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しおりを挟む二度寝をして目が覚めて…一番にしたことはとりあえず、マーキスへの口止めだったんだけど、いいのか悪いのか、マーキスは夢の事を全くといって覚えていなかったそうだ。
使いで行ってくれたマリーが報告してくれた。
「ただ…マーキス様には見えていなかったようなのですが、マーキス様の周りを白い綿毛のような物がふわふわと漂っていました。もしかしたら…」
話をしている内にマリーも気が付いたようで、ハッとした顔で私を見た後、では私にもっ…とか言って、部屋を出て行った。
夢の中の産物が現実にも影響?考えれば考えるほど、ファンタジー過ぎて真剣に考察できない。
なのでここはひとつ、夢の中の産物を絶対に従えているであろうメアリを呼んだ。
●○●○
大きめのバスケットの中でくわっとあくびをして、また寝始める…ネコサイズの白虎。
そして、さっきマリーからも、足元にじゃれつくような黒いほわほわがいると報告をきいた。
三人が三人、それぞれ夢の中の産物を現実に具現化させている。
そして、それはそれぞれの魔力保持量に比例しているように感じる。
「お嬢様…多分ですがこの子達は魔素によって作られている、魔物の一種ととらえてもいいかも知れません」
そう言いながら眠る白虎の鼻先に、魔力の玉を作る。
どうもこれがこの子の食事らしい。
「まだ解からない事ばかりですが、これも一種の想像力なのかもしれません。まぁ…ここまでくれば想像力というより創造力ですが…」
とりあえず、このまましばらく様子を見ていくことにした。
メアリが部屋を出てしばらく、先ほどメアリが言っていた『創造力』について考える。
創造力ね……魔法と同じ…かな?
夢の世界に入る…か…。どのタイミングでどんな創造をしたらいいのか、きっとあまりチャンスはなさそうなので、現実世界でシュミレーションをしていた方が良いだろうと思う。
けど……前世では、気が付けば仕事仕事の生活をしていたせいか、あまりファンタジー物の話には縁が無かったし……仕事柄なぜか男性の上司ばかりに囲まれていたせいか、ほわほわした話にも縁がなかった。
あるのは、終わらない言い争いやなんで怒っているのか判らない怒鳴り声。
飲食業がメインだったこともあって、世の皆様が寛いでいる時間に在宅していた事も稀で、見るテレビと言えば、外国の通販番組とか、深夜にたまにやっていたアニメだったり。
疲れて家に帰ると本を読む気力もなく眠り、ハッと起きた頃には日もだいぶ高い時間で、銀行やらなにやらの用事を済ませると、そのまま仕事……という充実しているんだかいないんだか分からない生活をしていて、創造力なんて鍛えられるわけもなく…。
そういえばあの頃は、歩くのも面倒で、某テレビアニメのロボットが使っていた、どこにでも行けると言うドアが、真面目に欲しくてぼやいてた時があったなぁ…なんて昔を懐かしんでみた。
………ん?……????ドア?
そうか!ドアだドア!
どんなタイミングでかは悩むところだけれど、ドアを開けるとそこは……的な感じで行けるかも♪と、だいぶパクったアイデアながらも、我ながら言い考えだと思いウキウキしていたら、珍しいことに兄様からの使いがきた。
ー―至急あいたい。昼餐を一緒に…ーー
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