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第二十三章 みゆが生死を彷徨う
目覚めたみゆ
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子供は保育器に入った。
必死に生きようとしていた。
健志とゆかりは保育器の前で、様子を伺っていた。
「小っちゃいね、本当はまだお腹の中にいるはずなのに、頑張ってるんだね」
「廉也は?」
健志が保育器の前に廉也がいないことに気づいた。
「廉也はみゆさんの側を離れない」
「そうか」
その頃廉也はうとうとしていた。
「廉也さん、廉也さん」
廉也は自分の名前を呼ぶ方に振り向いた。
そこにはみゆが立っていた。
「みゆ」
「廉也さん、私は大丈夫よ、だから、赤ちゃんに伝えて、ママも頑張ってるから、
生きるのよって」
「みゆ、俺の選択は間違っていたんじゃないか」
「間違っていないわ、大丈夫よ、廉也さんが事故を起こした時、奇跡が起きて
助かったように、私も赤ちゃんも助かるから大丈夫」
「みゆ」
みゆはどんどん廉也から離れていく。
「みゆ、待ってくれ、みゆ」
しかし、廉也の声は届かないかのように、みゆは消えた。
廉也は目が覚めた。
目の前にはみゆがいまだに眠っている。
(みゆ、赤ん坊の様子を見てくるな、そして、お前の思いを伝えてくるよ)
廉也は保育器のある部屋に向かった。
そこにはゆかりが赤ん坊を見守っていた。
「ゆかり」
「廉也」
ゆかりは廉也の姿に驚いた。
「赤ちゃん、頑張ってるよ、声かけてあげてよ」
廉也は手続きをして、保育器の側まで近づいた。
「おい、頑張れよ、ママも頑張ってる、俺を一人にしないでくれ」
廉也は涙が止まらなかった。
それから、廉也は保育器とみゆの病室と通った。
そんなある日、みゆの手を握りながら、語りかけていると、ピクッと指が動いた。
「みゆ、みゆ、わかるか、俺だ」
みゆはゆっくり目を開けた。
みゆの視界に廉也の顔が映った。
みゆはにっこり微笑んだ。
「今、ナースコールするから」
まもなく、担当医師と看護師が病室にやってきた。
「桂木さん、桂木みゆさん、わかりますか」
先生の問いかけにみゆはゆっくりと頷いた。
それからまもなく、みゆは起きあがれるまでに回復した。
「みゆ、赤ん坊を見にいくか」
「はい、連れて行ってください」
廉也とみゆは保育器のある部屋に向かった。
「小っちゃいですね」
「ああ、でも必死に生きようと頑張ってる」
「本当に」
「名前、決めないとな」
「はい」
廉也とみゆは病室で語り明かした。
そして、桂木廉斗と命名した。
「みゆ、これからが大変だが、よろしく頼む」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
廉也はみゆと廉斗の幸せを誓った。
END
必死に生きようとしていた。
健志とゆかりは保育器の前で、様子を伺っていた。
「小っちゃいね、本当はまだお腹の中にいるはずなのに、頑張ってるんだね」
「廉也は?」
健志が保育器の前に廉也がいないことに気づいた。
「廉也はみゆさんの側を離れない」
「そうか」
その頃廉也はうとうとしていた。
「廉也さん、廉也さん」
廉也は自分の名前を呼ぶ方に振り向いた。
そこにはみゆが立っていた。
「みゆ」
「廉也さん、私は大丈夫よ、だから、赤ちゃんに伝えて、ママも頑張ってるから、
生きるのよって」
「みゆ、俺の選択は間違っていたんじゃないか」
「間違っていないわ、大丈夫よ、廉也さんが事故を起こした時、奇跡が起きて
助かったように、私も赤ちゃんも助かるから大丈夫」
「みゆ」
みゆはどんどん廉也から離れていく。
「みゆ、待ってくれ、みゆ」
しかし、廉也の声は届かないかのように、みゆは消えた。
廉也は目が覚めた。
目の前にはみゆがいまだに眠っている。
(みゆ、赤ん坊の様子を見てくるな、そして、お前の思いを伝えてくるよ)
廉也は保育器のある部屋に向かった。
そこにはゆかりが赤ん坊を見守っていた。
「ゆかり」
「廉也」
ゆかりは廉也の姿に驚いた。
「赤ちゃん、頑張ってるよ、声かけてあげてよ」
廉也は手続きをして、保育器の側まで近づいた。
「おい、頑張れよ、ママも頑張ってる、俺を一人にしないでくれ」
廉也は涙が止まらなかった。
それから、廉也は保育器とみゆの病室と通った。
そんなある日、みゆの手を握りながら、語りかけていると、ピクッと指が動いた。
「みゆ、みゆ、わかるか、俺だ」
みゆはゆっくり目を開けた。
みゆの視界に廉也の顔が映った。
みゆはにっこり微笑んだ。
「今、ナースコールするから」
まもなく、担当医師と看護師が病室にやってきた。
「桂木さん、桂木みゆさん、わかりますか」
先生の問いかけにみゆはゆっくりと頷いた。
それからまもなく、みゆは起きあがれるまでに回復した。
「みゆ、赤ん坊を見にいくか」
「はい、連れて行ってください」
廉也とみゆは保育器のある部屋に向かった。
「小っちゃいですね」
「ああ、でも必死に生きようと頑張ってる」
「本当に」
「名前、決めないとな」
「はい」
廉也とみゆは病室で語り明かした。
そして、桂木廉斗と命名した。
「みゆ、これからが大変だが、よろしく頼む」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
廉也はみゆと廉斗の幸せを誓った。
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