なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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「もしかて、リリアーナ嬢かな?」

  振り向いて視界に入ったのは、第二王子のエドワード殿下だった。

「お久しぶりでございます。本日は、ご招待いただきありがとうございます」

「久しぶりだね。キョロキョロしていたけれど、クラウスを探していたのかな?」

「そうなんです、見当たらなくて」

  そう言った私に、エドワード殿下は提案をしてくれた。

「そうなのか。良かったら一緒に探すよ」

「よろしいのですか?  ありがとうございます」

「その前に良ければ一曲踊らないかい?」


「ええ、お願いいたします」

  丁度曲が終わったので次の曲から入る。

  エドワード殿下の手が腰辺りに添えられたが、先ほどとは違い私は何も思わなかった。

  ダンスが始まるとエドワード殿下が話し掛けて来た。

「リリアーナ嬢がクラウスを変えたのかい?」

  私は何について聞かれているのか分からなかったので、首を傾げてエドワード殿下を見上げた。

「クラウスの事を実の弟のように可愛がっていてね。クラウスは色々な事を、諦めてしまうこともあったんだ。心配をしていたんだよ」

「いえ私は、クラウス様に何もしていません。クラウス様が自分で変わられたのです」

「君がそう言うのなら、そうなのかもしれないな……。もしこの先、リリアーナ嬢に困った事があれば、私が力になろう」

「ありがとうございます」

  私がそう言うとエドワード殿下がにっこりと笑っていた。私もつられて笑った。そして、そろそろ曲が終わる頃に、エドワード殿下がまた話し掛けて来た。

「さっきから、かわいいよね」

「何がでしょうか?」

「ほら、そこを見てごらん」

  私はエドワード殿下の視線をたどる。

  えっと、まあ!  周りにいるご令嬢方が私達を見ているわ。確かに、かわいいご令嬢が多いわね。

「違うよそっちじゃなくて……もう少し離れた方だよ」

  エドワード殿下は、クスクス笑って教えてくれた。

  えっと、あ!  クラウスがいたわ。

  曲が終わり、エドワード殿下とのダンスが終了した。
  それと同時にクラウスが近付いて来た。

  近付いて来たクラウスは、エドワード殿下に話し掛けた。

「エドワード殿下、お久しぶりです。本日はご招待いただきありがとうございます」

「久しぶりだね。クラウスが元気そうでよかったよ」

  エドワード殿下は、楽しそうにクラウスに話し掛けていた。

「エドワード殿下もお元気そうで。それから、リリアーナ嬢の側にいて下さりありがとうございました。おいで、リリアーナ」

  私は呼ばれたのでクラウスに近寄った。ぐいっと、腕を腰にまわされ引き寄せられた。
  おや?  とクラウスの顔を見上げていると、エドワード殿下が話し始めた。

「どういたしまして。クラウスとリリアーナ嬢は仲が良いな。リリアーナ嬢、ダンスに付き合ってくれてありがとう。また今度ね」

「こちらこそ、ありがとうございました」

  エドワード殿下が去ってから、私はクラウスに話し掛けた。

「クラウス、どうかしたの?」

「どうもしていないよ」

「でも……」

「あまりにも、エドワード殿下と楽しそうだったから」

「ふふ。クラウスの話をしていたのよ」

  それを聞いたクラウスは、いつもの穏やかな笑顔に戻った。

  クラウスったら、かわいいわね。
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