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15 夫と愛人の言い分 ②
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彼女から詳しい話を聞いてみると、ロファー様から別れ話を切り出されたとのことだった。しかも、私との関係の修復に邪魔だから近い内に屋敷を出ていけと言ったのだそうだ。
私と関係を修復したいだとか、邪魔になったから出ていけとか自分の都合しか考えていないところが腹が立つ。
「別れろ……とかっ、自分で辞めると言え……とかっ、ひ、酷いですっ! い、いけないことをしていたのは……、わかってますっ! で、でも……、わたしはっ、ただ好きだっただけなのに!」
ミミナさんは嗚咽を上げながら、私にそう訴えた。
私に助けを求めるなんて都合が良すぎる気もするけれど、他に助けてくれる人なんていないことから、ここに来ているのだともわかる。彼女の自業自得だと思える部分もあるけれど、ロファー様から一方的に彼女が悪いだけとされてしまうことは納得いかない。
たとえ彼女に誘惑されてたのだとしても、ロファー様がそれに乗らなければ良いことでもあった。
「お母様に反対された時に別れておくべきだったんですね」
ソファに座らせて温かなお茶を飲ませると、少し落ち着いたのかミミナさんは涙を拭いて言った。
「反対される前に気が付いておかなければいけないことだったけれど、あなたはまだ若いし、昔なんて本当の子供じゃないの。ロファー様が配慮すべきだったのよ」
「お母さんをクビにしてまで、わたしと一緒にいたいと言ってくれたのに……」
「その時のロファー様もあなたと同じで恋の病にかかっていたのでしょうね」
自分はミミナさんのことが好きだから反対されて苛立ったんでしょう。屋敷内では強く出れるのに、世間体を気にするからミミナさんとの交際を表立ってすることもできない。私の婚約や結婚は彼にとって都合の良いものだった。ロファー様は自分勝手すぎるわ。
「……わたしはどうすれば良いのでしょうか」
冷たいことを言えば、そんなことを私に聞いてこないでほしいというのが本音だ。でも、彼女が本当に反省していて、私に助けを求めているというのであれば助けてあげてもいい。
「ミミナさんはまだロファー様のことが好きなの?」
「は……、はい。だって、初恋で、他の男性を知りませんから。責任だって取ってもらいたいし。でも、ファリ様には酷いことをしたとは思っています」
頬を赤らめるミミナさんを見てため息を吐く。
どうやらロファー様は、ミミナさんに手を出したらしい。私に報告しないだけで使用人たちはそのことに気が付いているはずだ。だから余計にミミナさんに同情する人がいないのでしょう。
「わかったわ。夫の不祥事は妻も多少の責任は負わなければならないでしょう。でも、ミミナさん、あなたも悪いことをした。それはわかるわね?」
「……はい。反省はしています。でも、好きな気持ちは抑えられなくて」
「気にしないで。あなたはロファー様を好きなままでいてくれていいわ」
「えっ!?」
驚いた顔で私を見つめるミミナさんに微笑みかける。
「そのかわり、私の言う条件をのんでちょうだい」
「な、何をしたら良いんですか?」
「まずこれから話す話は、絶対に口外しないこと」
「わかりました!」
「では言うわね。私とロファー様が離婚するまで、あなたにはロファー様を好きでいてほしいの。無事に離婚ができたあとに、その時のあなたの気持ちは確認するから、彼と添い遂げろとまでは言わないわ」
「……ファリ様は一体、何を考えているんですか?」
ミミナさんは泣いたせいで真っ赤になった目を向けて私に尋ねた。
私と関係を修復したいだとか、邪魔になったから出ていけとか自分の都合しか考えていないところが腹が立つ。
「別れろ……とかっ、自分で辞めると言え……とかっ、ひ、酷いですっ! い、いけないことをしていたのは……、わかってますっ! で、でも……、わたしはっ、ただ好きだっただけなのに!」
ミミナさんは嗚咽を上げながら、私にそう訴えた。
私に助けを求めるなんて都合が良すぎる気もするけれど、他に助けてくれる人なんていないことから、ここに来ているのだともわかる。彼女の自業自得だと思える部分もあるけれど、ロファー様から一方的に彼女が悪いだけとされてしまうことは納得いかない。
たとえ彼女に誘惑されてたのだとしても、ロファー様がそれに乗らなければ良いことでもあった。
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「反対される前に気が付いておかなければいけないことだったけれど、あなたはまだ若いし、昔なんて本当の子供じゃないの。ロファー様が配慮すべきだったのよ」
「お母さんをクビにしてまで、わたしと一緒にいたいと言ってくれたのに……」
「その時のロファー様もあなたと同じで恋の病にかかっていたのでしょうね」
自分はミミナさんのことが好きだから反対されて苛立ったんでしょう。屋敷内では強く出れるのに、世間体を気にするからミミナさんとの交際を表立ってすることもできない。私の婚約や結婚は彼にとって都合の良いものだった。ロファー様は自分勝手すぎるわ。
「……わたしはどうすれば良いのでしょうか」
冷たいことを言えば、そんなことを私に聞いてこないでほしいというのが本音だ。でも、彼女が本当に反省していて、私に助けを求めているというのであれば助けてあげてもいい。
「ミミナさんはまだロファー様のことが好きなの?」
「は……、はい。だって、初恋で、他の男性を知りませんから。責任だって取ってもらいたいし。でも、ファリ様には酷いことをしたとは思っています」
頬を赤らめるミミナさんを見てため息を吐く。
どうやらロファー様は、ミミナさんに手を出したらしい。私に報告しないだけで使用人たちはそのことに気が付いているはずだ。だから余計にミミナさんに同情する人がいないのでしょう。
「わかったわ。夫の不祥事は妻も多少の責任は負わなければならないでしょう。でも、ミミナさん、あなたも悪いことをした。それはわかるわね?」
「……はい。反省はしています。でも、好きな気持ちは抑えられなくて」
「気にしないで。あなたはロファー様を好きなままでいてくれていいわ」
「えっ!?」
驚いた顔で私を見つめるミミナさんに微笑みかける。
「そのかわり、私の言う条件をのんでちょうだい」
「な、何をしたら良いんですか?」
「まずこれから話す話は、絶対に口外しないこと」
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「では言うわね。私とロファー様が離婚するまで、あなたにはロファー様を好きでいてほしいの。無事に離婚ができたあとに、その時のあなたの気持ちは確認するから、彼と添い遂げろとまでは言わないわ」
「……ファリ様は一体、何を考えているんですか?」
ミミナさんは泣いたせいで真っ赤になった目を向けて私に尋ねた。
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