかける。
「ねえ、リュカ」
「何かな?」
「……あとでたくさん質問してもいいかしら?」
「かまわない。でも、まずは彼らをまかないとな」
リュカはリュカで誰かに追われているみたいだった。
だけど、焦った様子はなく、余裕に満ちた表情で私に言った。
すると、彼女は馬鹿にしたように笑って、私のメイクは下手くそだと言った。
「そんなに酷いかしら」
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「そ、それは、そうかと思います。私が偉そうにしているように見えたというのであれば謝ります。申し訳ございません」
マララはそう言って頭を下げてきた。
「わかってくれたのなら良いの。でも、お父様に相談させてもらうから」
「そんな! お待ちください! 謝ったではないですか!」
「そうね。だから、クビにしろとまでは言わないわ。専属メイドから変更してもらうだけよ。今すぐにクビにして補ほしいと言うのなら、そうしてあげても良いけれど?」
「……何よ。偉そうにするのはおかしいと言いながらも、偉そうにしてるじゃないの」
マララは小さく呟いたあと、唇を噛み締めた。
聞こえていると言いたいところだけれど、マララにいつまでもかまってはいられない。
彼女のことは今はおいておいて、ダイニングルームに向かうことにした。
そういえば、メイクのことで思い出したけれど、リュカは私の顔を見たことがあったかしら?
ないわよね?
だって、牢屋の中で話をしただけだもの。
それに私だって、リュカの顔を知らないわ!
それだけじゃない。
顔だけじゃなくて、リュカのことをほとんど知らない。
いつも私が話すばっかりで、リュカは自分のことをあまり話さなかったんだもの。
心配事のせいで気分が悪くなりそうだったけれど、ダイニングルームに着くと、明るい気持ちになった。
中身が19歳の私にとっては久しぶりの温かなスープや新鮮な野菜、柔らかそうなパンがテーブルの上に用意されていたからだ。
早速、席について、温かなスープをスプーンですくって口に入れる。
「美味しい」
美味しい食事のおかげなのか、今までの暗かった気持ちがどこかへ吹き飛んだ。
リュカはどんな顔をしているのかしら。
独房を仕切っていたのは石の壁だったけど、廊下側は鉄格子だったから声が通ってリュカと会話が出来た。
声だけは絶対に間違わない。
今は、それだけで十分だと思うことにしましょう。
それにこんな不思議な体験をしているんだから、絶対に出会えるはずよ。
そう自分に言い聞かせて、これからの段取りを頭の中で組んでいった。
*****
朝食を終えた私は一度部屋に戻り、メイクを落とした。
あれだけ変だと言われてしまった顔で、リュカに会うのは躊躇われたからだ。
そして、書き物机の引き出しの中に入れていた小銭をワンピースのポケットに忍ばせる。
マララがチップを要求してくることがあるから、小銭を鍵付きの引き出しに入れていたのが、ちょうど役に立った。
ポーチに待たせていた馬車に乗り、屋敷から1時間半以上はかかるドルセン広場へと向かった。
マララには屋敷で待っているようにお願いしたけれど、付いていくと言ってきかないので、一緒の馬車に乗って出発した。
お父様とお母様、それからお兄様は、三日前から領地の視察に行っていて屋敷にいなかったので助かった。
お父様たちがいたら、出かける理由を考えないといけなかったからだ。
馬車の中では会話もなく時間が過ぎ、目的地周辺に着いた。
私は馬車から降りて、マララにお願いする。
「少し、一人にしてほしいんだけど」
「いけません! 一人で危険です。リリー様に何かございましたら、私が叱られます」
「わかったわ。だけど、少し離れて付いてきてくれない?」
「どうして、そんなワガママをおっしゃるんですか」
マララはブツブツ言いながらも、騎士と一緒に少し離れて付いてくることになった。
今回のことについては、マララが文句を言いたくなる気持ちはわかるから咎めるつもりはない。
ドルセン広場は私が住んでいる小国、アグリタ王国の中では一番大きな広場で中央には噴水があり、その噴水を囲むように石畳の道と芝生が広がっている。
この場所は、人々の憩いの場のため、見渡す限り人だらけだった。
広場の中央付近からは近くにある時計塔が見えたので時間を確認すると、あと5分程で1時になるところだった。
リュカはどこにいるのかしら。
きっとリュカは来てくれる。
だけど、リュカの姿がわからないんじゃ、どうしようもないわ。
ウロウロしても意味がない様な気がして、噴水に近い場所で立ち止まり、リュカらしき人物を探す。
顔や体型がわからないので、一人でいる若い男性を見つけては、リュカがどうか確認しようかと迷った。
でも、たくさんの親子連れやカップルは視界に入るけれど、一人だけで歩いている若い男性の姿はあまり見えない。
しかも、誰かを探しているような素振りもない。
噴水の周りには、たくさんの人が座っていて、浮浪者なのか薄汚れたコートを着て、フードで顔を隠している人物がたくさんいる。
そんな人たち一人ひとりに話しかけていく気にもならなかった。
迷っている内に、刻一刻と時間は過ぎていく。
リュカ、どこにいるの?
時計が1時になろうとした瞬間、たまらず私は叫んだ。
「リュカ! どこにいるの!」
「ここだよ」
後ろから声が聞こえて振り返ると、茶色の外套のフードを目深にかぶった人物が、真後ろに立っていた。
私よりも頭一つ分背の高い誰かは、私が怯えた表情を見せると、フードを軽く上げて顔を見せてくれた。
漆黒の髪にキラキラ光る青色の瞳、前髪は目にかかりそうなくらいに長い。
目は少し吊り目気味ではあるけれど、ぱっちりとした目に鼻筋のとおった端正な顔立ちの青年は、私と目を合わせると、にこりと笑った。
「リリー、はじめまして。俺がリュカだよ。リリーの姿は、君があの場所に連れて来られた時に一度だけ見ただけなんだ。だから、本当にリリーかどうかすぐにわからなくて、中々声が掛けられなかった。不安にさせてごめん」
「それはかまわないけれど、本当にあなたがリュカなの!?」
「そうだって。若返ってはいるけど、声はそんなに変わらないだろ?」
彼の声と、若返ってはいる、という言葉が出た時点で、私の中では安易かも知れないけれど、彼がリュカだという確信はもてた。
でも、想像していた以上にリュカの容姿が整っているため焦ってしまう。
「こ、声は一緒だけど、イメージが違うというか」
「そうか? あんまり変わってないと思うんだけどな。とにかく会えて嬉しいよ。色々と君と話がしたいんだ。いきなりで申し訳ないけど走れるか?」
「本当にいきなりね。長い距離は体力が続かないけど多少は走れるわ。そうなることも覚悟して動きやすい格好にしてきたから」
「じゃあ、行こう!」
リュカは私の手を取ると、人を上手に避けて歩き始めた。
そして、少しずつ歩くスピードが速くなっていく。
足の長さが違うため、最初はリュカに付いていけるか心配になった。
でも、人混みを避けながらなので、小走りになればついていけるスピードだったので助かった。
足を止めずに、ちらりと後ろを振り返ると、護衛の騎士たちがマララと一緒に焦った顔をして追いかけて来ているのが見えた。
だから、わかってはもらないと思っていながらも叫ぶ。
「大丈夫だから、馬車の所で待っていて!」
本当にごめんなさい。
でも、二人で話をしたいと言っても許してもらえないでしょうし、リュカもバレたくないみたいなのよ。
心の中で謝ってから、リュカに話しかける。
「ねえ、リュカ」
「何かな?」
「……あとでたくさん質問してもいいかしら?」
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