夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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第九章 忍び寄る影

加々美社長とのデート 電話に出ないで

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「あゆみ、どこにも行くな、俺の側にずっといてくれ」 
彼は唇を重ねてきた、そして助手席のシートを倒すとキスが激しさを増した。 
「あゆみ、あゆみ」  
車の中の愛撫は初めての経験で気持ちが昂った。 
「駄目、これ以上は」  
「すごく感じた?」
 私は素直に頷いた。 
「あゆみ、かわいい、早くうちに帰ろう、続きは後でね」 
私は高鳴る胸の鼓動を沈めることは出来なかった。 
次の日、加々美社長から電話がかかってきた。 
「社長、どうされたのですか?」 
「店は七時で終わりだよね、今日も食事どうかなって思って連絡した」 
「あの、まだ報告することは無いですし, 社長の秘書のお話は、もう少しお時間頂きたいので、せっかくお誘い頂いたのですがまた今度でよろしいでしょうか」 
「仕事のことで電話したわけじゃない、あゆみさんと食事したくて、これでもデートに誘っている」 
「えっ?」 
「駄目かな」 
「すみません」 
「わかった、今日は諦めるよ、でも今度は付き合ってもらうから、じゃ」 
「失礼します」 
デートに誘っている?加々美社長が?私を?信じられない。 


「店長どうかしたんですか?」 
「うん、加々美社長がデートに誘ってくれたの」 
「えっ、もちろん行きますよね」 
「いやいや、それはないでしょ」 
「どうしてですか?うまくいったら社長夫人ですよ」 
「友梨ちゃん、話が飛躍しすぎ、ほら仕事」 
閉店時間が近づき片付けをしていると、一台の車が店の前に横付けされた。 
車から降りてきたのは加々美社長だった。 
「社長、どうされたのですか」 
「迎えにきた、さあ乗って」 
「えっ?あの」 
加々美社長は、強引に私を車に乗せ出発した。 
しばらくして店に彼が到着した。 
「友梨ちゃん、お疲れ、あゆみは?」 
「店長でしたら、加々美社長が閉店直前に来て車で出かけましたよ」 
「仕事?」 
「いいえ、デートです、昼間社長から電話あってデートに誘われたって店長が言っていました、断ったそうですが社長は強引なところがあるそうで、店長困っていましたよ、でも、うまくいけば社長夫人ですもんね」 
彼はスマホを手に取り電話した。 
呼び出しているが出ない。 
その頃私は加々美社長の車で食事に向かっていた、スマホが鳴った、凌からだ、迎えに来てくれたのに私が居なかったから心配して電話してきたに違いない。 
私がスマホに手をかけると、加々美社長は私の手を握り「でないで」と言った。 
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