なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  私は、クラウスに話し掛けた。

「クラウスのご両親と、エレーナ様に先に挨拶に行きたいのだけれど……」

「ああ、もちろん。一緒に行こうな。父上達は、今は忙しそうだから後で大丈夫そうだ」

  クラウスは私をエスコートしてくれて会場の中を進んで行く。
  私の視界にエレーナお姉様の姿が入ってきた。
  近付いて行くと、エレーナお姉様と視線が合った。
  エレーナお姉様は、お兄様と一緒にいた。
  私は二人に話し掛けた。

「エレーナ様、こんばんは」

「リリアーナ様、クラウス様こんばんは。社交界デビューおめでとうございます」

「ありがとうございます」

  お兄様とクラウスも挨拶をしていた。
  挨拶が終わった所でクラウスが話し始めた。

「ルイス様エレーナ嬢、少しリリアーナ嬢をお願いしてもよろしいですか」

「大丈夫ですよ」

  お兄様の返事を聞いたクラウスは、私に向かって話し掛けた。

「さっきアクセル殿下に呼ばれていたから、先に行って来るな。ルイス様かエレーナ嬢の側から離れるなよ」

「分かったわ」 

  私の返事を聞くと、クラウスは離れて行った。
  クラウスは途中で何人かのご令嬢に声を掛けられていたが、クラウスが何かを言うとすぐにご令嬢が離れていった。

「クラウス様はすぐに戻って来てくれるから大丈夫よ」

「はい!」

「ふふ。所で今から私と仲良くして下さっているご令嬢達に、よろしかったら一緒に会いに行きませんか」

「エレーナ様のご友人ですか」

「そうよ」

「ぜひ、お会いしたいです」

  その話を近くで聞いていたお兄様が話に入って来た。

「エレーナ嬢とリリアーナをご友人の所まで送ったら、僕も少し友人の所ともう一度父上の所に顔を出しに行ってくるよ」

「分かりましたわ」

  エレーナお姉様が返事をしたので、私はお兄様に質問をした。

「お兄様の友人って、ジャック様ですか」

「いや。ジャックは今日は城の警備にあたっているよ」

「あら、では会えないかもしれないですね」

「そうだね。まあ、ジャックには七日後のリーベル公爵家の夜会で会えるよ」

「そうでしたね」

  会話が一旦終わったので、私達は歩き始めた。
  エレーナお姉様が友人を見つけると、お兄様にここまでで大丈夫な事を伝え、お兄様も友人の所に向かって行った。

「皆さん、こんばんは」

  エレーナお姉様は、令嬢方に話し掛けた。

「こんばんは、まあ、エレーナ様じゃない」

「こんばんはエレーナ様、今日は一段とお綺麗ですね」

「エレーナ様久しぶり」

  三人の令嬢達は、それぞれエレーナに話し掛けていた。

「ふふ。ありがとう。いきなりなんだけれども、みんなに紹介したい方がいるの。いいかしら?  ルイス様の妹のリリアーナ様よ」

  エレーナお姉様に紹介されたので私は、名を名乗った。

「リリアーナ・プラメルと申します。よろしくお願いいたします」

  私が話し終わると、それぞれ名乗ってくれた。伯爵家と子爵家の令嬢だった。
  三人とも気さくな方で、エレーナお姉様のように話しやすかった。
  令嬢達の話が盛り上がり、私も夢中になって話を聞いていると、お兄様とクラウスが戻って来た。
  お兄様とクラウスは令嬢達に挨拶をしていた。

「エレーナ嬢ありがとうございました」

「クラウス様、女性同士のお話は楽しかったので、お気になさらないでください」

「ありがとうございます。リリアーナ、行こうか」

「皆様ありがとうございました。一緒にお話が出来て楽しかったです」

  エレーナとご友人達から、また話しましょうね。と言う返事を聞き、私はクラウスとその場を後にした。

「エレーナ嬢のご友人は、優しそうな方々だったね」

「そうなの。それにお話が上手で聞いていて楽しかったのよ」

「そうか、良かったな」

  クラウスはエスコートをしてくれながら、優しい眼差しで私の話を聞いてくれた。

「お兄様と一緒に戻って来たけれど、どうして?」

「リリアーナの所に戻る前に、たまたま会ったんだよ」

  しばらく歩いていると、近くに居た令息に声を掛けられたので踊った。
  クラウスも近くに居た知り合いの令嬢と踊っていた。
  それから、クラウスが私に話し掛けてきた。

「少し休憩をしないか?」

「ええ、そうね。ずっと、人混みの中に居たので疲れてきたわね」

  クラウスは、私をテラスの前まで連れて来た。

「飲み物を貰ってくるよ。少しだけ待っていて」

「ええ、分かったわ」

  クラウスの後ろ姿を見送り、私はテラスに出て先に風にあたる。

  春の風が気持ちいいわね。

  気分良く風にあたっていた私に後ろから、声が掛かった。
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