なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  私は自室で年表と歴史を照らし合わせて読み進めて行く。

  ノックの音が聞こえた。
  返事をするとお兄様が部屋に入って来た。

「リリアーナ勉強中か、ごめん。改めるよ」

  出ていこうとするお兄様に私は、声をかけた。

「お兄様、大丈夫ですよ。ちょうど、休憩にしようと思っていたの。たしか今日は、クッキーだったかしら」

  最後の方の私の呟きにサラが答えた。

「クッキーですよ」

「まあ! お兄様一緒に食べましょう」

「うん。一緒に食べようか」

  サラは、クッキーと紅茶を準備してくれた。
  私は、クッキーを食べながら幸せに浸っていた。

「お兄様、そういえば私にお話があったのでは?」

  私は、急にに思い出した。

「そうそう、ジャックがね、今度リーベル公爵家に遊びに行ってもいいって言ってたよ。だから、ハーヴェス領から手紙を出してね。七日後に行くことになったよ。ところで、勝手に決めちゃったけどリリアーナは、七日後空いてる?」

  兄の質問に私は、笑顔で答えた。

「七日後、空いてますよ」

「良かった」

  兄も嬉しそうだった。

「リリアーナはさ、最近クラウス様とどう?」

  兄が聞いてきた。

「えっと。この間は町にお忍びで遊びました。食べ歩きをしたり、美味しいケーキをご馳走になって楽しかったです」

  私の話を聞きお兄様は、にっこりした。

「そう、幸せそうで良かったよ。色々あってからすぐに、クラウス様と婚約することになったでしょ。最初は、心配したけど今のリリアーナ見てると安心したよ。それにリリアーナは、公爵家の方々にも可愛がられているしね」

  お兄様の話を聞いて私は言った。

「ふふふ。次は、お兄様の番ですね」

  兄は焦って答えた。

「ぼ、僕?  僕は、まだ婚約とかはいいよ」

「お兄様は、もう十七歳でしょ。その年齢だと婚約している方はたくさんいらっしゃるわ」

「それは、女性でしょ。男は、まだゆっくりでいいんだよ。それに、ジャックだってまだ婚約をしていないし」

  お兄様の答えに私は笑顔で聞いた。

「男性は、ゆっくりなのですね。お兄様は、好きな女性はいないのですか」

  兄はさっと目を反らしてから、返事をしてきた。

「い、いないよ。そんな人」

  それから、当たり障りのない話をしながらクッキーを味わい、お兄様は部屋から退出した。

  サラがティーセットを片付けて戻って来た。私は、ニヤリと笑いサラに話し掛ける。

「サラ!  さっきの聞いた?  『い、いないよ。そんな人。』ですって!  絶対いるわよね!」

  テンション高めの私にサラは答えた。

「たしかにあの感じは、いらっしゃるかもしれないですね。けれど、お嬢様……無理やり聞き出したり、相手が分かっても、からかったりしては、いけませんよ。」

「わ、分かっているわよ。そんなことしないわ。サラは私をそんなことする人のように思っているの?」

「思っていませんが。今のお嬢様を見てると、念のためですね」

「そう。とにかく、行動は慎重にお兄様の好きな人探しをしましょう!」

  そう言った私に、サラは尋ねた。

「お嬢様、本当に私の話分かっています?」

「分かってる、分かってるわよ」

  その後私は兄の好きな人が気になって、勉強に集中出来なかったので、物語を読むことにした。

  タイトルは
『ライングドール王国の成り立ち ~アルバート陛下と精霊姫~』

  私は、静かに本を読み進めていった。
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