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第十六章 真実の愛
慎太郎と廉也の約束
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「彼からみゆちゃんが結婚相手だと聞いてビックリしたよ」
私は俯いて慎太郎さんの話を聞いていた。
「桂木ホテルリゾートが倒産の危機を迎えてしまった、彼は自分の力が及ばず、社員に迷惑をかけたと項垂れていた、宇佐美不動産のご令嬢の事も聞いた、決して彼は間違ってはいなかったと思うよ、みゆちゃんと結婚したい気持ちに嘘偽りがないって証拠だからな」
「でも、私のせいで廉也さん、いえ社長を苦しめてしまって、申し訳ないです」
「男はいつでも愛する女のために、苦労するように出来ているんだ、わしだってもう少し若かったら、あの時みゆちゃんと生きる道を選んでいた」
私は慎太郎さんの口から真実が語られた事に驚きを隠せなかった。
「慎太郎さんがあの時私の前から姿を消したのは、私の事を思っての行動だったんですか?」
慎太郎さんは恥ずかしそうに俯いた。
「私は側にいて欲しかったです、てっきり嫌われたんだと思っていました、だからすごく悲しくて寂しくて、大変な思いをする事になっても、大好きな人と一緒にいたいです」
「ありがとう、そう言ってくれて嬉しいよ、それなら桂木くんの気持ちがわかるだろう?大変な思いをしても、大好きな人と一緒にいたいと、彼も思っているよ」
私は慎太郎に言われた言葉にハッと気づいて、涙が溢れて来た。
「みゆちゃん、実はな、桂木くんからみゆちゃんと結婚したいと言う意思があると聞いて条件を出した、みゆちゃんと結婚して生涯愛すると誓うことが出来るなら、わしの会社のグループ会社になる事を進めた、そうすれば心配する事は何もないからね」
「そんな約束があったなんて知りませんでした、なんで廉也さんは話してくれなかったんでしょうか」
「みゆちゃんに振られたと言っていたよ」
私は麗子さんと結婚することが桂木ホテルリゾートを守る事だと思っていたから、廉也さんとの別れを決意した、でもそうじゃなかった、慎太郎さんの気遣いで私との結婚が条件だったなんて、そんな事も知らずに私は廉也さんを愛していないなんて酷い言葉をぶつけてしまった。
「みゆちゃんの本心が北山先生にあるのなら、会社を守るために自分を犠牲にして桂木くんとの結婚を選ぶだろうと言っていた、だから何も告げずにみゆちゃんの本心を確かめたと言っていたよ、桂木くんを振ったのは本心じゃないね」
私は涙が止まらず、でも、慎太郎さんには本当の気持ちを伝えた。
「廉也さんを愛しています」
私の言葉を聞いて、北山先生はその場から離れた。
「私、廉也さんの元に行きます」
「待つんだ、みゆに振られたから約束は出来なくなったと、わしの元にやって来た後、みゆをどうしても諦められないから、会社を立て直す資金を貸して欲しいと頭を下げに来た」
「廉也さん」
「会社が持ち直せば、堂々とみゆにプロポーズ出来ると、それでみゆが北山先生を選ぶのであれば、その時はみゆを諦めると言っていたよ」
「あのう、私からもお願いします、廉也さんにお金を貸してあげてください、私も働いて一緒に返します」
私は慎太郎さんに頭を下げた。
私は俯いて慎太郎さんの話を聞いていた。
「桂木ホテルリゾートが倒産の危機を迎えてしまった、彼は自分の力が及ばず、社員に迷惑をかけたと項垂れていた、宇佐美不動産のご令嬢の事も聞いた、決して彼は間違ってはいなかったと思うよ、みゆちゃんと結婚したい気持ちに嘘偽りがないって証拠だからな」
「でも、私のせいで廉也さん、いえ社長を苦しめてしまって、申し訳ないです」
「男はいつでも愛する女のために、苦労するように出来ているんだ、わしだってもう少し若かったら、あの時みゆちゃんと生きる道を選んでいた」
私は慎太郎さんの口から真実が語られた事に驚きを隠せなかった。
「慎太郎さんがあの時私の前から姿を消したのは、私の事を思っての行動だったんですか?」
慎太郎さんは恥ずかしそうに俯いた。
「私は側にいて欲しかったです、てっきり嫌われたんだと思っていました、だからすごく悲しくて寂しくて、大変な思いをする事になっても、大好きな人と一緒にいたいです」
「ありがとう、そう言ってくれて嬉しいよ、それなら桂木くんの気持ちがわかるだろう?大変な思いをしても、大好きな人と一緒にいたいと、彼も思っているよ」
私は慎太郎に言われた言葉にハッと気づいて、涙が溢れて来た。
「みゆちゃん、実はな、桂木くんからみゆちゃんと結婚したいと言う意思があると聞いて条件を出した、みゆちゃんと結婚して生涯愛すると誓うことが出来るなら、わしの会社のグループ会社になる事を進めた、そうすれば心配する事は何もないからね」
「そんな約束があったなんて知りませんでした、なんで廉也さんは話してくれなかったんでしょうか」
「みゆちゃんに振られたと言っていたよ」
私は麗子さんと結婚することが桂木ホテルリゾートを守る事だと思っていたから、廉也さんとの別れを決意した、でもそうじゃなかった、慎太郎さんの気遣いで私との結婚が条件だったなんて、そんな事も知らずに私は廉也さんを愛していないなんて酷い言葉をぶつけてしまった。
「みゆちゃんの本心が北山先生にあるのなら、会社を守るために自分を犠牲にして桂木くんとの結婚を選ぶだろうと言っていた、だから何も告げずにみゆちゃんの本心を確かめたと言っていたよ、桂木くんを振ったのは本心じゃないね」
私は涙が止まらず、でも、慎太郎さんには本当の気持ちを伝えた。
「廉也さんを愛しています」
私の言葉を聞いて、北山先生はその場から離れた。
「私、廉也さんの元に行きます」
「待つんだ、みゆに振られたから約束は出来なくなったと、わしの元にやって来た後、みゆをどうしても諦められないから、会社を立て直す資金を貸して欲しいと頭を下げに来た」
「廉也さん」
「会社が持ち直せば、堂々とみゆにプロポーズ出来ると、それでみゆが北山先生を選ぶのであれば、その時はみゆを諦めると言っていたよ」
「あのう、私からもお願いします、廉也さんにお金を貸してあげてください、私も働いて一緒に返します」
私は慎太郎さんに頭を下げた。
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