なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  今日は、クラウスがプラメル伯爵家に遊びに来る日。屋敷の使用人達は、少しそわそわしていた。

  私は、屋敷の前に出てクラウスを待つ。サラが話し掛けてきた。

「お嬢様。クラウス様が来られるの楽しみですね」

「ええ、本当に」

  私は、サラに返事をすると顔を正面にすぐ戻し、公爵家の馬車が見えないかと遠くを見つめる。

  クラウスが来るのを楽しみに待つ私をサラは、うれしそうに見ていた。

  また、少し離れた場所でお母様がこちらを見て微笑んでいたが、私は気づかない振りをした。

「リリアーナ待たせたね」

  クラウスが到着をした。

「クラウス全然待っていないで……いないわ」

  すぐに言い直す私。私が話をしていると、お母様がやって来た。

「クラウス様ようこそいらっしゃいました。今日は、ごゆっくり過ごされて下さいね」

  お母様の言葉にクラウスは 

「お世話になります。ありがとうございます」

と言い、お母様は屋敷の中に入っていった。

「お兄様に会いにいきま……行こう」

  私の言葉にクラウスは、くすくす笑ってから返事をした。

「ああ、分かった」

  お兄様は、この時間なら裏庭にいるわね。
  二人で裏庭に向かっていると後ろから、声が掛かる。

「まあ!  その方がお姉様の婚約者なの?」

  エルーシアだった。

「ええ、そうよ。クラウス様、妹のエルーシアです」

  エルーシアは一歩前に出てきて
言った。

「エルーシア・プラメルと申します。よろしくお願いいたします」

  私は、エルーシアが余計なことを言わないかとヒヤヒヤしながら見守る。

「クラウス・リーベルだ。よろしく」

  クラウスは、愛想笑いすらせずに答えた。口調も少しとげがある。

  エルーシアの顔が少しひきつったが、すぐに隠して話し掛けてきた。

「クラウス様は、本当にお姉様でいいんですの?」

「どういう意味だ」

  クラウスの声が低くなる。

「だって、お姉様って特別かわいいわけでもなく、社交も苦手で、お茶会ではいつもひとりぼっちですのよ。まあ、最近はお茶会に参加しなくなりましたわね。こんなんで、将来公爵夫人になれるのかしら」

  エルーシアは、意地が悪そうに言う。それにクラウスは言い返した。

「リリアーナは、私が出会った女性の中で一番綺麗だ。それに、未来の公爵夫人は公爵家の人間が決めることだ。他人は、口を出さないで欲しい」

  私は顔赤くし、エルーシアは怒りだした。 

「他人ですって。私は、お姉様の妹よ!  クラウス様は、本当にお姉様にお似合いね。失礼しますわ」

  やっと、嵐が去ったか……私は、ほっとした。そして、クラウスにすぐ謝罪をする。

「クラウス、妹のエルーシアが申し訳ありません」

「リリアーナは、悪くない。気にするな。妹さん……昔から……ああなのか?」

「結構前から。クラウスに迷惑が掛からないように気をつけるわ。ごめんなさい」

  私が、申し訳なさそうにするとクラウスが優しい言葉を掛けてくれた。

「俺は、大丈夫だから。それより、リリアーナが気をつけて。何かされたら、すぐに俺に言うんだよ」

  優しいクラウスに私は、少し胸がときめいたのであった。
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