64 / 107
57
しおりを挟む
馬車に乗った私達は、プラメル領の中心街まで来た。
私達は町の中の飲食店に入る。飲食店の中は、人で賑わっていた。
私とクラウスは何を食べるかで迷い、魚料理を頼んだ。
「美味しいな。この魚」
クラウスが、美味しそうに食べていた。
「ここの場所だと、川が近いから新鮮な魚ね。美味しいわ」
私は、自然と笑顔になった。
飲食店を出てからは、町の中を散策する。
店が連なった通りを歩いて行く。
私もクラウスも気になった店が無かったので、そのまま通りを抜けて行った。
「クラウス……お買い物をしないのでしたら、町から出てプラメル領内を見て回らない?」
私の質問にクラウスは、笑顔を見せてくれた。
「うん! そうしよう」
私達は馬車に乗り、プラメル領の中心街の町を抜けて行く。
最初に麦畑が見えてきた。
「ここが麦畑よ。プラメル領は、他の領地にも麦を出荷しているのよ」
誇らしげに言った私にクラウスは優しく笑った。
「すごい広いな。今はまだ芽が出たばかりだな」
「そうなの、今の時期はね。これから育って行くのよ。黄金色になったら一緒に見に行きましょうね」
そのまま馬車は麦畑の横を走って行く。しばらく麦畑の景色が続いていた。
「クラウス、あそこに見えるのがプラメル山よ。小さくてかわいいでしょう」
私の声を聞くと、クラウスは山に視線を向けた。
「小さめだけど、立派な山だな。今から行くのか?」
「ふふ、ありがとう。周りが平地だから、大きく見えるかもしれないわね。行くのはいいんだけど、時間的に山の麓まで行って帰って来るだけになってしまうわね」
「そうか、そうしたら今日は無理そうだな」
クラウスは、少し残念そうな顔をしていた。
「あと、プラメル領で案内出来るのはイチゴ農園なんだけど、今の時期はイチゴが赤く実っていないけれど見る?」
クラウスは腕を組み少し考えているようだ。
「せっかくだから、見せて貰うよ」
「分かったわ」
イチゴ農園まで来た。麦畑に比べると何倍も小さい。今は少しずつイチゴを栽培する広さを広げていっている。
「ここで、取れたイチゴは本当に美味しいよな」
「そうなの。本当に美味しいの。一人占めしたいくらいだわ」
イチゴ農園を見てから私達は、伯爵家に戻って行く。
私は帰りの馬車の中では、いつかクラウスをプラメル山に連れて行ってあげよう。と考えていた。
クラウスが私に話し掛けて来た。
「十日後に、陛下と王太子殿下と会って欲しい」
私はいきなりの事で驚きながらも返事をした。
「分かったわ」
そうよね。クラウスは公爵家の方だったわ。
「ありがとう、リリアーナ」
優しい顔でクラウスが言った。そして、少し思い詰めた顔をしてから話を続けた。
「今までな、ずっと言って無かった事があるんだ。隠していた訳では無いけれど、この国の人間はみんな自然と忘れていったんだ。父上と陛下の話し合いで、リリアーナには陛下から話す事になっていた。婚約をしてから、陛下との面会に時間が掛かってしまったのは、俺が自分の気持ちをリリアーナに伝えてからにして欲しい。ってお願いをしたんだ」
クラウスの顔は真剣だった。
重たい話なのだろうかと、私は少し不安になった。
「だから、遅くなってごめんな」
私はなんと答えていいのか分からず、一言だけ返事をした。
「分かったわ」
それから、お互いに何も話さずにプラメル伯爵家に着いた。
「気を付けて帰ってね、クラウス」
「ああ。十日後に会おうな。迎えに行くから」
クラウスを乗せた馬車は、公爵家に向かって行った。
私達は町の中の飲食店に入る。飲食店の中は、人で賑わっていた。
私とクラウスは何を食べるかで迷い、魚料理を頼んだ。
「美味しいな。この魚」
クラウスが、美味しそうに食べていた。
「ここの場所だと、川が近いから新鮮な魚ね。美味しいわ」
私は、自然と笑顔になった。
飲食店を出てからは、町の中を散策する。
店が連なった通りを歩いて行く。
私もクラウスも気になった店が無かったので、そのまま通りを抜けて行った。
「クラウス……お買い物をしないのでしたら、町から出てプラメル領内を見て回らない?」
私の質問にクラウスは、笑顔を見せてくれた。
「うん! そうしよう」
私達は馬車に乗り、プラメル領の中心街の町を抜けて行く。
最初に麦畑が見えてきた。
「ここが麦畑よ。プラメル領は、他の領地にも麦を出荷しているのよ」
誇らしげに言った私にクラウスは優しく笑った。
「すごい広いな。今はまだ芽が出たばかりだな」
「そうなの、今の時期はね。これから育って行くのよ。黄金色になったら一緒に見に行きましょうね」
そのまま馬車は麦畑の横を走って行く。しばらく麦畑の景色が続いていた。
「クラウス、あそこに見えるのがプラメル山よ。小さくてかわいいでしょう」
私の声を聞くと、クラウスは山に視線を向けた。
「小さめだけど、立派な山だな。今から行くのか?」
「ふふ、ありがとう。周りが平地だから、大きく見えるかもしれないわね。行くのはいいんだけど、時間的に山の麓まで行って帰って来るだけになってしまうわね」
「そうか、そうしたら今日は無理そうだな」
クラウスは、少し残念そうな顔をしていた。
「あと、プラメル領で案内出来るのはイチゴ農園なんだけど、今の時期はイチゴが赤く実っていないけれど見る?」
クラウスは腕を組み少し考えているようだ。
「せっかくだから、見せて貰うよ」
「分かったわ」
イチゴ農園まで来た。麦畑に比べると何倍も小さい。今は少しずつイチゴを栽培する広さを広げていっている。
「ここで、取れたイチゴは本当に美味しいよな」
「そうなの。本当に美味しいの。一人占めしたいくらいだわ」
イチゴ農園を見てから私達は、伯爵家に戻って行く。
私は帰りの馬車の中では、いつかクラウスをプラメル山に連れて行ってあげよう。と考えていた。
クラウスが私に話し掛けて来た。
「十日後に、陛下と王太子殿下と会って欲しい」
私はいきなりの事で驚きながらも返事をした。
「分かったわ」
そうよね。クラウスは公爵家の方だったわ。
「ありがとう、リリアーナ」
優しい顔でクラウスが言った。そして、少し思い詰めた顔をしてから話を続けた。
「今までな、ずっと言って無かった事があるんだ。隠していた訳では無いけれど、この国の人間はみんな自然と忘れていったんだ。父上と陛下の話し合いで、リリアーナには陛下から話す事になっていた。婚約をしてから、陛下との面会に時間が掛かってしまったのは、俺が自分の気持ちをリリアーナに伝えてからにして欲しい。ってお願いをしたんだ」
クラウスの顔は真剣だった。
重たい話なのだろうかと、私は少し不安になった。
「だから、遅くなってごめんな」
私はなんと答えていいのか分からず、一言だけ返事をした。
「分かったわ」
それから、お互いに何も話さずにプラメル伯爵家に着いた。
「気を付けて帰ってね、クラウス」
「ああ。十日後に会おうな。迎えに行くから」
クラウスを乗せた馬車は、公爵家に向かって行った。
33
あなたにおすすめの小説
婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。
ラディ
恋愛
一つ違いの姉と比べられる為に、愚かであることを強制され矯正されて育った妹。
家族からだけではなく、侍女や使用人からも虐げられ弄ばれ続けてきた。
劣悪こそが彼女と標準となっていたある日。
一人の男が現れる。
彼女の人生は彼の登場により一変する。
この機を逃さぬよう、彼女は。
幸せになることに、決めた。
■完結しました! 現在はルビ振りを調整中です!
■第14回恋愛小説大賞99位でした! 応援ありがとうございました!
■感想や御要望などお気軽にどうぞ!
■エールやいいねも励みになります!
■こちらの他にいくつか話を書いてますのでよろしければ、登録コンテンツから是非に。
※一部サブタイトルが文字化けで表示されているのは演出上の仕様です。お使いの端末、表示されているページは正常です。
【完結】虐げられて自己肯定感を失った令嬢は、周囲からの愛を受け取れない
春風由実
恋愛
事情があって伯爵家で長く虐げられてきたオリヴィアは、公爵家に嫁ぐも、同じく虐げられる日々が続くものだと信じていた。
願わくば、公爵家では邪魔にならず、ひっそりと生かして貰えたら。
そんなオリヴィアの小さな願いを、夫となった公爵レオンは容赦なく打ち砕く。
※完結まで毎日1話更新します。最終話は2/15の投稿です。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話
彩伊
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。
しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。
彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。
............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。
招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。
送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。
そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。
『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』
一日一話
14話完結
0歳児に戻った私。今度は少し口を出したいと思います。
アズやっこ
恋愛
❈ 追記 長編に変更します。
16歳の時、私は第一王子と婚姻した。
いとこの第一王子の事は好き。でもこの好きはお兄様を思う好きと同じ。だから第二王子の事も好き。
私の好きは家族愛として。
第一王子と婚約し婚姻し家族愛とはいえ愛はある。だから何とかなる、そう思った。
でも人の心は何とかならなかった。
この国はもう終わる…
兄弟の対立、公爵の裏切り、まるでボタンの掛け違い。
だから歪み取り返しのつかない事になった。
そして私は暗殺され…
次に目が覚めた時0歳児に戻っていた。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 作者独自の設定です。こういう設定だとご了承頂けると幸いです。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
【完結】異世界から来た聖女ではありません!
五色ひわ
恋愛
ミシュリーヌは、第四王子オーギュストの妃としてフルーナ王国の王宮で暮らしている。しかし、夫であるオーギュストがミシュリーヌの寝室に訪れることはない。ミシュリーヌは聖女の力を持っていたため、妻に望まれただけなのだ。それでも、ミシュリーヌはオーギュストとの関係を改善したいと考えている。
どうすれば良いのかしら?
ミシュリーヌは焦っていた。七年間かけて国中の水晶を浄化したことにより、フルーナ王国は平穏を取り戻しつつある。それは同時に聖女の力がこの国に必要なくなったことを意味していた。
このまま、オーギュストの優しさに縋ってお飾りの妻を続けるしかないのだろうか。思い悩むミシュリーヌの前に現れたのは、オーギュストの恋人を名乗る女性だった。
・本編141話
・おまけの短編 ①9話②1話③5話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる