生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな

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81 ~エリザベスの悩み~

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「もう無理…この世界で生きていく自信がないわ……」


自称も他称もヘタレな私は、この先どうやって生き抜いていったらいいのか、誰にも相談できず早十数年……。
生まれて間もない頃から、前世の記憶がある私は、ちょっとウキウキしながら数年を過ごした。だってこれって、前世の弟達が話してた転生ってやつじゃない?それに、記憶もあるってことは、前世の知識も生かせるチートってやつでしょ?


だからね、弟達が読んでた本に書いてあった通り、魔力操作を自主練したり、小出しに色々考えみたりしたんだけど…私にとってそれは悪手だと言う事が、数年前に発覚。


我が家は国の政策に多大な益をもたらした…と国王陛下から褒美を貰い、爵位も一つ上の公爵となり……おまけに、私の魔力操作の巧みさに目をつけられ、なぜか第一王子殿下の婚約者候補に……。


あれよあれよと煌びやかな世界へ階段を登って行く我が家。
それと反比例するかのように落ちていく私のテンション。


前世の職業が研究者で、自分が興味を持ったモノに突き進んでいく性格が今の私の状況を作っているのは重々承知している。
けどやっぱり、平穏な生活を諦められなかった私は、隣国から留学して来た公爵令嬢をいじめる作戦を思いつく。


よくある話じゃない?主人公の令嬢をいじめた令嬢が、王子に婚約破棄されたっていうの。
だからね、やってみたのよ。早速。
悪役令嬢には付き物の高笑いもつけてね。


けどね…これって結構心が痛いの。
思ってもいないことを、あの綺麗なウィンステッド様に言うのよ。
きっと、私なんかより社交もダンスも上手な彼女に、礼儀がなっていないとか嫌味を言わなければいけないのよ……毎日が拷問のようでキツかったのは確かだった。


そんな私の何を見てそう思ったのか、バカな兄はウィンステッド様にいちゃもんつけに行ったらしい。それも、殿下の使いだと嘘をついて。
もう、何してくれちゃってんのよって感じ。


でも、これが効いたようで、あっけなく私の『婚約者候補』という肩書が消えた。私が悪いわけではないが…おバカな兄のような者が、王家の縁戚になるのは不適格とされたらしい。
まぁ…でも、殿下の名前を利用したのに、これくらいで済んで良かったのだと思う。


まぁ…その他にも色々…ホントに兄は色々やらかしていたようだ。
ホントに色々。


とりあえず私の今までの功績もあり爵位の返上まではいかないものの、兄様の爵位の継承は許可されないだろうと予想され…将来的には私が婿をもらう形に今のところは落ち着いたらしい。


まぁ…結局は政略なんだろうけど、自分が結婚できるのか…ってか、この世界で生きていけるのか…不安ばかりで前が見えない。
誰か、この悩みを共有できる人はいないのか…。


だれか…誰か。

ギブミーお友達である。
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