転生している場合じゃねぇ!

E.L.L

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とても申し訳なくは思う
彼女の話をしっかり聞かなかったのだから
しかし正座をさせられ、小一時間ほどガミガミ怒られるのは如何なものかと思う
俺だって好きでここで来たわけではない
むしろ戻りたい
もう今すぐにでも

「お前の異世界のイメージはそもそも偏りすぎなんだよ
異世界転生だってね、いろいろあんだよ
あ?
決めつけてんじゃねぇよ」

しかも怒られてる内容ちょっとおかしくない?

「こちとら選べるもんなら彼女のことしか頭にないボンクラお前よりマシな奴召喚したかったっつーの」

じゃあ返せよ
何なんだよ
理不尽な

「召喚で引っかかったのがたまたまお前だったこっちの身にもなれっつの」

もう天災にでもあったと思うしかない

「お前にだって悪い話でもねぇと思うけど?」

ほう

「それはどういったことでございますか」

「お前死んでんだもん
本来なら」

「ほぇ?」

「この召喚はお前のいた世界で死んだ人間の中から引っかかった奴が来んの」

「死…え?」

「お前さぁ
異世界転生の知識本当にあるの?
王道な展開だろうが
なんて無駄な脳みそ
カニ味噌に謝れよ」

何でだよ
カニ味噌どこから出てきた

「ここで依頼をこなしたら生き返らせてやる」

「あの、ありがたいお話なんですけど俺…いや、僕って向こうで死んでるんですよね」

一応丁寧目な言葉を心掛ける
彼女以外の女性に不必要に親切にするつもりは毛頭ないが、目の前の存在に関しては機嫌を損ねると何があるか分かったものでは無い

「そうだよ」

「だったら向こうの俺って火葬されたりとか…あの…戻る先はあるんですか?」

「1度は呼吸が止まったけど、動かしてあげた
感謝しなよ
額を地面に擦り付けて」

女神というのはこういう高飛車な存在なのかこの目の前のやつ限定なのか

「…有り難き、幸せ」

「意識不明だけど、体の蘇生も少しずつしてあげてるんだよ
もう疲れた」

膨れっ面もやたら綺麗だが中身は―

「なんか失礼なこと思った?」

「滅相もございません」

「…とにかくそういう訳だから、元の世界に戻りたければ頑張んな」

「はい、喜んで!
それで、何をすればいいのですか?」

勢いよく立ち上がる
さっさとこなして彼女の元に帰ろう
すぐに!!

「それを最初に説明しようとしたのに邪魔したのはどこの誰だコラ」

「ワタクシです」

ジトっとした目で見られる
やはり先程感じた視線は気のせいではなかったらしい
そんなこと知っても意味無いけど

「フン
まぁいいや
魔王を倒せ」

王道だな
王道すぎるな
ありふれすぎてつまんねぇよ

「ナメてっと死ぬぞ」

「…ちなみにこちらで死ぬと…?」

「永遠に元の世界には戻れないに決まってんだろ」

「そんな殺生な!」

「元々死んだ命を助けてやったんだけど?」

「…死力を尽くさせていただきます」
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