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本編
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しおりを挟むアクアさんにお姫様抱っこされてから職員棟に着くまでは本当にあっという間だった。
職員棟に着くと、ジェリードット先生が床に倒れこんでいた。
その側にはトリードット先生の姿が見える。
何かからかジェリードット先生を守っているようだ。
「なぜ生徒がここにいるっ!?」
メリードット先生・・・。
ジェリードット先生を守っているように立っているのはトリードット先生だけではなかった。
担任の先生であるメリードット先生もその場に立っていて、私たちに気づいて驚愕の表情を浮かべている。
また、次々と職員棟に先生方が集まってくる。
「アクア嬢にエメロード嬢ではないかっ!早く寮に戻れっ!」
メリードット先生はこちらに駆け寄ってくると、寮に戻るようにとまくし立てる。
トリードット先生はこちらに気づいたようだが、予断を許さない状態なのか視線を一度こちらに投げかけただけでまたすぐに視線を元に戻してしまった。
「戻りませんっ!何があったのか教えてくださいっ!」
私はメリードット先生の剣幕に負けないように、お腹に力をいれて踏ん張って声を張る。
「ここは危険なんだっ!下がれ!」
「承知しておりますっ!教えてくださいっ!シルヴィアさんが関係しているんですかっ!?」
「・・・っ。なぜそれをっ!!」
メリードット先生は驚いたように私たちを見た。
「邪竜は生まれてしまいましたか?」
私は声を静めてメリードット先生に確認する。
「・・・そこまで知っているのか、君たちは。」
「ええ。」
「それに、私たちの精霊の卵がもしかしたら役に立つのではないかと思いまして。」
アクアさんと私はメリードット先生に向かってにっこり微笑んだ。
「確かに下級精霊では全く歯が立たない。だが、君たちの精霊の卵はまだ孵化していないだろう?」
「ええ。孵化しておりません。」
「そうですね。ですが、シルヴィアさんは孵化していない状態でも他者に干渉することができました。それならば私にもできるのではないかと思ったのです。」
精霊の卵は胸元でドクンッドクンッと力強く脈を打って入るがまだ孵化してはいない。
「・・・そうか。・・・確かに現状手が足りていない。できるだけ多くの力が必要な状態だ。だが、邪竜はもうすぐ孵化しようとしている。通常であれば精霊の卵が孵るのは数か月後なのに。早すぎるんだ。」
「・・・腐ってやがる。早すぎたんだ。ってことはないですか?」
「はあ!?何を言っているんだ?」
アニメであるではないか。
卵を急いで孵化させたために、孵った者が腐っていてすぐに死んでしまったというやつが。
それと同じ状態にはならないのだろうか。
精霊の場合は早く孵っても特に問題はないのだろうか。
「精霊の卵が早く孵化した場合はなにか不都合ってあるんですか?」
分からないことは先人に聞くのみ。
精霊の卵が予定より早く孵化した場合ってどうなるのかが気になってメリードット先生に確認をする。
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