俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

ラヴ KAZU

文字の大きさ
1 / 109
第一章 俺様御曹司

しおりを挟む
俺は鏑木蓮、鏑木建設会社の御曹司である。

親の脛をかじり、何も考えずに遊んでばかりいた。

親父の会社は継ぎたくないと、バイトの日々を送っていた。

そんな俺に喝を入れるかの出来事が起こった。

バイクで事故を起こし、意識不明の重体に陥った。

しかも俺はRHマイナスの血液型で、普段から親父に懇々と言われていた。

事故を起こして、輸血が必要な状態は避けなければいけないと……

俺は輸血が必要なくらいの重症だった。

しかもたまたまRHマイナスの輸血パックが足りないと言う事態に陥った。

俺の命もここまでかと思った矢先、輸血を申し出てくれた人物がいた。

俺の命の恩人、藤城美希だ。

俺は目が覚めたとき、俺の顔を覗き込んでいたのは東條だった。

「蓮様、大丈夫ですか」

「ここはあの世か?」

「いいえ、蓮様は助かりました」

そう答えてくれたのは親父の秘書である東條だった。

まだ、頭がぼーっとする。

身体中も痛くて堪らない。

自分の手を顔の前に持っていき、両手がある事を確認した。

足は全く感覚が無い。

もしや、俺の足は無いのか?

急に悍ましい思いが脳裏を掠めた。

「おい、俺の足はちゃんとあるか?」

「大丈夫です、ちゃんとついてますよ」

東條はニッコリ微笑んで答えてくれた。

そこへ病室のドアがノックされた。

「蓮、生きてるか?」

そう言って病室に入ってきたのは、俺の悪友、望月楓だ。

「楓、縁起でもない事言うなよ」

「でも良かったな、お前は強運の持ち主だな」

俺は強運の持ち主じゃない、輸血を申し出てくれた女性がいなかったら、俺は今、ここにはいない。

「蓮様、事故現場にいらした女性はどなたですか?お付き合いされていた方でしょうか」

「事故現場にいた女性?俺はあの時一人だったはずだが……」

俺は全く身に覚えがなかった。

「事故現場にいた女性が一緒に救急車に乗って頂いて、輸血を申し出てくださったんです」

「名前を聞いたか?」
「はい、藤城美希さんです、社長がご挨拶したいとの事で、お待ちいただく様にお願いしたんですが、すぐに病室を後にしてしまわれたんです」

「調べたか」

「はい、驚きの結果が出ました」

俺はどんな結果が出たのか興味深々だった。

「我が社の社員でした」

俺はその結果に驚き固まった。

そこへ鏑木建設会社社長が病室へやって来た。

「蓮、大丈夫か、いつまでもふらふらしているから自業自得だぞ」

「親父!」

「事故現場に居合わせて、お前に付き添い、輸血を申し出てくれた命の恩人は、我が社の経理部に勤務している藤城美希さんだ、我が社に十三年間勤務してくれている優秀な社員だ」

「俺が親父の息子だって知ってて助けてくれたのか」

「いや、伏せてある、恥ずかしくて言えない」

俺は怒りを露わにした。

「いいか、お前はこれから我が社の社員として働いて貰う、そして、社長を目指せ」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

おじさんは予防線にはなりません

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「俺はただの……ただのおじさんだ」 それは、私を完全に拒絶する言葉でした――。 4月から私が派遣された職場はとてもキラキラしたところだったけれど。 女性ばかりでギスギスしていて、上司は影が薄くて頼りにならない。 「おじさんでよかったら、いつでも相談に乗るから」 そう声をかけてくれたおじさんは唯一、頼れそうでした。 でもまさか、この人を好きになるなんて思ってもなかった。 さらにおじさんは、私の気持ちを知って遠ざける。 だから私は、私に好意を持ってくれている宗正さんと偽装恋愛することにした。 ……おじさんに、前と同じように笑いかけてほしくて。 羽坂詩乃 24歳、派遣社員 地味で堅実 真面目 一生懸命で応援してあげたくなる感じ × 池松和佳 38歳、アパレル総合商社レディースファッション部係長 気配り上手でLF部の良心 怒ると怖い 黒ラブ系眼鏡男子 ただし、既婚 × 宗正大河 28歳、アパレル総合商社LF部主任 可愛いのは実は計算? でももしかして根は真面目? ミニチュアダックス系男子 選ぶのはもちろん大河? それとも禁断の恋に手を出すの……? ****** 表紙 巴世里様 Twitter@parsley0129 ****** 毎日20:10更新

You Could Be Mine ぱーとに【改訂版】

てらだりょう
恋愛
高身長・イケメン・優しくてあたしを溺愛する彼氏はなんだかんだ優しいだんなさまへ進化。 変態度も進化して一筋縄ではいかない新婚生活は甘く・・・はない! 恋人から夫婦になった尊とあたし、そして未来の家族。あたしたちを待つ未来の家族とはいったい?? You Could Be Mine【改訂版】の第2部です。 ↑後半戦になりますので前半戦からご覧いただけるとよりニヤニヤ出来るので是非どうぞ! ※ぱーといちに引き続き昔の作品のため、現在の状況にそぐわない表現などございますが、設定等そのまま使用しているためご理解の上お読みいただけますと幸いです。

龍の腕に咲く華

沙夜
恋愛
どうして私ばかり、いつも変な人に絡まれるんだろう。 そんな毎日から抜け出したくて貼った、たった一枚のタトゥーシール。それが、本物の獣を呼び寄せてしまった。 彼の名前は、檜山湊。極道の若頭。 恐怖から始まったのは、200万円の借金のカタとして課せられた「添い寝」という奇妙な契約。 支配的なのに、時折見せる不器用な優しさ。恐怖と安らぎの間で揺れ動く心。これはただの気まぐれか、それとも――。 一度は逃げ出したはずの豪華な鳥籠へ、なぜ私は再び戻ろうとするのか。 偽りの強さを捨てた少女が、自らの意志で愛に生きる覚悟を決めるまでの、危険で甘いラブストーリー。

貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈

玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳 大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。 でも、これはただのお見合いではないらしい。 初出はエブリスタ様にて。 また番外編を追加する予定です。 シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。 表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される

山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」  出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。  冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?  

絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される

永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】 「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。 しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――? 肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!

処理中です...