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「アリーチェ。お昼はどこで食べるんですの?」
「え?」
午前の授業が終わるとすぐさまメリーチェが話しかけてきた。
ちなみに、私はこの学園に友達がいない。
なぜならば、常にメリーチェが隣にいるからだ。
そのため、他の生徒が私に近寄ってこれないし、私も他の生徒に話しかける隙がない。
「また食堂で食べますの?」
「え、ええ。そうですね。私のような貧乏男爵の娘は食堂の食事くらいでないと手が届きません。」
私はメリーチェから少し距離をとろうとそう告げる。
朝食ならまだしも、昼食までメリーチェは食堂でとらないだろうと思ったからだ。
なんたってメリーチェは侯爵令嬢なのだ。
侯爵令嬢だったらきっとお抱えの使用人が美味しいフルコース料理を持ってきていることだろう。
地位が高い貴族になると学園に休憩室を割り当ててもらえることがある。
基本的には侯爵家以上のご子息に割り当てられる。
王太子の婚約者であるメリーチェ侯爵令嬢もきっと休憩室が割り当てられていることだろう。
なのでお昼はそこでとるはず。
「まあ!貧乏だなんて!そんな自分を卑下するようなことはおっしゃってはダメよ。常に堂々としていなければ。」
「あ、あはは。そうですね。」
「そうよ。弱味は見せたらいけないわ。でも、アリーチェが私にだけ弱味を見せてくれるというのならば私は大歓迎よ。」
「・・・ありがとうございます。」
「私はお昼は休憩室を使用する予定でしたの。」
そうだよね。
メリーチェほどの貴族だったら休憩室を使うはずだ。
「そうですか。では、私は食堂に行きますね。」
やっとメリーチェから解放される。そう思って私はホッとため息をついた。
すると、メリーチェの形のよい眉がひそめられる。
「アリーチェ。アリーチェも一緒に私と休憩室で食事をいたしましょう?」
「えっ!?で、ですが・・・。」
「お願いよ、アリーチェ。アリーチェが来てくれないとアルフレッド様と二人っきりでの食事になってしまうわ。」
どうやらメリーチェはアルフレッド様と食事をすることになっているようだ。
そこに私が割り込んでもいいのだろうか。
メリーチェは私にアルフレッド様を取られるかもしれないとは思ってもいないのだろうか。
「で、ですが。今からですと私の食事の分は用意できないかと思われますし、侯爵家の方々が食べるような食事ですと私どもの家ではお支払が・・・。」
アルフレッド様とお近づきにはなりたいけれども、侯爵家の料理を食べるだけの金銭的な余裕がない。
今日、侯爵家で用意された料理を食べてしまったら明日からパン1個ですまさなければならなくなるだろう。
それは嫌だ。
いくらアルフレッド様が一緒でもそれだけは避けたい。
「あら、心配しなくても大丈夫よ。私の分の料理がいつもあまりますの。あんなに食べれないと言っているのにいつもいつも大量の食事が出て・・・。もったいないと思っておりますのよ。だからそれをアリーチェと一緒に食べようと思って。私のために用意された食事を食べきれないからアリーチェにあげるんですの。ですから、お代のことなど気にしなくていいんですのよ。それに、アリーチェは私の親友ですわ。」
うっ・・・。
なんで、メリーチェってこんなに優しいの?
しかも私のことを親友って言い始めたし。
これは、断るのは無理そうだ。
むしろ、これはメリーチェの誘いに乗った方がいいのかな?
アルフレッド様と一緒に美味しいご飯を食べられるはずだし。
「さ、参りましょう。」
メリーチェはにっこりと笑うと私の返事も待たずに私の手を取って歩き始めた。
「え?」
午前の授業が終わるとすぐさまメリーチェが話しかけてきた。
ちなみに、私はこの学園に友達がいない。
なぜならば、常にメリーチェが隣にいるからだ。
そのため、他の生徒が私に近寄ってこれないし、私も他の生徒に話しかける隙がない。
「また食堂で食べますの?」
「え、ええ。そうですね。私のような貧乏男爵の娘は食堂の食事くらいでないと手が届きません。」
私はメリーチェから少し距離をとろうとそう告げる。
朝食ならまだしも、昼食までメリーチェは食堂でとらないだろうと思ったからだ。
なんたってメリーチェは侯爵令嬢なのだ。
侯爵令嬢だったらきっとお抱えの使用人が美味しいフルコース料理を持ってきていることだろう。
地位が高い貴族になると学園に休憩室を割り当ててもらえることがある。
基本的には侯爵家以上のご子息に割り当てられる。
王太子の婚約者であるメリーチェ侯爵令嬢もきっと休憩室が割り当てられていることだろう。
なのでお昼はそこでとるはず。
「まあ!貧乏だなんて!そんな自分を卑下するようなことはおっしゃってはダメよ。常に堂々としていなければ。」
「あ、あはは。そうですね。」
「そうよ。弱味は見せたらいけないわ。でも、アリーチェが私にだけ弱味を見せてくれるというのならば私は大歓迎よ。」
「・・・ありがとうございます。」
「私はお昼は休憩室を使用する予定でしたの。」
そうだよね。
メリーチェほどの貴族だったら休憩室を使うはずだ。
「そうですか。では、私は食堂に行きますね。」
やっとメリーチェから解放される。そう思って私はホッとため息をついた。
すると、メリーチェの形のよい眉がひそめられる。
「アリーチェ。アリーチェも一緒に私と休憩室で食事をいたしましょう?」
「えっ!?で、ですが・・・。」
「お願いよ、アリーチェ。アリーチェが来てくれないとアルフレッド様と二人っきりでの食事になってしまうわ。」
どうやらメリーチェはアルフレッド様と食事をすることになっているようだ。
そこに私が割り込んでもいいのだろうか。
メリーチェは私にアルフレッド様を取られるかもしれないとは思ってもいないのだろうか。
「で、ですが。今からですと私の食事の分は用意できないかと思われますし、侯爵家の方々が食べるような食事ですと私どもの家ではお支払が・・・。」
アルフレッド様とお近づきにはなりたいけれども、侯爵家の料理を食べるだけの金銭的な余裕がない。
今日、侯爵家で用意された料理を食べてしまったら明日からパン1個ですまさなければならなくなるだろう。
それは嫌だ。
いくらアルフレッド様が一緒でもそれだけは避けたい。
「あら、心配しなくても大丈夫よ。私の分の料理がいつもあまりますの。あんなに食べれないと言っているのにいつもいつも大量の食事が出て・・・。もったいないと思っておりますのよ。だからそれをアリーチェと一緒に食べようと思って。私のために用意された食事を食べきれないからアリーチェにあげるんですの。ですから、お代のことなど気にしなくていいんですのよ。それに、アリーチェは私の親友ですわ。」
うっ・・・。
なんで、メリーチェってこんなに優しいの?
しかも私のことを親友って言い始めたし。
これは、断るのは無理そうだ。
むしろ、これはメリーチェの誘いに乗った方がいいのかな?
アルフレッド様と一緒に美味しいご飯を食べられるはずだし。
「さ、参りましょう。」
メリーチェはにっこりと笑うと私の返事も待たずに私の手を取って歩き始めた。
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