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エルザ(確定)と共に移動した先は王都だった
俺のいた世界では中世の外国みたいな風景の場所だった
あの辺鄙な場所とは打って変わって喧騒に包まれている
相変わらずあまり外に出ないけど
食料などは何者かが玄関先で引き渡してくれるようだからだ
その時は俺は外に出ないように毛布でぐるんぐるんにされている
お散歩とかにも行かないから俺の世界は音が増えただけで特に広がらなかった
エルザは力が恐ろしく強く、運動神経も良かった
今日も洗濯ものの全てを棹に部屋でセッティングし担いで外に出てぶら下げ、瞬く間に戻ってきた
一家に1人欲しい
この世界の比較対象がいないので分からないが、俺も大きくなったらこれくらいできるようになるのだろうか
「レオ様
今日もご機嫌ですねぇ」
ただ、最近言葉遣いが変わった
何でだろう
「あなたはとても賢いからすぐに成長してしまうでしょうね」
少し寂しそうだ
育ての親ということに変わりないだろうに
もうすぐさよならするのだろうか
それは俺としても少し寂しい
だってこの世界の知り合いはエルザしかいない
あ、あの仮面の子供もいたな、そういえば
言葉も交わしてないし、顔も知らないので知り合いとも言えない気もするけど
あの子もすごい運動神経だったからやっぱみんなそうなるのかもしれない
でも馬車要らなくない?
それなら
いや、走るの疲れるから必要なのかもしれないけどさ
やっぱ情報が足りない
外の世界を知る必要がある
これ以上ナツに会えないとそろそろ蕁麻疹とか発熱とか不具合が出そうだ
ボーナス目指して頑張るぜ
サラリーマンの皆様が頑張る気持ちがわかる気がするぜ(絶対に違います。サラリーマンの皆様ごめんなさい)
俺は立っちをマスターして、ヨチヨチと歩き始めた
何歳か知らないがまぁ外からどう見えようが誰がなんと言おうが俺にとって重要事項なのはナツのそばにいることだ
コロンと転がらなくなるくらい歩けるようになってから俺はエルザの服の裾を引っ張った
「う!」
「何ですか?」
「あー」
外を指さす
「…お外に出たいんですか?」
コクと頷く
まだ言葉は上手く話せない
「うーん…
外は…」
外に出るのは危ないのは分かる
何しろ人に追われる身だからな
だが、温室育ちというのも如何なものかなとも思うんだよ俺は
決してナツに会うために急いでいるわけじゃない
「まーま」
「レオ様、私はお母様ではないのです
エルザ、とお呼びください」
「えうー」
「ふふ
まだ難しいですね」
やっと名乗ってくれた
今後必要なんだろうな、きっと
今までが異常な環境だったんだ
だが、今は窓辺にもあまり近寄れない
すぐにエルザに抱え込まれて部屋の中に戻される
外に沢山人がいるからだろう
俺の見た目は日本人の中では薄めの色の髪と目の色だが、特別変わった見た目ではないはずだ
顔の造形は別に悪くもないと思うけど、あの女神(仮)を見てしまった後では世界の美に関する基準がとち狂ってしまっている
世界一素敵な人間はナツだけど
エルザは茶髪にぱちぱちした大きな茶色の瞳の可愛らしい顔立ちだ
肌の色は褐色だが、健康的な感じがする
あともう1人の人間は多分肌が真っ白っと言うことしか分からない
「エルザ」
今日も元気に窓辺で捕獲されている時、窓の外から声がした
「…今開けるわ」
顔つきが急に引き締まったエルザはドアを素早く開けて閉めた
間からするりと仮面の少年が部屋に滑り込むように入ってきた
「ここはバレていない
3日後にはまた移動してもらう」
「わかったわ」
「迎えが来る
合言葉は〝お団子食べたい〟だ」
「わかったわ」
え
もっとマシな合言葉ねぇの?
見た目通り子供なのお前!
いや、まぁ俺よりは年上だろうけどな、ここではさ
すぐに出ていこうとした子供をエルザが引き止める
「ちょっと待って」
ピタリと止まった
所作とか諸々鑑みるに多分この子供は少年だろうと思う
多分
「何か食べていきなさいよ
痩せすぎよ」
少年だろう仮面の子供は首を横に振った
「僕だけ食べる訳には行かない」
あ!
少年だ!
はい、当たりました!
僕だけってことは、他にも仲間いるのか?
「じゃあ…これを持っていきなさい」
エルザの母性は全ての子供に働くのかもしれない
「大丈夫
毒なんて入ってないわ」
エルザはなかなか受け取ろうとしない少年にくすくす笑いながら包みを持たせた
少年はきゅっと包みを抱きしめるとペコりと頭を下げてまた音もなく走り去っていった
俺のいた世界では中世の外国みたいな風景の場所だった
あの辺鄙な場所とは打って変わって喧騒に包まれている
相変わらずあまり外に出ないけど
食料などは何者かが玄関先で引き渡してくれるようだからだ
その時は俺は外に出ないように毛布でぐるんぐるんにされている
お散歩とかにも行かないから俺の世界は音が増えただけで特に広がらなかった
エルザは力が恐ろしく強く、運動神経も良かった
今日も洗濯ものの全てを棹に部屋でセッティングし担いで外に出てぶら下げ、瞬く間に戻ってきた
一家に1人欲しい
この世界の比較対象がいないので分からないが、俺も大きくなったらこれくらいできるようになるのだろうか
「レオ様
今日もご機嫌ですねぇ」
ただ、最近言葉遣いが変わった
何でだろう
「あなたはとても賢いからすぐに成長してしまうでしょうね」
少し寂しそうだ
育ての親ということに変わりないだろうに
もうすぐさよならするのだろうか
それは俺としても少し寂しい
だってこの世界の知り合いはエルザしかいない
あ、あの仮面の子供もいたな、そういえば
言葉も交わしてないし、顔も知らないので知り合いとも言えない気もするけど
あの子もすごい運動神経だったからやっぱみんなそうなるのかもしれない
でも馬車要らなくない?
それなら
いや、走るの疲れるから必要なのかもしれないけどさ
やっぱ情報が足りない
外の世界を知る必要がある
これ以上ナツに会えないとそろそろ蕁麻疹とか発熱とか不具合が出そうだ
ボーナス目指して頑張るぜ
サラリーマンの皆様が頑張る気持ちがわかる気がするぜ(絶対に違います。サラリーマンの皆様ごめんなさい)
俺は立っちをマスターして、ヨチヨチと歩き始めた
何歳か知らないがまぁ外からどう見えようが誰がなんと言おうが俺にとって重要事項なのはナツのそばにいることだ
コロンと転がらなくなるくらい歩けるようになってから俺はエルザの服の裾を引っ張った
「う!」
「何ですか?」
「あー」
外を指さす
「…お外に出たいんですか?」
コクと頷く
まだ言葉は上手く話せない
「うーん…
外は…」
外に出るのは危ないのは分かる
何しろ人に追われる身だからな
だが、温室育ちというのも如何なものかなとも思うんだよ俺は
決してナツに会うために急いでいるわけじゃない
「まーま」
「レオ様、私はお母様ではないのです
エルザ、とお呼びください」
「えうー」
「ふふ
まだ難しいですね」
やっと名乗ってくれた
今後必要なんだろうな、きっと
今までが異常な環境だったんだ
だが、今は窓辺にもあまり近寄れない
すぐにエルザに抱え込まれて部屋の中に戻される
外に沢山人がいるからだろう
俺の見た目は日本人の中では薄めの色の髪と目の色だが、特別変わった見た目ではないはずだ
顔の造形は別に悪くもないと思うけど、あの女神(仮)を見てしまった後では世界の美に関する基準がとち狂ってしまっている
世界一素敵な人間はナツだけど
エルザは茶髪にぱちぱちした大きな茶色の瞳の可愛らしい顔立ちだ
肌の色は褐色だが、健康的な感じがする
あともう1人の人間は多分肌が真っ白っと言うことしか分からない
「エルザ」
今日も元気に窓辺で捕獲されている時、窓の外から声がした
「…今開けるわ」
顔つきが急に引き締まったエルザはドアを素早く開けて閉めた
間からするりと仮面の少年が部屋に滑り込むように入ってきた
「ここはバレていない
3日後にはまた移動してもらう」
「わかったわ」
「迎えが来る
合言葉は〝お団子食べたい〟だ」
「わかったわ」
え
もっとマシな合言葉ねぇの?
見た目通り子供なのお前!
いや、まぁ俺よりは年上だろうけどな、ここではさ
すぐに出ていこうとした子供をエルザが引き止める
「ちょっと待って」
ピタリと止まった
所作とか諸々鑑みるに多分この子供は少年だろうと思う
多分
「何か食べていきなさいよ
痩せすぎよ」
少年だろう仮面の子供は首を横に振った
「僕だけ食べる訳には行かない」
あ!
少年だ!
はい、当たりました!
僕だけってことは、他にも仲間いるのか?
「じゃあ…これを持っていきなさい」
エルザの母性は全ての子供に働くのかもしれない
「大丈夫
毒なんて入ってないわ」
エルザはなかなか受け取ろうとしない少年にくすくす笑いながら包みを持たせた
少年はきゅっと包みを抱きしめるとペコりと頭を下げてまた音もなく走り去っていった
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