8 / 17
07
しおりを挟む
坂本を避けるために、ここ数日は早起きして遅く帰る生活を続けていた。
食事もうまくとれず、眠りも浅かった。
昨晩、少し鼻が詰まっている気がしたが、あまり気にしなかった。
その結果、午後2時までぐっすり眠ってしまった。
起き上がろうとした瞬間、頭がぼんやりして、体がだるくて力が入らなかった。
荒い息をつきながらカーテンをかき分けると、坂本が水を持ち、薬を手にして、身長190cmを超える大きな体で俺の上のベッドから見下ろしていた。
坂本の顔を見た途端、頭の熱がさらに増した気がして、頭の中は坂本がシャツの裾を噛んでいる顔ばかり浮かんだ。
坂本が俺の額に手を伸ばしたので、反射的に後ろに避けた。
ハッと我に返ると、坂本は動かず、でもその黒く輝く瞳には悲しみが滲んでいた。
「俺は……」
口を開けて説明しようとしたが、熱と脱水で声はガラガラで、まるでガチョウの鳴き声のようだった。
坂本は何も言わず、薬を手渡し、水も飲ませてくれた。
梯子を踏みながら、俺に布団をかけてくれた。
「お腹すいた?何か食べてからまた寝る?」
坂本は俺の上のベッドに座っていた。
病気の時は誰でも弱くなるけど、突然そんな坂本が、変態だけど俺の大切な親友だと思えてきた。
だから、簡単に“死刑”を言い渡せない。
もしかしたら……まだ救えるかもしれない。
「坂本、俺たち、一生の友達でいい?」
坂本は布団から出した俺の手を再び布団に戻し、正面からは答えず、ちょっと怖いほどの目つきで俺を見た。
「寝ろ。起きてもまだつらいなら、俺が病院に連れて行く。」
そう言って降りようとした時、俺は咄嗟に彼の腕を掴み、熱で赤くなった目をじっと見つめて、嗚咽を漏らしながらお願いした。
「約束してくれたら、寝るから。」
坂本はしばらくじっと俺を見つめてから、長い腕を伸ばし、急に後ろ首を掴んだ。
距離が一気に縮まり、強引な息遣いが俺をすっかり包み込んだ。
息ができなくなって、俺は彼の服を掴んで押しのけようとしたけど、力がなくて、むしろ彼を引き寄せてキスをしているようだった。
坂本は俺の手を取って心臓の辺りに当てた。
激しく鼓動する心臓が、俺が坂本にどれほど影響を与えているかを物語っていた。
坂本は後ろ首を掴んだまま、額を俺の額に寄せて、かすれた声で聞いた。
「悠真、どう思う?」
食事もうまくとれず、眠りも浅かった。
昨晩、少し鼻が詰まっている気がしたが、あまり気にしなかった。
その結果、午後2時までぐっすり眠ってしまった。
起き上がろうとした瞬間、頭がぼんやりして、体がだるくて力が入らなかった。
荒い息をつきながらカーテンをかき分けると、坂本が水を持ち、薬を手にして、身長190cmを超える大きな体で俺の上のベッドから見下ろしていた。
坂本の顔を見た途端、頭の熱がさらに増した気がして、頭の中は坂本がシャツの裾を噛んでいる顔ばかり浮かんだ。
坂本が俺の額に手を伸ばしたので、反射的に後ろに避けた。
ハッと我に返ると、坂本は動かず、でもその黒く輝く瞳には悲しみが滲んでいた。
「俺は……」
口を開けて説明しようとしたが、熱と脱水で声はガラガラで、まるでガチョウの鳴き声のようだった。
坂本は何も言わず、薬を手渡し、水も飲ませてくれた。
梯子を踏みながら、俺に布団をかけてくれた。
「お腹すいた?何か食べてからまた寝る?」
坂本は俺の上のベッドに座っていた。
病気の時は誰でも弱くなるけど、突然そんな坂本が、変態だけど俺の大切な親友だと思えてきた。
だから、簡単に“死刑”を言い渡せない。
もしかしたら……まだ救えるかもしれない。
「坂本、俺たち、一生の友達でいい?」
坂本は布団から出した俺の手を再び布団に戻し、正面からは答えず、ちょっと怖いほどの目つきで俺を見た。
「寝ろ。起きてもまだつらいなら、俺が病院に連れて行く。」
そう言って降りようとした時、俺は咄嗟に彼の腕を掴み、熱で赤くなった目をじっと見つめて、嗚咽を漏らしながらお願いした。
「約束してくれたら、寝るから。」
坂本はしばらくじっと俺を見つめてから、長い腕を伸ばし、急に後ろ首を掴んだ。
距離が一気に縮まり、強引な息遣いが俺をすっかり包み込んだ。
息ができなくなって、俺は彼の服を掴んで押しのけようとしたけど、力がなくて、むしろ彼を引き寄せてキスをしているようだった。
坂本は俺の手を取って心臓の辺りに当てた。
激しく鼓動する心臓が、俺が坂本にどれほど影響を与えているかを物語っていた。
坂本は後ろ首を掴んだまま、額を俺の額に寄せて、かすれた声で聞いた。
「悠真、どう思う?」
110
あなたにおすすめの小説
愛おしい、君との週末配信☆。.:*・゜
立坂雪花
BL
羽月優心(はづきゆうしん)が
ビーズで妹のヘアゴムを作っていた時
いつの間にかクラスメイトたちの
配信する動画に映りこんでいて
「誰このエンジェル?」と周りで
話題になっていた。
そして優心は
一方的に嫌っている
永瀬翔(ながせかける)を
含むグループとなぜか一緒に
動画配信をすることに。
✩.*˚
「だって、ほんの一瞬映っただけなのに優心様のことが話題になったんだぜ」
「そうそう、それに今年中に『チャンネル登録一万いかないと解散します』ってこないだ勢いで言っちゃったし……だからお願いします!」
そんな事情は僕には関係ないし、知らない。なんて思っていたのに――。
見た目エンジェル
強気受け
羽月優心(はづきゆうしん)
高校二年生。見た目ふわふわエンジェルでとても可愛らしい。だけど口が悪い。溺愛している妹たちに対しては信じられないほどに優しい。手芸大好き。大好きな妹たちの推しが永瀬なので、嫉妬して永瀬のことを嫌いだと思っていた。だけどやがて――。
×
イケメンスパダリ地方アイドル
溺愛攻め
永瀬翔(ながせかける)
優心のクラスメイト。地方在住しながらモデルや俳優、動画配信もしている完璧イケメン。優心に想いをひっそり寄せている。優心と一緒にいる時間が好き。前向きな言動多いけれど実は内気な一面も。
恋をして、ありがとうが溢れてくるお話です🌸
***
お読みくださりありがとうございます
可愛い両片思いのお話です✨
表紙イラストは
ミカスケさまのフリーイラストを
お借りいたしました
✨更新追ってくださりありがとうございました
クリスマス完結間に合いました🎅🎄
未完成な僕たちの鼓動の色
水飴さらさ
BL
由人は、気が弱い恥ずかしがり屋の162cmの高校3年生。
今日も大人しく控えめに生きていく。
同じクラスになった学校でも人気者の久場くんはそんな由人に毎日「おはよう」と、挨拶をしてくれる。
嬉しいのに恥ずかしくて、挨拶も返せない由人に久場くんはいつも優しい。
由人にとって久場くんは遠く憧れの存在。
体育の時間、足を痛めた由人がほっとけない久場くん。
保健室で2人きりになり……
だいぶんじれじれが続きます。
キスや、体に触れる描写が含まれる甘いエピソードには※をつけてます。
素敵な作品が数多くある中、由人と久場くんのお話を読んで頂いてありがとうございます。
少しでも皆さんを癒すことができれば幸いです。
2025.0808
嫌いなあいつが気になって
水ノ瀬 あおい
BL
今しかない青春だから思いっきり楽しみたいだろ!?
なのに、あいつはいつも勉強ばかりして教室でもどこでも常に教科書を開いている。
目に入るだけでムカつくあいつ。
そんなあいつが勉強ばかりをする理由は……。
同じクラスの優等生にイラつきを止められない貞操観念緩々に見えるチャラ男×真面目で人とも群れずいつも一人で勉強ばかりする優等生。
正反対な二人の初めての恋愛。
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
義兄が溺愛してきます
ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。
その翌日からだ。
義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。
翔は恋に好意を寄せているのだった。
本人はその事を知るよしもない。
その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。
成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。
翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。
すれ違う思いは交わるのか─────。
小石の恋
キザキ ケイ
BL
やや無口で平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。
助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。
なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。
果たして律紀は逃げ切ることができるのか。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる