侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう

文字の大きさ
8 / 10

8

しおりを挟む
「失礼致します、セドリックでございます。」

 礼をして入室すると殿下と

「セディ昨日は本当に申し訳なかった。」

 セシリオ様がいた。

「セシリオ様っ!、どうか謝らないでくださいませ!実際に私には危害は加えられておりませんセシリオ様のご友人方もセシリオ様を思っての行動が少し行き過ぎてしまったのでしょう、………ですので殿下。」

 僕は殿下の方を向き直り言葉を続ける。

「お願いでございます、セシリオ様とそのご友人方を罪に問うのはおやめくださいませ。」

「!?セディ何を言っているんだ!」

 僕の発言にセシリオ様が驚いている、そんな反応を見つつ続ける。

「セシリオ様は僕にとって兄の様な人で…いつも優しくていつも僕に寄り添ってくれていました。同じ婚約者候補でしたのに。僕にとってセシリオ様は大切な方の一人なのです、その大切な方が自身の関与していない罪に問われるのは見たくはないですしそれにご友人方がセシリオ様の為にと起こしたことで罪に問われるのは心を痛めるでしょうから。」

「セディ、しかし何もしないとなれば他に示しがつかない。ましてや今回は君がすでに私の婚約者に内定しているから次期王子妃を襲ったことになる。」

 簡単にはいかないみたいだ、でもどうしてもこれは譲れない。

「そうだ、セディ君を危険な目に合わせてしまったのだそれでは私が納得できない。」

 あまりこの手は使いたくなかったんだけど手段を選んでられないからな。

「で、殿下?お願いでございます。セディのわがままを叶えてはくれませんか?」

 何を隠そうこの二人は僕に少しだけ甘いのだ。顎の前で両手を握り殿下を見つめる。

「っ!!セディそれは反則だっ!……分かった父と侯爵を説得してみるよ。けど、セディ完全に罪をなくすことはできないそれだけは理解して?」

「はい殿下!ありがとうございます!」

「セディ……っ」

 セシリオ様が涙を流している。不謹慎だけどその姿もまた綺麗で僕もまた泣きそうになる。


 セシリオ様の涙が止まると殿下が話し始めた。

「セディ、今日ここへ呼んだのは昨日のセディの質問に答えるためでもあったね。その話はセシリオから話してもらうね。」

「へ?セシリオ様からですか?」

 まさかセシリオ様から答えが来るだなんて思いもしなかった僕はまたまた間抜けな声を出してしまった。

「まず、驚かないで聞いて欲しいんだが。」

 そう言って少しの静寂の後にセシリオ様が息を整えて僕に伝えてくれた。


「セディ、私は幼い頃から君の事が好きだった。」
「…っ!!!!」

 驚愕の告白に僕は言葉を失う。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

そんなの聞いていませんが

みけねこ
BL
お二人の門出を祝う気満々だったのに、婚約破棄とはどういうことですか?

お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?

麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。

悪役令息の兄って需要ありますか?

焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。 その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。 これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

happy dead end

瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」 シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。

手切れ金

のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。 貴族×貧乏貴族

優秀な婚約者が去った後の世界

月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。 パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。 このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。

異世界召喚に巻き込まれた料理人の話

ミミナガ
BL
 神子として異世界に召喚された高校生⋯に巻き込まれてしまった29歳料理人の俺。  魔力が全てのこの世界で魔力0の俺は蔑みの対象だったが、皆の胃袋を掴んだ途端に態度が激変。  そして魔王討伐の旅に調理担当として同行することになってしまった。

処理中です...