【完結】異世界召喚されたのはこの俺で間違いない?

苔原りゐ

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ユリスの秘密

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リリがふと後ろを振り返り、ユリスの様子に気づく。「ユリス……もしかして、怖いの?」

「……そ、そんなことありません。」ユリスは視線をそらしながら答えたが、その声は震えていた。

「……じゃあ、なんでそんなに後ろにいるの?私の後ろに隠れてるみたいだよ。」リリが少し意地悪そうに言う。

「っ……それは、リリさんを守るためで……。」ユリスは言葉を詰まらせながら答えた。

その時、一匹のゴーストが近くを漂い、ふわりとユリスの前を通り過ぎた。

「ひゃっ……!」ユリスが短く悲鳴を上げ、思わずリリの袖を掴む。その表情は引きつり、明らかに怯えている。

リリは手をそっとユリスの手に重ね、「ユリス、大丈夫。私も怖いから、こうして一緒にいようよ。」と優しく言った。

ユリスはその言葉に一瞬戸惑ったが、次第に頬を染めながら小さく頷き、リリの手をしっかりと握り返した。「……ありがとうございます。」

ゴーストたちは一定の距離を保ちながら、何もせずに漂い続けた。そしてしばらくすると、霧と共に薄れ、やがて完全に姿を消した。

「……消えた?」俺は剣を構えたまま辺りを見回す。

「どうやら無害だったみたいね。でも、嫌な緊張感だったわ……。」エリザが胸を撫で下ろす。

「もう、こういうの嫌だよ……。」リリが小さく呟き、俺の腕にしがみついた。

ユリスもそっと短剣を下ろし、肩を震わせている。その目元は赤く、わずかに涙が浮かんでいるのが分かった。

霧を抜け、ようやく見晴らしの良い開けた場所に出ると、俺たちは一息ついた。リリがユリスをじっと見つめながら意外だったという風に声を上げる。

「ユリス、泣いてたの?」

「っ……そんなことは……!」ユリスは慌てて背を向けたが、その声には明らかに動揺が滲んでいた。

リリが微笑みながら近づき、ユリスの手をもう一度しっかりと握る。「泣いてもいいんだよ。怖かったの、分かるから。私も怖かったし。」

「……でも、私は……。」ユリスは呟きながらも、リリの優しさに抗えず、小さく「ありがとうございます……。」と返した。

エリザが微笑みながら二人の間に入り、「みんなでいるから大丈夫よ。次も一緒に頑張りましょう。なるべく無いようにするけど......。」と優しく声をかけた。

俺はそんな様子を見て小さく笑いながら言った。「誰も一人にしない。みんなで一緒に乗り越えるんだ。」

エリザが改めて地図を広げ、「これでようやく『月の影』に向けて進めるわ。」と安心したように言った。

「この先でどんな試練が待っているか分からないけど、俺たちなら乗り越えられるさ。」俺は仲間たちを見回して力強く言った。

「はい、頑張りましょう。」ユリスが静かに頷く。

「怖いけど、私も頑張る!」リリが拳を握りえいえいおーのポーズで笑顔を見せた。
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