見習い料理人はテキトー料理で今日も人々を魅了する

葉柚

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オレは一つ約3㎏あるコカトリスの卵を手に持つ。それをテーブルの角に向けて勢いよく振り落とした。


ガインッ。


もう一度勢いよく振り落とす。


ガインッ。ペキッ。


どうやらヒビが入ったようだ。コカトリスの卵はとても堅い。通常の剣士が思いっきり剣で切ろうとしても切れないだろう。それどころかヒビすら入らない。

名のある大剣の剣士が思いっきり大剣で叩きつけてやっとヒビが入るか入らないかということを聞いたことがある。

それほどまでにコカトリスの卵は堅い。

またヒビが入ってもそこから普通の卵のように殻を真っ二つに割るのも至難の業らしい。

ゆえにコカトリスの卵の殻は防具の材料になることが多い。


オレはヒビの入ったコカトリスの卵のヒビの部分に手をかけた。そうして、グッとヒビの部分を押し込む。


1㎝ほど指が中に入り込んだことを確認すると、コカトリスの卵をボールの中にいれ、それからさらに力を入れて、コカトリスの卵の殻を割る。

これがかなりの重労働だ。

しかし、とても美味しいプリンができるので、頑張るしかない。


ググッと力をいれていけば、ほどなくしてコカトリスの卵の殻が真っ二つに割れ、中の黄身と白身がボールの中に広がる。

オレは、ゆっくりとボールの中から殻の欠片を取り出していく。

破片をすべて取り除いたら、そこに砂糖とバッファモーのミルクを入れてかき混ぜる。


「あー、バッファモーのミルクも採ってくるんだったなぁ。これ一昨日搾ったミルクだった。まだ傷んではいないけど、風味が落ちるんだよなぁ。でも、作るっていっちゃったしな。今からミルクを採りに行ってたんじゃ、この割っちゃったコカトリスの卵の鮮度が落ちるし・・・。」


オレは失念していた。コカトリスの卵がたくさん手に入ったことに浮かれていたために、バッファモーのミルクを今日は採取していなかったことに気がつくのが遅れたのだ。


「・・・ま、いっか。コカトリスの卵はまだまだいっぱいあるし。今度作ればいいよね。うん。」


ちょっと風味は落ちてしまうけれども、まあいいだろう。風味が落ちたところで普通の卵とミルクで作ったプリンよりは美味しいことは間違いないんだし。

オレはそう納得してプリン作りを再開した。








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