なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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「エレーナ!  そろそろ、帰ろうぜ」

  離れた場所から、ジャック様の声が聞こえきた。

「お兄様、そんなに大きな声を出さなくても聞こえます。それに、もっと近くに来てから呼んで下さればいいと思いますわ」

  エレーナお姉様は、少し強めの口調で言った。

「まあまあ、少し落ち着いて。ジャックも暗くなる前にエレーナ嬢を宿まで送ろとして焦っていたんだよ」

  お兄様がジャック様の援護をし、それを聞いたエレーナお姉様が少し落ち着いた。

「まあ、ルイス様がそうおっしゃるのでしたら……お兄様、きつく言ってしまってごめんなさい」

「うん。じゃあ、帰るか」

  ジャック様は、全く気にしていないようだった。

  エレーナお姉様達が、馬車に乗る前に私は声を掛けた。

「エレーナお姉様、明日はよろしくお願いいたしますね」

「ええ、明日も一緒に過ごせるわね。それにリリアーナ様の婚約者様に、会うのも楽しみだわ」

「え、エレーナお姉様ったら……もう」

  私は、頬を膨らませた。

  私の隣でお兄様が何かを呟いていた気がしたが、私以外に誰にも聞こえいなさそうだったので、そのまま流した。

  私達は、エレーナお姉様とジャック様を見送った。

  夕食後、自室にて。

「ねえ。サラ。私今から」

「お嬢様、おやめ下さい!」

  話し掛けていた、私の声をサラが遮った。

「まだ、何も言ってないじゃない。今から私お」

「お嬢様!  ですから、おやめ下さい」

  サラは、めげずに私の話を止めようとする。

「まだ、最後まで話してないわ。サラ、これは命令よ。今から、私が良いと言うまで話をしてはいけないわ」

「かしこまりました」

「ふふふ。今から私、お兄様の好きな人を探りに行ってくることにしたの。『お兄様の好きな人をこっそり探そう計画』始動よ!  私、今から隊長として任務に行って来ますね。サラは、副隊長に任命してあげるわ。サラ、話をしていいわよ」

  私は、言いたいことが全て言えてスッキリしていた。

「お嬢様……前にも申しましたが、無理に聞き出したり、分かっても、からかってはいけませんよ。」

  サラは、真剣な顔をしていた。それに私は、笑顔で答えた。

「分かってるって。私は、隊長よ。そんなことしないわ。あくまで、陰ながらお兄様の恋を応援するのよ」

「分かりました。お嬢様、今言ったことをお守り下さいね」

  サラは、念を押して言っていた。

「もう、分かったわよ」

「では、お嬢様気をつけて行ってらしてください」

「行ってくるわ。報告を楽しみに待っていてね」

  サラは、諦めた様子で見送ってきた。
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