29 / 107
ライングドール王国の成り立ち~アルバート陛下と精霊姫~ 1
しおりを挟む
ずっと昔、小さな村がいくつかあった。まだ、作物を育てる文化が発展する以前の話だ。
人々は食料を取り合い、戦をする。戦が続くと食料不足が酷くなり、生活が貧しくなっていった。
人々は食料を求めて森の奥深くまで入っていくようになる。
人間は森を荒し、弱い動物を殺していった。
人々の中である噂が流行った。
とある森に入ると、三日三晩さ迷い、森から出て来た時には、気が触れてしまう。と言う噂だ。
その森の名前は『麗しの森』
ある日、お腹を空かせた青年が麗しの森に入っていった。
青年は金髪青目の綺麗な顔だちをしていた。
青年は麗しの森と分かっていたが、空腹に苦しみ森の奥深くまで入っていった。
青年は、綺麗な池を見つけた。
酷く喉が乾いていたので、勢いよく水を飲んでいった。
飲んでいる途中で青年は、気づいた。池の水って飲んでも平気だっただろうか。
青年が見たことある池は、全て濁っていた。
人々は川の近くに集落を作り、生活用水は全て川でまかなっていた。
青年は池の中を覗きこむ。すごく綺麗で透き通った水だ。彼は自分の腹をさすり、痛くないのを確かめた。
青年は、水で空腹が満たされたので森から出ることにした。
「そこの者、待ちなされ」
青年は池の方を振り向いた。すると、そこには銀色の長い髪をして赤い瞳の、透き通るように白い肌の美しい女性がいた。
「え、誰?」
そう言うと青年は、目の前の女性に見とれた。
「私は精霊。この森を守る者」
「精霊。精霊? 足、足が池の上にある。えっ、浮いてる」
青年は慌てふためく。
「これなら、良いか?」
精霊は、青年の隣に立った。
「はい、大丈夫です」
「この話かた疲れたわ。もとに戻すわね。あなた、私の水を飲んだのにこのまま帰れると思っているの?」
「思っています。私の水ってどういうことですか」
青年の質問に精霊が答えた。
「いや……そこは、思っていません。と答えて欲しかったわ。この森は私が守っているの、私の家みたいなものよ。そして、この池は私のお気に入り、私の部屋みたいなものよ。それから、毎日綺麗に浄化しているわ。それであなた……私の池を勝手に汚して、そのまま帰れると思っているのかしら」
青年は、息を飲んだ。
「も、申し訳ありません。どうかお許し下さい」
「いいわよ。許してあげる」
「えっ、いいんですか」
「ふふふ。もちろんいいわよ。その代わり、私の話し相手になってくれるかしら」
精霊の言葉に青年は考えた。話し相手になるくらい簡単だ。そう結論をすぐに出して答えた。
「私で良ければ、精霊様の話し相手になりましょ。」
「良かったわ。これからよろしくね」
精霊のひと言に青年は、少し落ち込む。これからとは、いつまでだろうか。まさか……死ぬまで私はこの森の中にいなければいけないのだろうか。
「何か失礼なこと考えてない? 毎日一回少しだけ、話し相手になってくれればいいわ」
「それでしたら。おまかせ下さい。精霊様は心が読めるのですか」
青年の質問に精霊は、ため息をついた。
「人の心の中なんて読めないわよ。あなたの顔に書いてあったの。お友達にもいわれないかしら」
「良く言われます」
「でしょうね」
話が一段落したところで精霊が言った。
「今日はもう遅いわ。私が森の出口まで飛ばしてあげるから、急いて帰りなさい」
青年が気づいた時には、森の外にいた。
それから青年は毎日精霊に会いに行った。
「あなた、名前は何て言うの?」
「アルバートと申します。精霊様のお名前は何ですか」
「アルバート。いい名前ね。私は無いわよ。生まれた時からここに一人でいて、森を守っていたから。名前は必要なかったの。アルバートがつけてよ」
アルバートは、考えた。
「エミリア。エミリアなんていかがですか」
「ふふ。エミリア。いい名前ね。私の名前は、エミリア」
嬉しそうにくるくるまわっている精霊に、青年の心はときめいた。
それから、アルバートとエミリアはたくさん話をした。
帰りには、エミリアが森の木の実を手渡してくれた。
アルバートが麗しの森に通っていることに、村人達が気づくのに時間はかからなかった。
人々は食料を取り合い、戦をする。戦が続くと食料不足が酷くなり、生活が貧しくなっていった。
人々は食料を求めて森の奥深くまで入っていくようになる。
人間は森を荒し、弱い動物を殺していった。
人々の中である噂が流行った。
とある森に入ると、三日三晩さ迷い、森から出て来た時には、気が触れてしまう。と言う噂だ。
その森の名前は『麗しの森』
ある日、お腹を空かせた青年が麗しの森に入っていった。
青年は金髪青目の綺麗な顔だちをしていた。
青年は麗しの森と分かっていたが、空腹に苦しみ森の奥深くまで入っていった。
青年は、綺麗な池を見つけた。
酷く喉が乾いていたので、勢いよく水を飲んでいった。
飲んでいる途中で青年は、気づいた。池の水って飲んでも平気だっただろうか。
青年が見たことある池は、全て濁っていた。
人々は川の近くに集落を作り、生活用水は全て川でまかなっていた。
青年は池の中を覗きこむ。すごく綺麗で透き通った水だ。彼は自分の腹をさすり、痛くないのを確かめた。
青年は、水で空腹が満たされたので森から出ることにした。
「そこの者、待ちなされ」
青年は池の方を振り向いた。すると、そこには銀色の長い髪をして赤い瞳の、透き通るように白い肌の美しい女性がいた。
「え、誰?」
そう言うと青年は、目の前の女性に見とれた。
「私は精霊。この森を守る者」
「精霊。精霊? 足、足が池の上にある。えっ、浮いてる」
青年は慌てふためく。
「これなら、良いか?」
精霊は、青年の隣に立った。
「はい、大丈夫です」
「この話かた疲れたわ。もとに戻すわね。あなた、私の水を飲んだのにこのまま帰れると思っているの?」
「思っています。私の水ってどういうことですか」
青年の質問に精霊が答えた。
「いや……そこは、思っていません。と答えて欲しかったわ。この森は私が守っているの、私の家みたいなものよ。そして、この池は私のお気に入り、私の部屋みたいなものよ。それから、毎日綺麗に浄化しているわ。それであなた……私の池を勝手に汚して、そのまま帰れると思っているのかしら」
青年は、息を飲んだ。
「も、申し訳ありません。どうかお許し下さい」
「いいわよ。許してあげる」
「えっ、いいんですか」
「ふふふ。もちろんいいわよ。その代わり、私の話し相手になってくれるかしら」
精霊の言葉に青年は考えた。話し相手になるくらい簡単だ。そう結論をすぐに出して答えた。
「私で良ければ、精霊様の話し相手になりましょ。」
「良かったわ。これからよろしくね」
精霊のひと言に青年は、少し落ち込む。これからとは、いつまでだろうか。まさか……死ぬまで私はこの森の中にいなければいけないのだろうか。
「何か失礼なこと考えてない? 毎日一回少しだけ、話し相手になってくれればいいわ」
「それでしたら。おまかせ下さい。精霊様は心が読めるのですか」
青年の質問に精霊は、ため息をついた。
「人の心の中なんて読めないわよ。あなたの顔に書いてあったの。お友達にもいわれないかしら」
「良く言われます」
「でしょうね」
話が一段落したところで精霊が言った。
「今日はもう遅いわ。私が森の出口まで飛ばしてあげるから、急いて帰りなさい」
青年が気づいた時には、森の外にいた。
それから青年は毎日精霊に会いに行った。
「あなた、名前は何て言うの?」
「アルバートと申します。精霊様のお名前は何ですか」
「アルバート。いい名前ね。私は無いわよ。生まれた時からここに一人でいて、森を守っていたから。名前は必要なかったの。アルバートがつけてよ」
アルバートは、考えた。
「エミリア。エミリアなんていかがですか」
「ふふ。エミリア。いい名前ね。私の名前は、エミリア」
嬉しそうにくるくるまわっている精霊に、青年の心はときめいた。
それから、アルバートとエミリアはたくさん話をした。
帰りには、エミリアが森の木の実を手渡してくれた。
アルバートが麗しの森に通っていることに、村人達が気づくのに時間はかからなかった。
32
あなたにおすすめの小説
婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話
彩伊
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。
しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。
彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。
............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。
招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。
送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。
そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。
『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』
一日一話
14話完結
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる