王太子が悪役令嬢ののろけ話ばかりするのでヒロインは困惑した

葉柚

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「ああ、メリーチェ待っていたよ。君のために最高の食事を用意したんだ。」

メリーチェに用意されたという休憩室に向かうとそこには、アルフレッド様がすでに着席して待っていた。

そして、やっぱり私の姿は目に入らないようである。

アルフレッド様の目に写るのはメリーチェだけのようである。

「用意してくださったのは使用人でしょう?まあ、いいわ。アリーチェも誘いましたの。一緒でもいいでしょう?」

メリーチェはそう言って、私の背中を押す。

メリーチェに急に背中を押されたせいで、私はメリーチェより前におどりでてしまった。

「ああ・・・。またアリーチェか。メリーチェはアリーチェが好きなのだな。」

「ええ。だって私たちは親友ですもの。でも、アルフレッド様もアリーチェと友達なのでしょう?」

「・・・まあな。」

「なら、アリーチェも一緒でも問題はございませんよね?」

「・・・まあな。」

「よかったわ。アリーチェ、アルフレッド様の許可も得られたし座りましょう。」

「あ・・・はい。」

アルフレッド様の許可をとったというか、無理矢理もぎとったかのように聞こえるメリーチェとアルフレッド様の会話を聞いたあとでは頷くしかなかった。

まあ、この部屋に来た時点でもう私には逃げ場がないということを理解していたけれども。

さて、ではメリーチェの言う通りに椅子に座ろうとしたが、空いている椅子はひとつしかない。

そして、メリーチェはまだ立っている。

つまり私が椅子に座ってしまうとメリーチェが座る場所がなくなってしまうのだ。

それはいただけない。

ここで私がサッと椅子に座ろうものなら、アルフレッド様が怒りそうだ。

さて、どうしたものかと首をかしげる。

「あら、椅子が足りないわね。誰か椅子を持ってきてくださる?」

メリーチェも気がついて、そばに控えている使用人に声をかけてくれた。

だが、誰も動く気配がない。

これは・・・使用人一同で私を邪魔物として扱っているな・・・。

まあ、仕方ないけど。

「・・・持ってきてくださらないようね。では、アリーチェ。私の膝の上に座ってちょうだい。」

「はっ!?」

「なにっ!?」

椅子を持ってくる気配がないことに気づくと、メリーチェは自分の膝の上に座るように言ってきた。

細く折れそうなメリーチェの膝の上に座るだなんて無理だ。

それに、普通親友でもそんなことはしない。

アルフレッド様だって驚いているではないか。

「メリーチェ様。さすがに私がメリーチェ様の膝の上に座るわけにはいきません。」

「そうだ!メリーチェの小鹿のように華奢な足が折れてしまう!」

アルフレッド様も断固反対のようだ。

「では、どなたか椅子を持ってきてくださいませんか?」

メリーチェはにっこりと笑って使用人にそう告げた。
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