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第一章
03 不思議な力?
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それから、どれくらい眠っていたのか、ディアナには分からない。
「失礼します」という遠慮がちな女性の声のあとで、温かいものがディアナの頬をなぞった。
目を開けると、医務室のベッドで眠るディアナをのぞき込んでいる女性と目が合う。
サイドテーブルに置かれたランプに照らされた女性は、赤い髪をひとつにくくり、キリッとした表情をしていた。服装からして女性騎士のようで、腰には剣を帯びている。
「……あなたは?」
「起こしてしまいましたね。大変申し訳ありません」
キビキビと話す女性は「私は、ライオネル殿下に仕える騎士の一人、カーラと申します。殿下より、お嬢様の護衛とお世話を拝命しました」と深く頭を下げた。
「ライオネル殿下が?」
「はい。医師の指示のもと、ドレス姿のままではお苦しいだろうと、勝手ながら着替えさせていただきました。今は、お顔の化粧を落とそうとしておりました」
カーラの言う通り、ディアナは豪華なドレスではなく、ダボダボのシャツを着ていた。
「これは?」
「も、申し訳ありません! 私のものなのですが、お嬢様には大きかったですね」
「騎士様の?」
ディアナがそう尋ねると、カーラは困った顔をする。
「失礼だと思ったのですが、医務室には着替えは置いていないとのことで」
「お医者様は?」
「仮眠室で眠っています。お嬢様の具合が悪いのでしたら、すぐに起こして……」
「いえ、大丈夫です!」
ディアナは、慌ててカーラを止めた。目のチカチカはもうおさまっているし、頭の痛みも落ち着いている。
ベッドから身を起こしたディアナに、カーラは水が入ったコップを手渡してくれた。
「ありがとうございます。でも、どうして騎士様がメイドのようなお仕事を?」
服を着替えさせたり、化粧を落としたりするのは騎士の仕事ではない。
「ライオネル殿下の周りには騎士以外いないのです。メイドも置いておらず」
「王宮メイドにお願いしたら良かったのでは?」
「殿下は、信頼できる者にしか仕事を任せません」
一瞬だけ空気が、ピリッとしたような気がした。
(戦場に長くいたライオネル殿下は、社交界のルールで動いていないのかもしれないわ。それに、どういう事情があったとしても、私がライオネル殿下に助けられたことに変わりはない)
ディアナは、カーラに微笑みかけた。
「化粧は自分で落とします」
「いえ、そういうわけには!」
「大丈夫ですよ。いつもメイドにやってもらっているのを見ているので、私でもできるはずです」
ためらっていたカーラから布を受け取り、ディアナは見よう見まねで化粧を落とした。
(さっぱりして気持ちがいいわ)
桶の中の水が温かいことも嬉しかった。
「わざわざお湯をここまで運んでくださったのですか?」
「あ、はい。冷たい水でお嬢様を驚かせてはいけないと思い」
(なんて優しい方なのかしら。ライオネル殿下もとても親切にしてくださったし、騎士様は皆こんなに優しいの?)
ディアナが心の底から「ありがとうございます」とお礼を言うと、カーラから淡く光る蝶がフワッと出てきた。
(あっ、この蝶……。ライオネル殿下の周りにも蝶が見えたのよね。だとすれば、これも幻覚?)
蝶がカーラの目の前を横切っても、カーラは反応しない。
(やっぱり、私以外には見えていないのね)
そうディアナが確信したとき、また声が聞こえた。
――嬉しい。
その声は、蝶から聞こえたような気がする。
カーラは、ニコリと微笑むと「嬉しいです」と蝶と同じ言葉を口にした。
「お嬢様に、ご無礼がなかったようで安心いたしました」
カーラの周りをヒラヒラと飛ぶ蝶は、『嬉しい、嬉しい』と繰り返している。思い返してみれば、ライオネルのときは、蝶が『心配だ』と言い、彼自身も本当にディアナのことを心配してくれていた。
(もしかして、私、相手の心が分かるようになったの?)
カーラと蝶を見つめても『嬉しい』以外の言葉は聞こえてこない。他人の心が読めているわけではないようだ。
(私ったら、おかしなことを考えてしまっているわ。絵本の世界じゃあるまいし)
子どもの頃に読んでいた絵本には、神から祝福を受けて、不思議な力に目覚めた青年がお姫様を助ける、なんてものがあった。しかし、現実の世界では、神の祝福などありえない。そんな力が本当にあるのなら、人々は戦争を繰り返していないだろう。
ディアナが「もう少し寝ます」と伝えると、カーラは礼儀正しく頭を下げた。
「分かりました。私は医務室の外に控えているので、いつでもお呼びください」
一人になったディアナは、包帯が巻かれた頭にそっと触れた。
(でも、もし私が絵本に出てくるような不思議な力に目覚めたのなら、その力を使って今すぐにでも、ロバート様と婚約を解消したいわ。どうしたら、穏便に解消できるのかしら?)
コールマン侯爵家との繋がりができるこの婚約を、両親は喜んでいる。
(やっぱりロバート様から断ってもらうのが一番よね)
ディアナとロバートの関係は、お世辞にも良好だとは言えない。
しかも今日の夜会で、ディアナは王太子の前で大失敗してしまった。ロバートからすれば、もう顔すらも見たくない相手になっているに違いない。
(案外この問題は、あっさり解決するかも……)
今までは、ロバートと仲良くしようとしていたから大変だっただけだ。嫌われていいのなら、何も問題ない。
(だって私、ロバート様にため息ばかりつかれているから。私が婚約解消を希望していると分かったら、ロバート様はきっと大喜びするわ)
二人の意見が一致していることに安心して、ディアナは再び眠りについた。
「失礼します」という遠慮がちな女性の声のあとで、温かいものがディアナの頬をなぞった。
目を開けると、医務室のベッドで眠るディアナをのぞき込んでいる女性と目が合う。
サイドテーブルに置かれたランプに照らされた女性は、赤い髪をひとつにくくり、キリッとした表情をしていた。服装からして女性騎士のようで、腰には剣を帯びている。
「……あなたは?」
「起こしてしまいましたね。大変申し訳ありません」
キビキビと話す女性は「私は、ライオネル殿下に仕える騎士の一人、カーラと申します。殿下より、お嬢様の護衛とお世話を拝命しました」と深く頭を下げた。
「ライオネル殿下が?」
「はい。医師の指示のもと、ドレス姿のままではお苦しいだろうと、勝手ながら着替えさせていただきました。今は、お顔の化粧を落とそうとしておりました」
カーラの言う通り、ディアナは豪華なドレスではなく、ダボダボのシャツを着ていた。
「これは?」
「も、申し訳ありません! 私のものなのですが、お嬢様には大きかったですね」
「騎士様の?」
ディアナがそう尋ねると、カーラは困った顔をする。
「失礼だと思ったのですが、医務室には着替えは置いていないとのことで」
「お医者様は?」
「仮眠室で眠っています。お嬢様の具合が悪いのでしたら、すぐに起こして……」
「いえ、大丈夫です!」
ディアナは、慌ててカーラを止めた。目のチカチカはもうおさまっているし、頭の痛みも落ち着いている。
ベッドから身を起こしたディアナに、カーラは水が入ったコップを手渡してくれた。
「ありがとうございます。でも、どうして騎士様がメイドのようなお仕事を?」
服を着替えさせたり、化粧を落としたりするのは騎士の仕事ではない。
「ライオネル殿下の周りには騎士以外いないのです。メイドも置いておらず」
「王宮メイドにお願いしたら良かったのでは?」
「殿下は、信頼できる者にしか仕事を任せません」
一瞬だけ空気が、ピリッとしたような気がした。
(戦場に長くいたライオネル殿下は、社交界のルールで動いていないのかもしれないわ。それに、どういう事情があったとしても、私がライオネル殿下に助けられたことに変わりはない)
ディアナは、カーラに微笑みかけた。
「化粧は自分で落とします」
「いえ、そういうわけには!」
「大丈夫ですよ。いつもメイドにやってもらっているのを見ているので、私でもできるはずです」
ためらっていたカーラから布を受け取り、ディアナは見よう見まねで化粧を落とした。
(さっぱりして気持ちがいいわ)
桶の中の水が温かいことも嬉しかった。
「わざわざお湯をここまで運んでくださったのですか?」
「あ、はい。冷たい水でお嬢様を驚かせてはいけないと思い」
(なんて優しい方なのかしら。ライオネル殿下もとても親切にしてくださったし、騎士様は皆こんなに優しいの?)
ディアナが心の底から「ありがとうございます」とお礼を言うと、カーラから淡く光る蝶がフワッと出てきた。
(あっ、この蝶……。ライオネル殿下の周りにも蝶が見えたのよね。だとすれば、これも幻覚?)
蝶がカーラの目の前を横切っても、カーラは反応しない。
(やっぱり、私以外には見えていないのね)
そうディアナが確信したとき、また声が聞こえた。
――嬉しい。
その声は、蝶から聞こえたような気がする。
カーラは、ニコリと微笑むと「嬉しいです」と蝶と同じ言葉を口にした。
「お嬢様に、ご無礼がなかったようで安心いたしました」
カーラの周りをヒラヒラと飛ぶ蝶は、『嬉しい、嬉しい』と繰り返している。思い返してみれば、ライオネルのときは、蝶が『心配だ』と言い、彼自身も本当にディアナのことを心配してくれていた。
(もしかして、私、相手の心が分かるようになったの?)
カーラと蝶を見つめても『嬉しい』以外の言葉は聞こえてこない。他人の心が読めているわけではないようだ。
(私ったら、おかしなことを考えてしまっているわ。絵本の世界じゃあるまいし)
子どもの頃に読んでいた絵本には、神から祝福を受けて、不思議な力に目覚めた青年がお姫様を助ける、なんてものがあった。しかし、現実の世界では、神の祝福などありえない。そんな力が本当にあるのなら、人々は戦争を繰り返していないだろう。
ディアナが「もう少し寝ます」と伝えると、カーラは礼儀正しく頭を下げた。
「分かりました。私は医務室の外に控えているので、いつでもお呼びください」
一人になったディアナは、包帯が巻かれた頭にそっと触れた。
(でも、もし私が絵本に出てくるような不思議な力に目覚めたのなら、その力を使って今すぐにでも、ロバート様と婚約を解消したいわ。どうしたら、穏便に解消できるのかしら?)
コールマン侯爵家との繋がりができるこの婚約を、両親は喜んでいる。
(やっぱりロバート様から断ってもらうのが一番よね)
ディアナとロバートの関係は、お世辞にも良好だとは言えない。
しかも今日の夜会で、ディアナは王太子の前で大失敗してしまった。ロバートからすれば、もう顔すらも見たくない相手になっているに違いない。
(案外この問題は、あっさり解決するかも……)
今までは、ロバートと仲良くしようとしていたから大変だっただけだ。嫌われていいのなら、何も問題ない。
(だって私、ロバート様にため息ばかりつかれているから。私が婚約解消を希望していると分かったら、ロバート様はきっと大喜びするわ)
二人の意見が一致していることに安心して、ディアナは再び眠りについた。
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