なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  クラウス様と婚約をしてから、一月がたった。

  私達は、ダイエットを毎日頑張っている。クラウス様は、私に会わない日も走ったり、剣を振ったりして身体を動かしているらしい。

  今日は、休憩日にすることにした。リーベル公爵家の庭園を散歩してから、バラのアーチの中で茶を飲む。

「前髪スッキリしましたね」

  クラウス様は前髪をバッサリ切り、サイドの髪の毛も耳の下あたりまで短くなっていた。綺麗な青色の目がしっかりと見えるようになった。

「剣を振るう時に邪魔でね。久しぶりに剣を握ったら意外と楽しかったんだ」

  クラウス様は、機嫌良く話す。話しているクラウス様を私は、じっと見つめ変化に気づく。

「クラウス様のお顔まわり、少し痩せました?」

「痩せた?母上にも言われたけど、自分では気づかなくて……」

  クラウス様は、少しうれしそう。

「結果が出るとやる気に繋がりますね」

  二人で喜び合った。

「そういえば、兄がクラウス様に会いたがっていて、今度は我が家に遊びに来ませんか?」

  クラウス様の目が少し見開いた。
  クラウス様は、ルシアン様が伯爵家に遊びに来ていることを知っている。

  クラウス様は、言葉を選びながら話始めた。

「その……いいのか?  遊びに行けるのはうれしいけどリリアーナ嬢の元婚約者もいる日もあるのだろう」

  クラウス様は私が、出来るだけルシアン様に会わないように、いつも公爵家で会ってくれているのだろう。
  そう思った私は、にっこり笑って答えた。

「もう、過去のことなので大丈夫ですよ。ルシアン様に会ってもなんとも思いません。今の私は、ダイエットに夢中です」

  クラウス様は、少し微笑んでから言った。

「そうか。なら次回は、伯爵家で会おうか」

「はい。是非いらしてください」

  私は、そう答えお茶を楽しむ。

  お茶の後は、バラの花を見ながら散歩をする。

「リリアーナ嬢、もっと楽に話していいよ」

  クラウス様はそう言うと、私の顔をじっと見つめた。

「……楽にですか?  私は伯爵家でクラウス様は、公爵家の方です」

  私が小さな声で答えると、クラウス様は、むすっとして言った。

「でも、俺達将来結婚するんだろう?」

「けっ、結婚!」 

「しないの?  結婚。俺達婚約しただろう」

  クラウス様はそう言いながら、私に近づいてくる。

  私は思わず後退るが、背中にバラの葉があたりその場で立ち止まる。

  そのまま固まっている私の髪の毛をクラウス様が触った。

「リリアーナ、俺と結婚をして」

  私はどきどきしていまい、なんとか返事をした。

「はい」

  クラウス様は余裕のある笑みをして、話を続ける。

「俺達夫婦になるんだから、公の場以外では、丁寧に話さなくていいからね」

「わ、分かったわ」

  私の返事にクラウス様は、満足した様子。

「あ、あと。これからリリアーナって呼ぶから。俺のことは、クラウスって呼べよ!」

  固まっていて返事が出来ない私にクラウス様は話を続ける。

「クラウス。ほら、言ってみて」

「く、クラウス……」

  クラウスは、微笑みながら私の頭を撫でた。

「良く出来たな」

  そう言うと、バラ園を進んで行く。

  少しクラウスの耳が赤くなっているようだが、気のせいだろうか。

  クラウスはまだまだ全身膨らんでいるが、顔は格好いい。
  しかも、顔まわりから痩せてきたので顔だけ見れば、女子にキャーキャー言われるだろう。
  近くで見る格好いい人は、心臓に悪い。
  これからは、クラウスに逃げ道をふさがれないように気をつけようと思いながら、私はクラウスを追いかけた。
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