なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  馬車に乗った私達は、プラメル領の中心街まで来た。

  私達は町の中の飲食店に入る。飲食店の中は、人で賑わっていた。
  私とクラウスは何を食べるかで迷い、魚料理を頼んだ。

「美味しいな。この魚」

  クラウスが、美味しそうに食べていた。

「ここの場所だと、川が近いから新鮮な魚ね。美味しいわ」

  私は、自然と笑顔になった。
  飲食店を出てからは、町の中を散策する。

  店が連なった通りを歩いて行く。
  私もクラウスも気になった店が無かったので、そのまま通りを抜けて行った。

「クラウス……お買い物をしないのでしたら、町から出てプラメル領内を見て回らない?」

  私の質問にクラウスは、笑顔を見せてくれた。

「うん!  そうしよう」

  私達は馬車に乗り、プラメル領の中心街の町を抜けて行く。
  最初に麦畑が見えてきた。

「ここが麦畑よ。プラメル領は、他の領地にも麦を出荷しているのよ」

  誇らしげに言った私にクラウスは優しく笑った。

「すごい広いな。今はまだ芽が出たばかりだな」

「そうなの、今の時期はね。これから育って行くのよ。黄金色になったら一緒に見に行きましょうね」

  そのまま馬車は麦畑の横を走って行く。しばらく麦畑の景色が続いていた。

「クラウス、あそこに見えるのがプラメル山よ。小さくてかわいいでしょう」

  私の声を聞くと、クラウスは山に視線を向けた。

「小さめだけど、立派な山だな。今から行くのか?」

「ふふ、ありがとう。周りが平地だから、大きく見えるかもしれないわね。行くのはいいんだけど、時間的に山のふもとまで行って帰って来るだけになってしまうわね」

「そうか、そうしたら今日は無理そうだな」

  クラウスは、少し残念そうな顔をしていた。

「あと、プラメル領で案内出来るのはイチゴ農園なんだけど、今の時期はイチゴが赤く実っていないけれど見る?」

  クラウスは腕を組み少し考えているようだ。

「せっかくだから、見せて貰うよ」

「分かったわ」

  イチゴ農園まで来た。麦畑に比べると何倍も小さい。今は少しずつイチゴを栽培する広さを広げていっている。

「ここで、取れたイチゴは本当に美味しいよな」

「そうなの。本当に美味しいの。一人占めしたいくらいだわ」

  イチゴ農園を見てから私達は、伯爵家に戻って行く。
  私は帰りの馬車の中では、いつかクラウスをプラメル山に連れて行ってあげよう。と考えていた。
  クラウスが私に話し掛けて来た。

「十日後に、陛下と王太子殿下と会って欲しい」

  私はいきなりの事で驚きながらも返事をした。

「分かったわ」

  そうよね。クラウスは公爵家の方だったわ。

「ありがとう、リリアーナ」

  優しい顔でクラウスが言った。そして、少し思い詰めた顔をしてから話を続けた。

「今までな、ずっと言って無かった事があるんだ。隠していた訳では無いけれど、この国の人間はみんな自然と忘れていったんだ。父上と陛下の話し合いで、リリアーナには陛下から話す事になっていた。婚約をしてから、陛下との面会に時間が掛かってしまったのは、俺が自分の気持ちをリリアーナに伝えてからにして欲しい。ってお願いをしたんだ」

  クラウスの顔は真剣だった。
  重たい話なのだろうかと、私は少し不安になった。

「だから、遅くなってごめんな」

  私はなんと答えていいのか分からず、一言だけ返事をした。

「分かったわ」

  それから、お互いに何も話さずにプラメル伯爵家に着いた。

「気を付けて帰ってね、クラウス」

「ああ。十日後に会おうな。迎えに行くから」

  クラウスを乗せた馬車は、公爵家に向かって行った。
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