むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス

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37話 終業式 予定の取り合い

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朝の教室は、どこか落ち着かない空気に包まれていた。
 窓から差し込む夏の光が、机や床を白く照らしている。

 昨日までの夏祭りの余韻が、まだクラスに残っている。

 健斗は席に座りながら、何度も同じ光景を思い出してしまう。

 浴衣の襟元。
 うなじにかかる髪。
 少しだけ近づいたときの、距離。

 思い出すだけで、体の奥がじんわりと熱くなる。

「……なんだこれ」

 自分で自分に呆れながら、健斗は視線を上げた。

 すると、何人かの女子と目が合う。

 橘。
 白石。
 そのほかのクラスメイトたち。

 目が合うと、すぐに逸らされる。
 けれど、そのあと少しだけ間が残る。

(……気のせい、だよな)

 何かが変わった気はする。
 でも、確信はない。

 ただ、昨日までと同じ教室なのに、空気だけが違って見えた。

終業式・体育館

 体育館は、夏の熱気がこもっていた。
 扇風機の風もほとんど役に立たず、制服の中にじんわりと汗がたまる。

 健斗は橘の近くに座る形になっていた。

 橘は軽く首元をあおぎながら、小さく息をつく。

「暑いね……」

 そう言ってこちらを見るだけで、なぜか胸の奥がざわつく。
 夏祭りのときの浴衣姿が一瞬、頭をよぎってしまい、健斗は慌てて視線を逸らした。

 その先に、白石がいた。

 白石は少しだけ姿勢を崩して座っていて、こちらに気づくと、気まずそうに小さく笑う。

「……なに見てるの?」

「い、いや、別に」

 言葉とは裏腹に、視線の行き場が定まらない自分に、健斗は内心で自己嫌悪する。

 校長の長い話が続く中、橘がそっと健斗のほうへ顔を寄せてきた。

「ねえ、夏休みさ……」

 小さな声で、囁くように言う。

「海、行かない?」

「え……?」

「水着、新しいの買ったんだ。ちょっと……自信あるやつ」

 悪戯っぽく微笑まれて、健斗は一瞬言葉を失った。

「……行く」

 そう答えると、橘は満足そうに目を細めた。

「決まりね。絶対だから」

教室に戻って

 終業式が終わり、教室に戻ると、一気に夏休みの空気に変わる。

「健斗くん」

 声をかけてきたのは白石だった。

「夏休み、予定ある? その……海とか……」

 頬を少し赤くして言う白石に、健斗は思わず言葉に詰まる。

「え、あ、いや、その……」

 そこへ橘が近づいてくる。

「健斗、さっきの話、忘れてないよね?」

 二人の視線が、同時に健斗に向けられる。

「え、えっと……」

 白石が驚いたように橘を見る。

「え……橘さんも、海?」

「うん。健斗と行く約束」

 一瞬、空気が張りつめる。

 白石は少しだけ唇を噛みしめてから、健斗を見た。

「……私も、行きたい」

 健斗は完全に混乱していた。

 誰か一人を選ぶつもりなど、今はまだなかった。

「み、みんなで……行こう」

 苦し紛れにそう言うと、二人は顔を見合わせ、少しだけ間を置いてから、同時に小さく頷いた。

「……それでもいい」

「うん。とりあえず、ね」

 こうして健斗の夏休みは、思っていたよりもずっと賑やかになりそうな予感を残したまま、始まろうとしていた。

放課後、健斗は昇降口で白石と並んで靴を履き替えていた。

「昨日の夏祭りさ……楽しかったね」

 白石は少し照れたように言う。

「うん……」

 短い会話なのに、不思議と間が持たない。

 外に出た瞬間、風が吹いた。

 白石のスカートの裾がふわりと揺れる。

 健斗は思わず視線を逸らそうとして――
 一瞬だけ、足元の方を見てしまった。

(……黒のなんか透けてた気がする。)

 すぐに顔を上げる。

 心臓が、無駄に大きく鳴る。

 清楚で大人しく見える白石が、実は少しだけ大胆な一面を持っている――
 そんなことを、ほんの一瞬感じ取ってしまった自分に、健斗は戸惑った。

「……健斗くん?」

「な、なんでもない!」

 白石は不思議そうに首を傾げる。

 二人はそのまま並んで歩き出す。

 立ち止まった拍子に、腕が軽く触れる。

 互いに一瞬だけ固まり、すぐに離れる。

 沈黙。

 でも、その沈黙は気まずいだけではなく、どこか甘かった。

「……昨日、健斗くんと一緒に歩いたの、嬉しかった」

 白石は前を向いたまま、小さく言う。

「また……一緒に行こうね」

「……うん」

 それ以上は、何も言えなかった。

 けれど健斗は、この夏がただの夏休みで終わらないことだけは、なんとなく分かってしまった。
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