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第十一話 裏庭
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というわけでまずは、図書室で魔法決闘について調べることにした。初心者はとにかくケガしないよう立ち回るべきと、本には書かれている。回復魔法も悪くないが、一対一の戦闘中に行うのは難しいだろう。どちらかというと防御系、つまりシールド魔法が求められるようだ。
「放課後、学校の裏庭でシールド魔法の練習をしよう。魔法人形サムが僕を自動追尾して突撃してくるよう調整する。サムの突進を、僕がシールド魔法で防げばいい」
というわけで始めてみたのだけれど、なかなか上手くいかない。どうしてもシールド魔法の展開が遅く、サムが僕に当たってしまう。
「困ったな。シールド魔法で防御じゃなくて、回避する方法を考えた方がいいかもしれない。でも、ロドニーが範囲攻撃を仕掛けてきたら避けられないだろうし」
色々考えてみたけれど難しいな。やっぱり、シールド魔法を地道に特訓していくしかなさそうだ。
「でも、そもそも僕はハーフエルフで魔力の量が多いから、魔力が暴走しがちで、魔法のコントロールが難しいんだよな」
ハーフエルフは寿命が長いから、これから先長い年月をかけて、僕の魔法は上達するだろう。でも、今の僕はまだ未成年であり、魔法の経験が圧倒的に足りない。
「そういえば、僕は長生きだから、同い年の人間達の死を見届けるんだろうな」
自分自身の呟きに少しショックを受けた。ルーカスも先に死ぬんだろうな。少し寂しい。
「アルロ。そんな無防備な状態で立ち尽くすな。危険だ」
あれ。ルーカスの声が聞こえた。気のせいかな。振り向くと、そこには怒った表情のルーカスがいた。なんでそんな顔をしているんだろう。
「ルーカス、どうしたんだ」
少し怯えつつも聞いてみる。何か問題でもあったのか。
「さっきからそこの茂みで、一部生徒達がアルロを攻撃しようと狙っている。敵意にも気がつけないハーフエルフ様は、いつか痛い目に合うだろうな」
ルーカスが嫌味っぽく言うと、裏庭の片隅から生徒達が飛び出して逃げていった。うわあ。気づかなかった。
「ルーカスありがとう。助かったよ」
素直にお礼を言う。
「全く。アルロは嫌われているんだから油断を怠るな。そういえば、ハーフエルフは長生きだから人間の死を見届けるとか、さっきアルロはほざいていたな。このままだと間違いなく僕より先にアルロが死ぬと思うが」
ルーカスの言葉はきつい。でも、実際その通りだと思う。
「分かったよ。でも、どうすればいいか困っているんだ。魔法人形サムを操りながら、シールド魔法を練習しているんだけど。上手くいかなくて」
そう伝えてみると、ルーカスがサムを乱暴につかんだ。おい。頼むから壊さないでくれよ。
「僕が攻撃魔法を出すから、アルロはシールド魔法に集中して特訓したらどうだ」
ルーカスの言うことは一理ある。
「そうだな。ありがとう。シールド魔法をとにかく頑張るよ」
意見を聞き入れることにした。そうしたら、すかさずルーカスは風魔法を放ってきた。僕はもろに当たってしまって、後ろへ倒れてしまう。
「アルロ」
ルーカスは僕の名前を呼んでくる。助け起こしてもくれない。
「ルーカスッ。いきなり攻撃してくれるなっ。宣言してからにしてくれ。じゃないと、シールド魔法が間に合わないっ」
あわてて叫んでみたら、ルーカスに軽く笑われた。
「ほう。魔法決闘のときに相手が突然攻撃してくるなんて当たり前だろう。わざわざ声を出し詠唱してから攻撃魔法を放つだなんて、そんな生優しいことをロドニーが行ってくれると思っているのか」
ルーカスの言葉に言い返せない。悔しい。
「確かにそうだけど。今に見てろよ。ルーカスをびっくりさせるほど、僕は強くなってやるからなっ」
そう伝えてみたら、ルーカスが優しく微笑んだ。まるで天使のような笑みに、僕は一瞬固まってしまう。
「アルロがどれだけ強くなるか楽しみにしているよ。まあ一ヶ月ではある程度までしか伸びないと思うが」
ルーカスは優しいんだろうけれど、言い方がやっぱりむかつくなあ。
「放課後、学校の裏庭でシールド魔法の練習をしよう。魔法人形サムが僕を自動追尾して突撃してくるよう調整する。サムの突進を、僕がシールド魔法で防げばいい」
というわけで始めてみたのだけれど、なかなか上手くいかない。どうしてもシールド魔法の展開が遅く、サムが僕に当たってしまう。
「困ったな。シールド魔法で防御じゃなくて、回避する方法を考えた方がいいかもしれない。でも、ロドニーが範囲攻撃を仕掛けてきたら避けられないだろうし」
色々考えてみたけれど難しいな。やっぱり、シールド魔法を地道に特訓していくしかなさそうだ。
「でも、そもそも僕はハーフエルフで魔力の量が多いから、魔力が暴走しがちで、魔法のコントロールが難しいんだよな」
ハーフエルフは寿命が長いから、これから先長い年月をかけて、僕の魔法は上達するだろう。でも、今の僕はまだ未成年であり、魔法の経験が圧倒的に足りない。
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自分自身の呟きに少しショックを受けた。ルーカスも先に死ぬんだろうな。少し寂しい。
「アルロ。そんな無防備な状態で立ち尽くすな。危険だ」
あれ。ルーカスの声が聞こえた。気のせいかな。振り向くと、そこには怒った表情のルーカスがいた。なんでそんな顔をしているんだろう。
「ルーカス、どうしたんだ」
少し怯えつつも聞いてみる。何か問題でもあったのか。
「さっきからそこの茂みで、一部生徒達がアルロを攻撃しようと狙っている。敵意にも気がつけないハーフエルフ様は、いつか痛い目に合うだろうな」
ルーカスが嫌味っぽく言うと、裏庭の片隅から生徒達が飛び出して逃げていった。うわあ。気づかなかった。
「ルーカスありがとう。助かったよ」
素直にお礼を言う。
「全く。アルロは嫌われているんだから油断を怠るな。そういえば、ハーフエルフは長生きだから人間の死を見届けるとか、さっきアルロはほざいていたな。このままだと間違いなく僕より先にアルロが死ぬと思うが」
ルーカスの言葉はきつい。でも、実際その通りだと思う。
「分かったよ。でも、どうすればいいか困っているんだ。魔法人形サムを操りながら、シールド魔法を練習しているんだけど。上手くいかなくて」
そう伝えてみると、ルーカスがサムを乱暴につかんだ。おい。頼むから壊さないでくれよ。
「僕が攻撃魔法を出すから、アルロはシールド魔法に集中して特訓したらどうだ」
ルーカスの言うことは一理ある。
「そうだな。ありがとう。シールド魔法をとにかく頑張るよ」
意見を聞き入れることにした。そうしたら、すかさずルーカスは風魔法を放ってきた。僕はもろに当たってしまって、後ろへ倒れてしまう。
「アルロ」
ルーカスは僕の名前を呼んでくる。助け起こしてもくれない。
「ルーカスッ。いきなり攻撃してくれるなっ。宣言してからにしてくれ。じゃないと、シールド魔法が間に合わないっ」
あわてて叫んでみたら、ルーカスに軽く笑われた。
「ほう。魔法決闘のときに相手が突然攻撃してくるなんて当たり前だろう。わざわざ声を出し詠唱してから攻撃魔法を放つだなんて、そんな生優しいことをロドニーが行ってくれると思っているのか」
ルーカスの言葉に言い返せない。悔しい。
「確かにそうだけど。今に見てろよ。ルーカスをびっくりさせるほど、僕は強くなってやるからなっ」
そう伝えてみたら、ルーカスが優しく微笑んだ。まるで天使のような笑みに、僕は一瞬固まってしまう。
「アルロがどれだけ強くなるか楽しみにしているよ。まあ一ヶ月ではある程度までしか伸びないと思うが」
ルーカスは優しいんだろうけれど、言い方がやっぱりむかつくなあ。
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