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17 夫との離婚準備
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私はこれ見よがしに大きなため息を吐く。
「だから私がお礼を言っておくと言ったでしょう」
「妹が夢中になる相手だぞ! 誰か気になるんだよ。僕が知らない貴族なんて怪しすぎるじゃないか」
侯爵と面識がない可能性としては、子爵家以下の立場であることが高い。だからトータムは、特徴を聞いただけでは、自分の知らない下位貴族だと思ったみたいだった。
「ジゼル公爵家の使者なのよ。怪しいわけがないじゃない。それに私は、フララさんが我儘を言うから止めてほしいと言っただけで、あなたに礼を言えだなんて言っていないわよ」
「兄なんだから妹が世話になった人の顔をちゃんと見ておきたいんだ」
「先方は迷惑だと思うわ」
「……最近のミアリナは本当に冷たくなったね」
「冷たくなったですって?」
言われた内容に苛立ってしまい、眉根を寄せて聞き返すと、トータムはくるりと背を向けた。
「ジゼル公爵家に確認する」
そう言って、私の返事を待たずにトータムは部屋から出ていった。
******
次の日の朝、私宛にラフリード様から手紙が届いた。
『使者に会いたいとうるさいので、こちらから会いに行く。その時に君の義母ことでわかった話もする』とのことだった。
さすがのトータムも彼の姿を見たら、ラフリード様だということに気づくでしょう。
そうなった時、トータムはなんと言うのかしら。
……その前にフララさんが暴走してくれるだろうから、楽しいことになりそうね。
こんなことを思える余裕が出てきたことを良し考えて、旅立つ日に向けての準備を整えることにした。
朝からトータムの執務室に向かうと、不機嫌そうな顔で話しかけてくる。
「僕は忙しいんだ。くだらない話じゃないのなら聞くよ」
「離婚についての話はくだらなくはないわよね」
「また、その話か。ああ、君がもっと美しかったら、こんなことにならずに済んだのに……」
「ふざけないで。自分の意思が弱いだけでしょう。私のせいにしないでよ」
私は用意した誓約書をトータムに見せる。
「もう私とあなたの間に愛はない。だから、もし次にあなたが誰かと関係を持ち、その証拠を押さえることができたら、私と離婚してください」
「……僕は浮気なんてしない」
「なら、サインできるわよね」
彼の目の前に誓約書を置く。トータムは私を見上げて睨んだあと、文句を言いながらも署名欄に自分の名前を書いた。
「これで満足か?」
「ありがとう」
「もう一度言うが、僕は浮気なんかしないぞ。フララは僕に興味なんてないんだから」
「そうね。でも、フララさんにはあなたしかいないと思うわ」
だって、彼女の愛しの王子様の正体はラフリード様なんだもの。
一瞬で玉砕だわ。いや、彼女はしつこく頑張るかしらね。それでも、拒否されることは確かだ。
最終的にフララさんはトータムに頼るしかない。そうなったら意思の弱いトータムはころりと落ちるでしょう。
「僕しかいない……か」
「じゃあ部屋に戻るわね」
満更でもないような顔をして呟いたトータムに私は言ったあと、誓約書を大事に抱えて、トータムの執務室をあとにした。
「だから私がお礼を言っておくと言ったでしょう」
「妹が夢中になる相手だぞ! 誰か気になるんだよ。僕が知らない貴族なんて怪しすぎるじゃないか」
侯爵と面識がない可能性としては、子爵家以下の立場であることが高い。だからトータムは、特徴を聞いただけでは、自分の知らない下位貴族だと思ったみたいだった。
「ジゼル公爵家の使者なのよ。怪しいわけがないじゃない。それに私は、フララさんが我儘を言うから止めてほしいと言っただけで、あなたに礼を言えだなんて言っていないわよ」
「兄なんだから妹が世話になった人の顔をちゃんと見ておきたいんだ」
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次の日の朝、私宛にラフリード様から手紙が届いた。
『使者に会いたいとうるさいので、こちらから会いに行く。その時に君の義母ことでわかった話もする』とのことだった。
さすがのトータムも彼の姿を見たら、ラフリード様だということに気づくでしょう。
そうなった時、トータムはなんと言うのかしら。
……その前にフララさんが暴走してくれるだろうから、楽しいことになりそうね。
こんなことを思える余裕が出てきたことを良し考えて、旅立つ日に向けての準備を整えることにした。
朝からトータムの執務室に向かうと、不機嫌そうな顔で話しかけてくる。
「僕は忙しいんだ。くだらない話じゃないのなら聞くよ」
「離婚についての話はくだらなくはないわよね」
「また、その話か。ああ、君がもっと美しかったら、こんなことにならずに済んだのに……」
「ふざけないで。自分の意思が弱いだけでしょう。私のせいにしないでよ」
私は用意した誓約書をトータムに見せる。
「もう私とあなたの間に愛はない。だから、もし次にあなたが誰かと関係を持ち、その証拠を押さえることができたら、私と離婚してください」
「……僕は浮気なんてしない」
「なら、サインできるわよね」
彼の目の前に誓約書を置く。トータムは私を見上げて睨んだあと、文句を言いながらも署名欄に自分の名前を書いた。
「これで満足か?」
「ありがとう」
「もう一度言うが、僕は浮気なんかしないぞ。フララは僕に興味なんてないんだから」
「そうね。でも、フララさんにはあなたしかいないと思うわ」
だって、彼女の愛しの王子様の正体はラフリード様なんだもの。
一瞬で玉砕だわ。いや、彼女はしつこく頑張るかしらね。それでも、拒否されることは確かだ。
最終的にフララさんはトータムに頼るしかない。そうなったら意思の弱いトータムはころりと落ちるでしょう。
「僕しかいない……か」
「じゃあ部屋に戻るわね」
満更でもないような顔をして呟いたトータムに私は言ったあと、誓約書を大事に抱えて、トータムの執務室をあとにした。
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