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その18
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材料は普通のパンケーキと然程変わらない。
卵黄と牛乳にヨーグルトを加える、そして薄力粉で混ぜ合わせる。
卵白は数回に分けて砂糖を加えながら、角が立つまで混ぜる。
そして薄力粉の方に卵黄を何回か分けて入れながら、丁寧に混ぜる。
混ぜ終えた生地を弱火のフライパンの上にこんもりと置いて、蓋をして4分ほど待つ。裏返して空いたところに、油を少しだけ足したらまた4分待つ。
フワフワで厚みのあるパンケーキを、中まで火が通るようにじっくり焼くのだ。
◇
「出来ました!」
ティーサロンの扉が開くと、オリヴィアが笑顔で報告してくれた。
甘い香りと共に現れた給仕が焼きたてのパンケーキを運ぶと、テーブルの各席に皿がおかれ、それだけでパンケーキはプルプルと震えるほどのしっとりとしたフワフワ加減だった。
「わぁ、プルプルですね!」
「プルプルなのです!」
ミシェルとエリーゼは互いに満面の笑みで、楽しそうに言い合う
パンケーキにはカルロスが作った、パンケーキに合う、滑らかなホイップクリームが添えられ、既にメイプルが上からかけられている。
パンケーキと共に置かれた、連なった三連の小皿にはそれぞれマーマレード、ブルーベリージャム、細かくしたクルミをお好みで足せるように用意した。
焼きたてが冷めぬ内に、神への祈りの言葉を口にしてから、それぞれがパンケーキを食し始めた。
「さっきのとはまた全然違った食感ですね」
「蕩けるようです!」
食べた途端次々に感想を言う騎士達。それに対しエフラムはすぐには食べず、脳内に焼き付けるようにパンケーキを凝視する。そして置いてあるカトラリーを手にすると美しい所作でパンケーキを切り分け、一口フォークで口に運ぶとゆっくりと味わった。
そして…。
「美味しい……」
と、全員が見守る中ポツリと零した。
「こんな美味しいパンケーキ……初めて食べた……」
「お、大袈裟ですわ、でもカルロスのお陰です。いつもとても丁寧に教えてくださるんですのよ」
「オリヴィアの手料理を食べれるなんて、何て僕はしあわせ者なんだ……こんなにも、素晴らしいオリヴィアの手料理を食べられるなんて。でも護衛騎士達は日頃オリヴィアの手料理を食べているのか……羨ましい…羨ましいすぎる。嗚呼、美味しい何て幸せ何だ」
『ちょっと怖いです殿下』と誰もが思ったが、そこはオリヴィアですら空気を読んだ。
フワフワパンケーキとは、口の中にいれてもなおフワフワであり、すぐに溶けてなくなる。
用意されたパンケーキを全て食べ終えた面々は、食後のお茶を飲みながら話しに花を咲かせていた。
「オリヴィア、とても美味しかった。本当にありがとう。どうか僕に今日のパンケーキのお礼をさせて頂けないだろうか?」
「お礼?そのようなお心遣い、大変恐縮に存じますわ。むしろ私の作ったスイーツを食べて頂けるだけで、私はとても幸せなのです。エフラム様、ありがとうございます」
微笑むオリヴィアに、エフラムも笑みを返す。
「…オリヴィア、感謝のつもりでも勿論あったんだけど、贈り物は元々するつもりで今日ここに来たんだ。というか、前からずっと考えていた」
「まぁ、そうなんですの?」
「うん。今はまだ暖かい季節だから、その羽が背中にあっても着れるドレスがあるようだけど、そのうち秋や冬になるでしょ?秋服や冬場服になると羽が邪魔で服が着れないんじゃないかと思って。
だからその前に、その羽があっても着れる秋用のドレスを作ろう。僕が贈るから。ぜひ僕からオリヴィアにプレゼントさせて欲しい」
言いながら真っ直ぐに見つめてくるエフラムの青い相貌から、オリヴィアは目が離せなかった。
卵黄と牛乳にヨーグルトを加える、そして薄力粉で混ぜ合わせる。
卵白は数回に分けて砂糖を加えながら、角が立つまで混ぜる。
そして薄力粉の方に卵黄を何回か分けて入れながら、丁寧に混ぜる。
混ぜ終えた生地を弱火のフライパンの上にこんもりと置いて、蓋をして4分ほど待つ。裏返して空いたところに、油を少しだけ足したらまた4分待つ。
フワフワで厚みのあるパンケーキを、中まで火が通るようにじっくり焼くのだ。
◇
「出来ました!」
ティーサロンの扉が開くと、オリヴィアが笑顔で報告してくれた。
甘い香りと共に現れた給仕が焼きたてのパンケーキを運ぶと、テーブルの各席に皿がおかれ、それだけでパンケーキはプルプルと震えるほどのしっとりとしたフワフワ加減だった。
「わぁ、プルプルですね!」
「プルプルなのです!」
ミシェルとエリーゼは互いに満面の笑みで、楽しそうに言い合う
パンケーキにはカルロスが作った、パンケーキに合う、滑らかなホイップクリームが添えられ、既にメイプルが上からかけられている。
パンケーキと共に置かれた、連なった三連の小皿にはそれぞれマーマレード、ブルーベリージャム、細かくしたクルミをお好みで足せるように用意した。
焼きたてが冷めぬ内に、神への祈りの言葉を口にしてから、それぞれがパンケーキを食し始めた。
「さっきのとはまた全然違った食感ですね」
「蕩けるようです!」
食べた途端次々に感想を言う騎士達。それに対しエフラムはすぐには食べず、脳内に焼き付けるようにパンケーキを凝視する。そして置いてあるカトラリーを手にすると美しい所作でパンケーキを切り分け、一口フォークで口に運ぶとゆっくりと味わった。
そして…。
「美味しい……」
と、全員が見守る中ポツリと零した。
「こんな美味しいパンケーキ……初めて食べた……」
「お、大袈裟ですわ、でもカルロスのお陰です。いつもとても丁寧に教えてくださるんですのよ」
「オリヴィアの手料理を食べれるなんて、何て僕はしあわせ者なんだ……こんなにも、素晴らしいオリヴィアの手料理を食べられるなんて。でも護衛騎士達は日頃オリヴィアの手料理を食べているのか……羨ましい…羨ましいすぎる。嗚呼、美味しい何て幸せ何だ」
『ちょっと怖いです殿下』と誰もが思ったが、そこはオリヴィアですら空気を読んだ。
フワフワパンケーキとは、口の中にいれてもなおフワフワであり、すぐに溶けてなくなる。
用意されたパンケーキを全て食べ終えた面々は、食後のお茶を飲みながら話しに花を咲かせていた。
「オリヴィア、とても美味しかった。本当にありがとう。どうか僕に今日のパンケーキのお礼をさせて頂けないだろうか?」
「お礼?そのようなお心遣い、大変恐縮に存じますわ。むしろ私の作ったスイーツを食べて頂けるだけで、私はとても幸せなのです。エフラム様、ありがとうございます」
微笑むオリヴィアに、エフラムも笑みを返す。
「…オリヴィア、感謝のつもりでも勿論あったんだけど、贈り物は元々するつもりで今日ここに来たんだ。というか、前からずっと考えていた」
「まぁ、そうなんですの?」
「うん。今はまだ暖かい季節だから、その羽が背中にあっても着れるドレスがあるようだけど、そのうち秋や冬になるでしょ?秋服や冬場服になると羽が邪魔で服が着れないんじゃないかと思って。
だからその前に、その羽があっても着れる秋用のドレスを作ろう。僕が贈るから。ぜひ僕からオリヴィアにプレゼントさせて欲しい」
言いながら真っ直ぐに見つめてくるエフラムの青い相貌から、オリヴィアは目が離せなかった。
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