夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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三年の月日が二人を変える

嫉妬の気持ちが凌を戸惑わせる

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あゆみはまさか、凌が心配して、様子を見にきてくれたなど、夢にも思わなかったのである。

「あゆみさん、具合でも悪いの」

「すみません、飲めないお酒飲んじゃって、二日酔いです」

「じゃあ、僕は今日は帰るね、今度具合良い時にデートに誘うよ」

加々美社長はアパートを後にした。

その頃、凌はホストクラブにいた。
「あれ、麻生さん、あゆみさんの具合見に行ったんじゃないんですか」

「元旦那がきてた」

「はあ?」

「あいつのアパートに入って行ったから、そうなんだろ」

凌はなぜか不機嫌だった。

それに気づいたヒカルは、凌に声をかけた。

「麻生さん、ヤキモチですか」

「はあ、お前、何言ってるんだ、誰が誰にヤキモチ妬くんだよ」

「麻生さんがあゆみさんのアパートに入って行った男にですよ」

凌はすぐに反論しなかった。

凌の胸の辺りのなんとも言えない感情をどうすることも出来ずにいた。

三年前、この先、誰とも関わらずに生きていくと決めた記憶は、凌の頭の中にはない。
三年間、気になる女性が現れなかっただけだ。

そして、昨日、店にあゆみが現れた。

今回二回目の来店とのことで、前回も自分を指名してくれたとのことだった。

俺はなぜ覚えていない。

しかも、手を握ると恥ずかしそうにうぶな一面を見せた。

水のようなカクテルに酔いが回って、俺にもたれかかってきた。

可愛くて仕方ねえ。

理性を保つのに必死だった。

でも指輪をしていた。

元旦那を愛していると……

ヒカルに送るように頼んだのは、理性を保つ自信がなかったからだ。

こんな気持ちは味わったことがない。

俺の周りにいる女は、俺を指名するだけの財力がある女ばかりだ。

会社の社長、有名女優、財閥のご令嬢、その中にもちろん人妻だっている。

俺との夢のようなひと時に、人生を賭けてる女ばかりだ。

俺が独身で、女の影がないことは調べ済みらしい。

そう言えば、この三年間、俺はヒカルオーナーの店で働いている。

なんの疑問も持たなかった。

しかし、三年前の記憶はほとんどない。
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