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その34
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カフェの外観は白い壁と、店内の一部を外から見る事が出来る大きなガラス張り。ひろめの玄関口にも花や植物が飾られ、通りで一際華やかな一角となっていた。
店内はクリーム色の壁にグレイのテーブル、そして白や薄桃色の椅子が配置されている。
出来立てのカフェは外も中もオリヴィアの好みで、心が踊った。
流石に髪色を変えてからのお忍びデート風とはいえ、王子と聖女の外出である。違うテーブルの席についは、グレンと他の護衛も客として席に着いている。
「どれにしようか迷いますねっ」
「好きな物いくらでも頼んでいいよ」
エフラムは笑顔でいうが、それを聞いてもなおオリヴィアはメニュー表を食い入るように見つめて、頭を悩ませた。
「残してしまった事を考えてしまうと…」
「僕も頑張って食べるよ。取り敢えずいくつか注文して、まだ食べれそうなら追加で注文したらどうかな?後はお土産にしたらいいし」
「となると、移動時間を考慮してクリーム系をこちらで食べて、パイ系などは皆のお土産にしましょうか」
「食べたい物を頼んでね」
ドリンクメニューが表記されている部分に目を向けると、ドリンクも美味しそうな名前が並んでいる。ショコラミルクティーやキャラメルミルクティーにとてつもなく惹かれるが、今から大量に甘いケーキを胃袋に収める予定である。
飲み物まで甘い物を摂取するのは、舌と頭が混乱しそうなので、お口直しを兼ねてストレートティーを頼むことにした。
メニューを選んで、しばらくすると運ばれて来たのは、白いポットとケーキが三つ。
その一つは上から見ると生クリームの可愛らしいショートケーキだが、横から断面を確認すると、一番下はキウイ、その上からは順にオレンジの層、ブルーベリー、苺。このように層によって入っているフルーツが違う、ふんだんにフルーツを使った贅沢なケーキとなっていた。
「好きに食べてね」
「で、ではこちらから。頂きますっ」
オリヴィアはフルーツのケーキを倒さないように、半分に切ってから自分の皿へと移した。
そして更にフォークで一口サイズに切って、口へと運んだ。
見る見るアメジストの瞳が輝き、全身が歓喜に震えだす。その様子をエフラムは微笑みを浮かべながらずっと見守っていた。
「はっイケない!幸せすぎて羽が生えてきそうで怖いですっ…!そうだわっ」
オリヴィアは小袋を取り出し、更にその袋から謎の丸い粒を摘んで取り出した。
「もし町中で羽が生えてきそうになったら、これを食べて下さいって、ミオに貰ったのです」
「ミオって若い侍女の?」
「そうですわ」
オリヴィアは、その謎の薬の様な玉を素早く口に含んだ。その瞬間、紫水晶の眼を見開いた。
「酸っぱ!!!」
「お、オリヴィア!?」
エフラムはすかさずグラスに注がれた水をオリヴィアに差し出した。それを一気飲みしたオリヴィアは落ち着きを取り戻し、空になったグラスを握りしめた。
「こ、こここの世のありとあらゆる酸っぱさを詰め込んだような、呪いのような一品でした……」
「そんなに……」
店内はクリーム色の壁にグレイのテーブル、そして白や薄桃色の椅子が配置されている。
出来立てのカフェは外も中もオリヴィアの好みで、心が踊った。
流石に髪色を変えてからのお忍びデート風とはいえ、王子と聖女の外出である。違うテーブルの席についは、グレンと他の護衛も客として席に着いている。
「どれにしようか迷いますねっ」
「好きな物いくらでも頼んでいいよ」
エフラムは笑顔でいうが、それを聞いてもなおオリヴィアはメニュー表を食い入るように見つめて、頭を悩ませた。
「残してしまった事を考えてしまうと…」
「僕も頑張って食べるよ。取り敢えずいくつか注文して、まだ食べれそうなら追加で注文したらどうかな?後はお土産にしたらいいし」
「となると、移動時間を考慮してクリーム系をこちらで食べて、パイ系などは皆のお土産にしましょうか」
「食べたい物を頼んでね」
ドリンクメニューが表記されている部分に目を向けると、ドリンクも美味しそうな名前が並んでいる。ショコラミルクティーやキャラメルミルクティーにとてつもなく惹かれるが、今から大量に甘いケーキを胃袋に収める予定である。
飲み物まで甘い物を摂取するのは、舌と頭が混乱しそうなので、お口直しを兼ねてストレートティーを頼むことにした。
メニューを選んで、しばらくすると運ばれて来たのは、白いポットとケーキが三つ。
その一つは上から見ると生クリームの可愛らしいショートケーキだが、横から断面を確認すると、一番下はキウイ、その上からは順にオレンジの層、ブルーベリー、苺。このように層によって入っているフルーツが違う、ふんだんにフルーツを使った贅沢なケーキとなっていた。
「好きに食べてね」
「で、ではこちらから。頂きますっ」
オリヴィアはフルーツのケーキを倒さないように、半分に切ってから自分の皿へと移した。
そして更にフォークで一口サイズに切って、口へと運んだ。
見る見るアメジストの瞳が輝き、全身が歓喜に震えだす。その様子をエフラムは微笑みを浮かべながらずっと見守っていた。
「はっイケない!幸せすぎて羽が生えてきそうで怖いですっ…!そうだわっ」
オリヴィアは小袋を取り出し、更にその袋から謎の丸い粒を摘んで取り出した。
「もし町中で羽が生えてきそうになったら、これを食べて下さいって、ミオに貰ったのです」
「ミオって若い侍女の?」
「そうですわ」
オリヴィアは、その謎の薬の様な玉を素早く口に含んだ。その瞬間、紫水晶の眼を見開いた。
「酸っぱ!!!」
「お、オリヴィア!?」
エフラムはすかさずグラスに注がれた水をオリヴィアに差し出した。それを一気飲みしたオリヴィアは落ち着きを取り戻し、空になったグラスを握りしめた。
「こ、こここの世のありとあらゆる酸っぱさを詰め込んだような、呪いのような一品でした……」
「そんなに……」
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