推しがラスボスなので救いたい〜ゲーマーニートは勇者になる

ケイちゃん

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復活の厄災編

第四十九話 絶望の魔の手④

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 ーーーーーー。
 ーーーー。
 ーーッ。

 …ひどく頭が酔う、気持ち悪い…。
 そんな不快感に悩まされ否が応でも意識を呼び戻された。

「うっ…ゲホッ!カハっ!」

 意識がはっきりすると体が再び機能しだし、体の中に溜まった水を吐き出した。
 気だるく重い体を起こすと、砂利が敷き詰められた川岸に自分とヒズミが流れ着いていたことが見てとれた。辺りは未だ森に囲まれている、人が入って来た形跡もない奥深くまで流されて来たようだ。

「ヒズミ…起きろ…起きてくれ…!」
「うっ…!ゲボッ!ウェッ!」

 うつ伏せに倒れたヒズミを揺らすと意識を取り戻したのか、自身と同じように中にある水を吐きだしながら弱々しく上体を起こす。

「お嬢様…」

 ヒズミはシトリーの顔を見ると、彼女が生きていたことに安堵したのか、緊張の糸が解けるように仰向けに倒れた。
 お互い、あの恐怖から逃れ生きている。そんな不思議な感覚を感じながら、二人は今置かれている状況を口にする。

「どうやら…私達は流されてしまったようだ。あの橋があった場所が何処かすらわからない遠いところまで。」
「安全…とは言えませんね。また嗅ぎつけられて接触する可能性があります。お嬢様…槍は」
「もうしまっている、気を失った時に召喚が解除されたんだろう。魔力を追ってここに来ることはないはずだ。」

 ーー違う…俺が(私が)、言いたいのはそれじゃない。

 起きたことの状況整理と報告が日課になっている、自分の気持ちを打ち明けるより先にこれが出てしまうとは…改めて自分達は死という瀬戸際まで追い込まれていたかわかるような気がした。
 今ここで自分の気持ちに正直になるべきか、そんなことをぼんやりと考え…そんなことを考えている場合ではないのではと気持ちをねじ伏せ口止まる。
 そんな心の葛藤に満ちた数分の沈黙を、シトリーがぽつりと破った。

「ヒズミ…その…」
「はい…?」
「いや…ごめん。何でもない。」

 何でもないわけがない、隣で頭を抱えている人が言う台詞ではない。ヒズミは呆れ模様でシトリーに催促するよう聞き返した。

「何ですか?別に何言われても驚きませんよ。お嬢様が考えそうなことは大方予想できてます、俺の口から言った方がいいですか?」
「……いいや、私が話す。」

 シトリーはそう言ったのち、領主の責から降りたような気持ちで、まるで普通に友人と語り合うように呟く。

「私は…彼らがいた場所に戻ってみたい。」

 やっぱりと、そう言うと思っていたとヒズミは当然のように聞き返す。

「誰か生き残っているかもしれないと…そういうことですか?」

 視線はずっと川岸を見つめ、シトリーは頷き返す。

「私達は生き残るためとはいえ彼らを置き去りにして逃げてきた、もしあの時私が逃げろと早く命じていたら彼らは…いや、そうじゃない。」

 また領主としての自分が出たことでシトリーは続きを話すことを止め、ただ率直な気持ちを吐露した。

「私は…認めたくないだけなんだ…皆がいなくなってしまったことを。」

 それはまるで子供じみた発想、結果など分かりきってなぜ悲惨な現場に戻ろうというか。
 心配だから?だがその安易な考えは身を滅ぼすことに繋がる。あの場にはヘラがいるかもしれない、普通なら身を隠し遠くに離れるのが鉄則だろう。
 それを分かってるからこそ、互いにそれが心配になって思ってしまったからこそ、お嬢様に(ヒズミに)危険な目に合わせたくないと考えたからこそ…言えなかった。

「そうですね…俺も同じこと考えてました。あの時、抱えて飛び込んだのが全員だったらって、馬鹿みたいな発想ですけどね。」

 ヒズミはシトリーの吐き出した気持ちに合わせるかのように少し苦笑しながら話した。

「でも…持っていけるものが限られていたとしたら、俺は全部という発想は考えない。欲張り過ぎれば全部ダメになってしまうから。」
「ヒズミ…」

 シトリーはどこか不服そうな表情で口を開く。

「遠回しに話すのはやめてくれ。私もあれを見てしまったら嫌でも考える。」

 ヒズミは優しい、こんな私欲だらけの私について何も言おうとしない。これ以上自分の心が壊れないよう配慮している。
 それがより自身の心を締め上げる、わかっているんだ…わかっているから言ってほしいんだ…淡い期待なんてより絶望を生み出すだけなんだから。

「生き残ったのは…私達だけなんだろう?」
「……。」

 シトリーの苦しみが募った言葉にヒズミは曇った表情をし無言で頭を縦に振った。
 ヒズミはそれ以上何も言えなかった。
 一度は人生とも言うべきもののほとんどを悪魔に奪われたことで絶望したが、あの時には仲間がいた。彼らがいたからこそ、お嬢様を絶望の淵から救いの手を伸ばすことができた。彼らはお嬢様にとって精神面を支える柱だったのだ。
 だがそれをあの悪魔が壊してしまった。無慈悲に、非情に、嘲笑うかのように、目の前でクシャ…と握り潰した。
 今のお嬢様はどん底の底に叩きつけられた状態、まだ仲間達は助かると淡い希望を持たせる言葉も、現実を見てここから離れようと提案する言葉も受け取ろうなど考えない。

(何か…何か声をかけなければ、お嬢様が壊れて…)

 と、シトリーに何もしてあげられない自分に焦りを感じていると…

「ああ…あぁぁぁ!!」

 隣から予想もしたくなかった彼女の悲痛な叫び声を聞き、最悪な予感が的中したと緊張感が走る。
 今まで怒りや哀しみでの衝動で叫ぶことはあったが、今度の叫び声別物、まるでネジが外れたかのような狂乱した気持ちを乗せたそれは大声で嘆き散らした。
 ここは森の中、大声を出せば近くにいる魔物を呼び寄せるかもしれない。だがシトリーは叫ばずにはいられなかった。

「私は!誰も…守れない!力を手に入れても、側にいた仲間一人すらも守れなかったら…一体何のために魔紅石があるのよ!」

 暴れるように流れる川に入り何度も拳を水面に打ちつけ、自身を罵倒する。
 その際シトリーの脳裏よぎる、目の前で殺された仲間達の姿を…橋を一撃で粉砕させるヘラの圧倒的な力を…
 はっきりとあの時、無力さを感じた。当然の結果だと教えられた。それが今までの自分を否定させる。

「私は…特別な力もない、誰かに選ばれた特別な人でもない…ただの夢を実現しようと努力した、普通の人間なんだ。何が領主だ…何が皆を束ねるリーダーだ…どんな凄い称号を持ったところで…私は…何も出来ない…ちっぽけな人間だッ…!」

 流れる川の水面に自分の顔が映り込む、涙に混じって水に濡れた自分の顔は虚ろで生気のない、一瞬誰だかわからなくなる酷い顔をしていた。

「ごめん…皆…何も出来ない私を…許してくれ。」

 絶望のどん底に叩き落とされ、贖罪の心に押しつぶされるシトリーに、ヒズミは脈略もなしに一声かける。

「何も出来ないなんて言わないでください。」

 ヒズミの言葉にシトリーがピクリと反応する。なおも沈鬱に沈む彼女に、ヒズミはしゃがみ込む。

「たしかに俺達には特別な力なんてない、魔紅石に頼らないと何もできない普通の人間です。」

 でもお嬢様はやってのけた。
 魔紅石を見つけて実用可能なエネルギー源として世界に貢献した。
 ほぼ他人の俺達に繋がりを持たせてくれた。
 仲間を思う気持ちで自分は何も出来なかったと悲観する気持ちはわかる、だがお嬢様の素質はそれだけじゃない、常に俺達の前に立ち先導するそのカリスマ性は誰にもできることじゃない。

「普通の人間だって、始めなきゃ何も変わらない。今のままじゃ折れた心引きずったまま後悔に苛まれるだけです。俺はそんなお嬢様を見たくない。」

 ヒズミはシトリーの手に触れると優しく握った、そこから伝わる温もりは虚無に包まれたシトリーの心に一筋の光を照らす。

「辛いでしょうが乗り越えましょう、今を見ずに未来を見てください。言っていたじゃないですか、人間生きてさえいればまだ未来はまだある、たとえ全てが無くなったとしても生きてさえいればまたやり直せる。って」
「生きてさえいれば…またやり直せ…ん?」

 その言葉にシトリーの表情が硬直する。
 どこかで聞いた言葉…ああそうだ、ヘラに仲間を人質に取られた時に発した言葉だ。なぜあんなカッコ悪い姿をした私を覚えている?

「なっ!やめろ…!何で一言一句間違えず覚えてるんだ、恥ずかしいだろうが。」

 今の自分に突き刺さる言葉に恥ずかしさを感じ、咄嗟にヒズミの手をどかす。その際ヒズミに見られてしまった、くしゃくしゃで酷い顔に恥ずかしさに染まった真っ赤な顔を。

「ははっ、名言じゃないですか。俺は意地悪な奴なので、お嬢様がまた挫けそうになったらまた一言一句間違えずに言いますよ。」

 満面の笑みでそう口にするヒズミに、シトリーは震えながら唸った。

「こんのぉ…人の気も知らないでっ…!」

 頭にげんこつでも打ってやろうかとプルプル震える拳をヒズミ見せると、先程の優しい声は変わらず少し切ない表情を表し話続けた。

「でも、もし俺が挫けそうになってしまったら、今度はお嬢様が一言一句間違えずに言ってくださいね。」

 その言葉にシトリーは思う。仲間を失い、夢を失い、自分が誇れるものを失った。私の隣に立って共に歩いて来たからこそ、その気持ちは一緒なはずなのだ。
 私のように泣き叫んで気持ちを爆発させたいのを我慢し、私が間違った方向に進まないよう支えてくれた。
 ヒズミは強い奴だ…それに比べて私は…

「すまないヒズミ、見苦しいところを見せた。」

 自分の弱さを実感し、情けなくヒズミに頭を下げて答える。
 彼が挫けてしまったら?そんなこと考えたくもない…そんな姿を見たらきっと私は本当に壊れてしまうだろう。

「謝らないでください、何度だって助けますよ。ほら、立ってください!」

 頭を下げたシトリーの姿など似つかわしくないと感じ、ヒズミは彼女の腕を引っ張り強引に立ち上がらせた。
 側から見るとヒズミがシトリーに抱きついている様子にも見える、そうでもしないと糸の切れた人形のように倒れてしまうほどに彼女の足が震えて不安定だったからだ。
 普段のシトリーならヒズミであっても異性の相手に抱かれたりしたら即突き放し冷たい視線で睨むことだろう。領主の威厳として、仲間達に妙な関係だと思われないようにと、自身の仕事に影響が出る関係性は除外していた。
 だがそんな威厳は地位も仲間達との関係も失ったことで壊れた、今のシトリーは何も背負うものがないただの普通の女の子なのだ。

「何度だって助ける…か。」

 ボソっとヒズミの胸の中でそう呟く、この感覚は一体何なんだろうか?哀しいはずなのに、どこか嬉しい気持ちが湧き上がる。心が冷え切って寒い体にヒズミの温かい体温が流れ込んでくるのを感じる。
 これは駄目だ…このままずっとこうしてほしくなる。充足感に浸っていたら戦う意欲すら消えてしまいそうだ。

「行こう…ヒズミ、もう私は大丈夫だ。」

 無意識に目から涙が溢れた、多分今の私はヒズミには見せられない羞恥した顔をしていることだろう。
 ヒズミに気づかれないよう彼の腕から離れようとすると、ささやくような、しかしはっきりとした声で彼は言う。

「もう少しこのまま泣いていても構いませんよ俺は…うぐッ!」

 突然ヒズミの腰に重い一撃が当たる、不意にくらったことで体勢を崩した彼からシトリーは潜り抜けた。

「調子に乗りすぎだ、自分の主人にそうなめた口が叩けるならお前が挫ける心配なんてなさそうだ。」

 腕で顔を拭い、いつもの素顔に戻ったシトリーはヒズミにそう言った。

「ははっ、戻ってきましたね。お嬢様。」

 哀しみが抜け切ったシトリーの顔を見て安心したヒズミはそう答える。
 やはりお嬢様はその顔が一番似合っている、仲間達を束ね皆を導いてくれるシトリー・クリフレッドがまた再び帰ってきた。

「行くぞ…まだ私達が元気なうちにこの森から抜け出さないと。」
「どこへ向かうつもりで?」
「地図ではたしか…この森を抜けた先には街がある。だが手持ちに地図はない、体力的にもアテもなくこの森を彷徨い歩くのは危険すぎる。」
「では…やっぱり…。」

 ヒズミもシトリーが何を考えているのか読めていた、未踏の地に方向感覚を見失うほどの生い茂る森、ほぼ遭難状態である二人だが唯一残された道しるべがある。
 川だ、地図ではたしか川は分かれることなく一本で流れている。今いる場所から反対側へと川を上って行けばあの場所へ戻ることができる。

「戻るしかない…インディアス集落に。」

 シトリーの哀しき願いとは裏腹にあの場所へと戻らなくてはならなくなった。
 誰かが生存しているかもしれないという淡い希望と、奴が徘徊しているかもしれないという恐怖が入り混じりながら彼女は緊張な面影を見せる。

「どちらにせよ道は一つしかない、生き残るためなら茨の道は避けることは出来ない。ついて来てくれるか?」
「どこへでも、お嬢様を守るのは俺の務めですから。」

 返ってきた言葉は力強く、そして一番近くに感じられた。
 そうして二人は歩き出す…不安の色に立ち込まれたあの場所を目指して。
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