26 / 195
ブルーバーグ侯爵夫人side①
しおりを挟む
「あの。スティールが帰国したのよ」
待ち合わせたカフェの一室で、先日の婚約破棄の一件を謝罪したエリザベスが遠慮がちに話を切り出した。
彼女はテンネル侯爵夫人。わたくしシャロンの娘フローラと婚約解消したエドガーの母親でスティールは次男に当たる。
金髪に空色の瞳。きれいな顔が今日はくすんで見えた。頬も少しこけたかしら? いつもの元気溌溂とした覇気がないわ。
あれだけの大失態を息子がやらかしたのだから、当たり前よね。少しは反省してもらわないと困るわ。
フローラとの婚約が成立してから、二、三か月に一度の割合でお互いの家を行き来したり、レストランやカフェで食事をしながら母親同士の親交を深めていた。わりと気も合ったから楽しかったのだけれど。それも今日でお終いかもしれないわね。
「そう。でも留学期間はまだあるのではなかったかしら?」
隣国の全寮制の学院に入学して成績も優秀だとか聞いていたけれど。
「ええ。そうだったけれど、エドガーのことがあったでしょう? だから至急帰ってくるように連絡したのよ。今週帰国して、王立学園への編入手続きも済ませたから、来週から登校することになったわ」
「そう」
「それで、スティールのことを考えてくれないかしら? もちろんエドガーのことがあったばかりで、申し訳ないけれど、フローラさんを傷つけたことはお詫びします。本当に図々しいお願いだと思っている。けれど、このまま契約解消になったら計画がすべてが水の泡になってしまうわ。だからどうかお願いします」
エリザベスはテーブルに頭をこすり付けんばかりに何度も頭を下げる。
気持ちはわかるわ。
二人の結婚まで一年を切っていたし、結婚後の本格的な始動のために着々と準備は進められていたものね。
「エドガーさんはどうするの?」
「あの子は廃嫡して、スティールに後を継がせようと思っているの。わたしたちはフローラさんとの結婚はスティールを望んでいたでしょう? だから、これを機に元に戻せないかと思って」
エリザベスは一縷の望みをスティールに託しているのでしょう。
わたくしもそう思っていたから、随分と主人にも話をしたけれども、聞き入れられなかったのよね。
男ってなんであんなに嫡男にこだわるのかしら?
エドガーは自信過剰が故の傲慢さが見え隠れしていて好きになれなかったのよね。人前ではそつなくやっているように見えても、隠しきれないものがあるのね。きれいな顔をしているのに、時々感じる人を見下げるような冷たい目が気になっていた。
幼い頃には神童と評判でかなり優秀だと聞いていたけれど、それも入学した前期まで、後期からどんどん成績が落ちていって今では最下位クラス。性格が悪いうえに成績まで悪いなんて目も当てられない。容姿だけがいいなんてマイナスにしかならないわ。
その反対に、スティールは茶色の髪に青い瞳で目立った容姿ではなかったけれど、おとなしくてしっかりしていて勉強もこつこつと頑張るような努力家で、隣国の最難関の学院に合格した優秀な子供だった。
スティールの方が好感度が高かったのよ。愛する娘を嫁がせるのですもの。嫡男云々より性格が大事でしょう。
「エドガーさんのお相手の男爵令嬢はどうするの?」
「リリアさんね。結婚させるつもりよ。どうしても一緒になりたいと土下座までするのですもの。卒業したら本人に廃嫡を告げて、辺境の領地へ押し込めるわ。そしてスティールを後継者として発表するつもりよ」
「そうなのね。そこまで決断しているのね」
スティールのことを認めさせようと必死ね。
それもこれもフローラのブランド力が高いのを知ってるからよね。ローナの栽培成功で有名なフローラの名前で展開する商品、企画がいくつもあるから、それを全部撤退すればどれだけの損失、収入減が出るかわからないものね。
「エドガーはフローラさんには近づけないわ。だから、どうかスティールのことお願いできないかしら」
縋りつくように丁重に懇願されても今となっては難しいわ。せっかく帰国してもらっても、無駄になるんじゃないかしら。せめてフローラの気持ちを大事にしてほしかったわね。
「そうねえ。フローラはあんなことがあったから、ショックを受けていてね。結婚のことは考えらないって言ってるの。心の傷が癒えるまでわたくしたちもこのことには触れないようにしているのよ」
わたくしの言葉にエリザベスの顔が青ざめたのを通り越して、真っ白になってるわ。
ここまで言っておけば、結婚話も消えるでしょう。
結婚に消極的なのは事実だし、エドガーとリリアのことはショックを受けるどころか祝福してたけど、これは言わずともいいわね。フローラは優しすぎるのよ。
「それと、わたくしは当主ではないから何事も決定権はないのよ。ごめんなさい」
わたくしは一言謝ると席を立ち、色を失くして力なく項垂れるエリザベスに一礼してカフェを出た。
テンネル家は知らなかったかもしれないけれど、わたくしはフローラがエドガーからどんな仕打ちを受けていたか知っていましたからね。どこで婚約破棄をしようかと相談しているところだったのよ。
結果オーライでこちらが手を出すことなく勝手に自爆してくれて良かった。主人にそのことを話したら激怒していたわ。当たり前よね。
研究の合間に真面目に誠実にテンネル家のために働いていたフローラをぞんざいに扱って虚仮にしたのよ。
それ相応の報いは受けるべき。これからそれがわかるでしょう。ブルーバーグ侯爵家を見くびらないことね。
ということで、契約も早々に解消してテンネル家とは縁を切って、うちから派遣している職人たちも撤退させなきゃね。
「さて、今日はどこのケーキ屋さんに寄ろうかしら? お気に入りのお店がいくつもあるから迷うわあ。お店のを買うのもよいけれど……そうよ。どうせなら、自分好みのお店を作るのもいいのではないかしら。自分の好きなものしか置いてないお店。今まで思いつかなかったけど、これってなかなか名案じゃない?」
馬車の中でわたくしは悦に入り自画自賛しながら家路を急いだのだった。
待ち合わせたカフェの一室で、先日の婚約破棄の一件を謝罪したエリザベスが遠慮がちに話を切り出した。
彼女はテンネル侯爵夫人。わたくしシャロンの娘フローラと婚約解消したエドガーの母親でスティールは次男に当たる。
金髪に空色の瞳。きれいな顔が今日はくすんで見えた。頬も少しこけたかしら? いつもの元気溌溂とした覇気がないわ。
あれだけの大失態を息子がやらかしたのだから、当たり前よね。少しは反省してもらわないと困るわ。
フローラとの婚約が成立してから、二、三か月に一度の割合でお互いの家を行き来したり、レストランやカフェで食事をしながら母親同士の親交を深めていた。わりと気も合ったから楽しかったのだけれど。それも今日でお終いかもしれないわね。
「そう。でも留学期間はまだあるのではなかったかしら?」
隣国の全寮制の学院に入学して成績も優秀だとか聞いていたけれど。
「ええ。そうだったけれど、エドガーのことがあったでしょう? だから至急帰ってくるように連絡したのよ。今週帰国して、王立学園への編入手続きも済ませたから、来週から登校することになったわ」
「そう」
「それで、スティールのことを考えてくれないかしら? もちろんエドガーのことがあったばかりで、申し訳ないけれど、フローラさんを傷つけたことはお詫びします。本当に図々しいお願いだと思っている。けれど、このまま契約解消になったら計画がすべてが水の泡になってしまうわ。だからどうかお願いします」
エリザベスはテーブルに頭をこすり付けんばかりに何度も頭を下げる。
気持ちはわかるわ。
二人の結婚まで一年を切っていたし、結婚後の本格的な始動のために着々と準備は進められていたものね。
「エドガーさんはどうするの?」
「あの子は廃嫡して、スティールに後を継がせようと思っているの。わたしたちはフローラさんとの結婚はスティールを望んでいたでしょう? だから、これを機に元に戻せないかと思って」
エリザベスは一縷の望みをスティールに託しているのでしょう。
わたくしもそう思っていたから、随分と主人にも話をしたけれども、聞き入れられなかったのよね。
男ってなんであんなに嫡男にこだわるのかしら?
エドガーは自信過剰が故の傲慢さが見え隠れしていて好きになれなかったのよね。人前ではそつなくやっているように見えても、隠しきれないものがあるのね。きれいな顔をしているのに、時々感じる人を見下げるような冷たい目が気になっていた。
幼い頃には神童と評判でかなり優秀だと聞いていたけれど、それも入学した前期まで、後期からどんどん成績が落ちていって今では最下位クラス。性格が悪いうえに成績まで悪いなんて目も当てられない。容姿だけがいいなんてマイナスにしかならないわ。
その反対に、スティールは茶色の髪に青い瞳で目立った容姿ではなかったけれど、おとなしくてしっかりしていて勉強もこつこつと頑張るような努力家で、隣国の最難関の学院に合格した優秀な子供だった。
スティールの方が好感度が高かったのよ。愛する娘を嫁がせるのですもの。嫡男云々より性格が大事でしょう。
「エドガーさんのお相手の男爵令嬢はどうするの?」
「リリアさんね。結婚させるつもりよ。どうしても一緒になりたいと土下座までするのですもの。卒業したら本人に廃嫡を告げて、辺境の領地へ押し込めるわ。そしてスティールを後継者として発表するつもりよ」
「そうなのね。そこまで決断しているのね」
スティールのことを認めさせようと必死ね。
それもこれもフローラのブランド力が高いのを知ってるからよね。ローナの栽培成功で有名なフローラの名前で展開する商品、企画がいくつもあるから、それを全部撤退すればどれだけの損失、収入減が出るかわからないものね。
「エドガーはフローラさんには近づけないわ。だから、どうかスティールのことお願いできないかしら」
縋りつくように丁重に懇願されても今となっては難しいわ。せっかく帰国してもらっても、無駄になるんじゃないかしら。せめてフローラの気持ちを大事にしてほしかったわね。
「そうねえ。フローラはあんなことがあったから、ショックを受けていてね。結婚のことは考えらないって言ってるの。心の傷が癒えるまでわたくしたちもこのことには触れないようにしているのよ」
わたくしの言葉にエリザベスの顔が青ざめたのを通り越して、真っ白になってるわ。
ここまで言っておけば、結婚話も消えるでしょう。
結婚に消極的なのは事実だし、エドガーとリリアのことはショックを受けるどころか祝福してたけど、これは言わずともいいわね。フローラは優しすぎるのよ。
「それと、わたくしは当主ではないから何事も決定権はないのよ。ごめんなさい」
わたくしは一言謝ると席を立ち、色を失くして力なく項垂れるエリザベスに一礼してカフェを出た。
テンネル家は知らなかったかもしれないけれど、わたくしはフローラがエドガーからどんな仕打ちを受けていたか知っていましたからね。どこで婚約破棄をしようかと相談しているところだったのよ。
結果オーライでこちらが手を出すことなく勝手に自爆してくれて良かった。主人にそのことを話したら激怒していたわ。当たり前よね。
研究の合間に真面目に誠実にテンネル家のために働いていたフローラをぞんざいに扱って虚仮にしたのよ。
それ相応の報いは受けるべき。これからそれがわかるでしょう。ブルーバーグ侯爵家を見くびらないことね。
ということで、契約も早々に解消してテンネル家とは縁を切って、うちから派遣している職人たちも撤退させなきゃね。
「さて、今日はどこのケーキ屋さんに寄ろうかしら? お気に入りのお店がいくつもあるから迷うわあ。お店のを買うのもよいけれど……そうよ。どうせなら、自分好みのお店を作るのもいいのではないかしら。自分の好きなものしか置いてないお店。今まで思いつかなかったけど、これってなかなか名案じゃない?」
馬車の中でわたくしは悦に入り自画自賛しながら家路を急いだのだった。
7
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された聖女リリアナの庭には、ちょっと変わった来訪者しか来ません。』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
王都から少し離れた小高い丘の上。
そこには、聖女リリアナの庭と呼ばれる不思議な場所がある。
──けれど、誰もがたどり着けるわけではない。
恋するルミナ五歳、夢みるルーナ三歳。
ふたりはリリアナの庭で、今日もやさしい魔法を育てています。
この庭に来られるのは、心がちょっぴりさびしい人だけ。
まほうに傷ついた王子さま、眠ることでしか気持ちを伝えられない子、
そして──ほんとうは泣きたかった小さな精霊たち。
お姉ちゃんのルミナは、花を咲かせる明るい音楽のまほうつかい。
ちょっとだけ背伸びして、だいすきな人に恋をしています。
妹のルーナは、ねむねむ魔法で、夢の中を旅するやさしい子。
ときどき、だれかの心のなかで、静かに花を咲かせます。
ふたりのまほうは、まだ小さくて、でもあたたかい。
「だいすきって気持ちは、
きっと一番すてきなまほうなの──!」
風がふくたびに、花がひらき、恋がそっと実る。
これは、リリアナの庭で育つ、
小さなまほうつかいたちの恋と夢の物語です。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
冷徹侯爵の契約妻ですが、ざまぁの準備はできています
鍛高譚
恋愛
政略結婚――それは逃れられぬ宿命。
伯爵令嬢ルシアーナは、冷徹と名高いクロウフォード侯爵ヴィクトルのもとへ“白い結婚”として嫁ぐことになる。
愛のない契約、形式だけの夫婦生活。
それで十分だと、彼女は思っていた。
しかし、侯爵家には裏社会〈黒狼〉との因縁という深い闇が潜んでいた。
襲撃、脅迫、謀略――次々と迫る危機の中で、
ルシアーナは自分がただの“飾り”で終わることを拒む。
「この結婚をわたしの“負け”で終わらせませんわ」
財務の才と冷静な洞察を武器に、彼女は黒狼との攻防に踏み込み、
やがて侯爵をも驚かせる一手を放つ。
契約から始まった関係は、いつしか互いの未来を揺るがすものへ――。
白い結婚の裏で繰り広げられる、
“ざまぁ”と逆転のラブストーリー、いま開幕。
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
元お助けキャラ、死んだと思ったら何故か孫娘で悪役令嬢に憑依しました!?
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界にお助けキャラとして転生したリリアン。
無事ヒロインを王太子とくっつけ、自身も幼馴染と結婚。子供や孫にも恵まれて幸せな生涯を閉じた……はずなのに。
目覚めると、何故か孫娘マリアンヌの中にいた。
マリアンヌは続編ゲームの悪役令嬢で第二王子の婚約者。
婚約者と仲の悪かったマリアンヌは、学園の階段から落ちたという。
その婚約者は中身がリリアンに変わった事に大喜びで……?!
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる