なんでも奪っていく妹に、婚約者まで奪われました

ねむ太朗

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  エルーシアが婚約を破棄されてから、三日が経った。
  あれ以来、エルーシアは部屋に引きこもっている。
  その間にクラウスにリーベル領で会い、婚約破棄の話を一通り話した。

  先程お兄様から報告があり、男爵領の宿屋にルシアン様と男爵令嬢が隠れているのが見つかったらしい。
  二日後にグリデーラ侯爵とルシアン様が謝罪に来る事となった。

  私は、クラウスに向けて手紙を書いた。二日後にルシアン様が来るから、どうしてこんな事になったのか問いただすことにしました。とクラウスに向けて書いた。

  サラに託した手紙は、次の日にはクラウスから返ってきて、ルシアン様が来る日に私もプラメル家に行く。と返事があった。

  ルシアン様が来る日となった。

  話し合いには、お父様とお母様とお兄様が参加をした。エルーシアは、情緒不安定で会わせられる状況ではないようだ。
  私はクラウスが来ていたので、プラメル家とグリデーラ家の話し合いに参加させるのは……と思ったので、ルシアンが屋敷から出てきた所を捕まえて、問いただそうと思っている。

  馬車の音が聞こえて来たので外に出るとクラウスだった。

「クラウス、今日は来てくれてありがとう」

「いや、いいんだ。ルシアン様と話すと聞いて、心配だったんだ」

「クラウス……心配をしてくれて、ありがとう」

  私達は、庭園付近でお茶を飲んで待つ事にした。
  メイドが準備をしてくれている時に馬車の音が聞こえて来たので、グリデーラ家の方が来たのであろう。

「話し合いが、始まったようね」

「そうだな」

「主に謝罪だから、きっとすぐに出てくるわよね」

「たぶん、そう思うよ」

  二人でお茶を飲んでいると、正面玄関の扉が開く音がした。

  私はさっと立ち上がり、屋敷の正面に向かう。私の後ろをクラウスが着いて来る。

  二人が視界に入ったので、私は挨拶をした。
  二人から、私とクラウスに向けて挨拶が返ってきた。クラウスも挨拶をしていた。

「ルシアン様、先日の夜会以来ですね。今回のお話はどういう事でしょうか」

「ああ。すまなかったと思っている」

「私は、謝罪が聞きたいのではありません。どういうことか事情を聞きたいのです」

  ルシアン様は、顔を歪ませた。

「最初は……ほんの、出来心だったんだ。気がついた時には、本気で好きになっていたんだ」

「まあ、私の時もそうでしたものね」

  それを聞いたルシアン様が、顔をまた歪ませた。
  グリデーラ侯爵は、眉をひそめて息子を見ていた。

  話を続けようとした私だが、視界にエルーシアが入って来た。

  エルーシアもルシアン様に、ひと言いいたいのかしら。でも今のエルーシアは、不安定だってお兄様が言っていなかったかしら……

  少しふらつきながらも、真っ直ぐにルシアンの所へやって来たエルーシアは、ルシアンに向かってこう呟いた。

「ルシアン様………さような……ら」

  それから、私の方を向き悲しそうな顔をした。

「お姉様……ごめんなさ……い」

  その言葉を言った直後に、懐から短剣を出し、自らの首に突き刺そとした。 

「エルーシア!  やめなさい!」

  私は、手を伸ばすが間に合わない。

  するとエルーシアの足元から緑色のつるが伸びて来て、エルーシアの腕に絡みついた。

  エルーシアの持っていた短剣は、ぎりぎりの所で、エルーシアの首に刺さることはなかった。

  その場にいた皆が固まった。

  一番最初に、声を上げたのはエルーシア。

「いやーーーーーーー!」

  悲鳴を上げてそのまま気絶をした。私は、エルーシアの身体を受け止める。
  その直後に、つるは地面の中に戻っていった。短剣も地面に落下をした。
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