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私のおでこにチュッとキスをして「バーカ、嫌なら無理するな」そう言って最上さんは私から離れて、タオルケットで身体を包んでくれた。
最上さんの優しさに触れて、はじめての怖さから解放されて、最上さんの胸に顔を埋めて私は声をあげて泣き出した。
最上さんはギュッと私を抱きしめてくれた。
私は最上さんに抱きしめられた状態で朝を迎えた。
「いい加減起きろ、重い」
「ごめんなさい」
私は泣きながら最上さんの腕の中で眠ってしまったのだ。
上着のボタンが外れて、胸の膨らみが露わになった状態な事に気づかず
「いい眺めだな、いつまでも胸を出してると襲うぞ」
「えっ」
自分の胸の膨らみが露わになっていることに気づき、慌てて背中を向けてボタンをはめた。
最上さんは背中から私をギュッと抱きしめた。
えっ、何?
「梨花、ちゃんとお前のはじめてを好きな男の為に取っておけ」
最上さんは寝室から出て行った。
ぽつんと一人残されて、私の好きなのは最上さんなのにって呟いた。
寝室から出てくると、最上さんは既にシャワーを浴びて、コーヒーを飲んでいた。
「梨花もコーヒー飲むか」
「はい」
「シャワー浴びて来い」
私は追い立てられるようにシャワールームに入った。
鏡に映った私の胸に赤いキスマークが付いていた。
昨夜の最上さんとの抱擁が脳裏を掠めてドキドキして来た自分を抑えることが出来なかった。
私はシャワールームから出て来て、キスマークをどうすればいいか聞いてみた。
「最上さん、キスマークどうすれば消えますか」
「しばらく消えねえな、またつけて欲しいのか」
「違います」
「やっといつもの梨花に戻ったな」
最上さんは口角を上げて微笑んだ。
私は思い切って彼女の事を聞いて見た。
「最上さん、どうして彼女と結婚しなかったんですか」
「また、その話か」
「だって、どうしても気になるんです、もっと最上さんの事を知りたいんです、私はずっと一緒にいたいって思うけど、最上さんはどう思っているのかなって、彼女さんみたいに、
私も婚姻届をやめようと思われちゃうかなって、そうしたら嫌だなって……」
「おい」
「えっ」
「言葉に気をつけろ、お前、今、俺の事を好きだって言ってるのと同じだぞ」
私は頬が真っ赤になるのを感じた。
「男は単純だから、そんな言葉並べると勘違いするぞ」
「だって……」
私は心の中で最上さんが好きって叫んでいた。
最上さんは「そこに座れ」と言って、彼女との事を話し始めた。
「彼女の名前は立花瑞穂、確かに結婚を考えていた、俺が二十五歳の時の事だ」
俺は医学部をトップの成績で卒業して、研修医として働いていた。
そこに患者として現れたのが立花瑞穂だった。
俺は彼女に惹かれて交際を申し込んだ。
ところが研修医は時間に追われる毎日で、約束はほとんど守る事が出来なかった。
彼女は寂しがり屋で、他の男性と浮気した。
そんな事になっているとは想像も出来ず、俺は彼女との結婚を考えていた。
「瑞穂、やっと休みが取れそうなんだ、俺のマンションに泊まりに来いよ」
「ごめん、友達と約束しちゃったから、また今度誘って」
この時、瑞穂の俺に対する愛は全く感じとる事が出来なかった。
仕方無いよな、放って置かれて大丈夫な女なんていない。
とんだピエロだ、俺は。婚姻届にサインして、絶対に喜んでくれると疑わなかった。
それからまもなくの事だった。
病院の外線に瑞穂から連絡が入った。
「どうしたんだ」
「ごめん、別れましょう、もう連絡してこないで、それじゃ」
電話は切れた。
俺は何も言えず受話器を置いた。
その夜、瑞穂のスマホに電話をすると「現在使われておりません」のメッセージが流れた。
俺は一方的に振られた形となった。
それから女は信用出来ない。
俺は恋愛する事を封印した。
「俺が勝手にのぼせ上がって、結婚を一方的に考えて、振られたって結末だ」
梨花は俺の話を聞きながら泣いていた。
「お前、泣いてるのか」
「だって、最上さんが彼女の事を一生懸命考えて、婚姻届を書いたのに、彼女は別の男性との道を選んでいたなんて、悲しすぎます」
最上さんの優しさに触れて、はじめての怖さから解放されて、最上さんの胸に顔を埋めて私は声をあげて泣き出した。
最上さんはギュッと私を抱きしめてくれた。
私は最上さんに抱きしめられた状態で朝を迎えた。
「いい加減起きろ、重い」
「ごめんなさい」
私は泣きながら最上さんの腕の中で眠ってしまったのだ。
上着のボタンが外れて、胸の膨らみが露わになった状態な事に気づかず
「いい眺めだな、いつまでも胸を出してると襲うぞ」
「えっ」
自分の胸の膨らみが露わになっていることに気づき、慌てて背中を向けてボタンをはめた。
最上さんは背中から私をギュッと抱きしめた。
えっ、何?
「梨花、ちゃんとお前のはじめてを好きな男の為に取っておけ」
最上さんは寝室から出て行った。
ぽつんと一人残されて、私の好きなのは最上さんなのにって呟いた。
寝室から出てくると、最上さんは既にシャワーを浴びて、コーヒーを飲んでいた。
「梨花もコーヒー飲むか」
「はい」
「シャワー浴びて来い」
私は追い立てられるようにシャワールームに入った。
鏡に映った私の胸に赤いキスマークが付いていた。
昨夜の最上さんとの抱擁が脳裏を掠めてドキドキして来た自分を抑えることが出来なかった。
私はシャワールームから出て来て、キスマークをどうすればいいか聞いてみた。
「最上さん、キスマークどうすれば消えますか」
「しばらく消えねえな、またつけて欲しいのか」
「違います」
「やっといつもの梨花に戻ったな」
最上さんは口角を上げて微笑んだ。
私は思い切って彼女の事を聞いて見た。
「最上さん、どうして彼女と結婚しなかったんですか」
「また、その話か」
「だって、どうしても気になるんです、もっと最上さんの事を知りたいんです、私はずっと一緒にいたいって思うけど、最上さんはどう思っているのかなって、彼女さんみたいに、
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「おい」
「えっ」
「言葉に気をつけろ、お前、今、俺の事を好きだって言ってるのと同じだぞ」
私は頬が真っ赤になるのを感じた。
「男は単純だから、そんな言葉並べると勘違いするぞ」
「だって……」
私は心の中で最上さんが好きって叫んでいた。
最上さんは「そこに座れ」と言って、彼女との事を話し始めた。
「彼女の名前は立花瑞穂、確かに結婚を考えていた、俺が二十五歳の時の事だ」
俺は医学部をトップの成績で卒業して、研修医として働いていた。
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その夜、瑞穂のスマホに電話をすると「現在使われておりません」のメッセージが流れた。
俺は一方的に振られた形となった。
それから女は信用出来ない。
俺は恋愛する事を封印した。
「俺が勝手にのぼせ上がって、結婚を一方的に考えて、振られたって結末だ」
梨花は俺の話を聞きながら泣いていた。
「お前、泣いてるのか」
「だって、最上さんが彼女の事を一生懸命考えて、婚姻届を書いたのに、彼女は別の男性との道を選んでいたなんて、悲しすぎます」
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