108 / 195
第二部
遠い告白Ⅱ
しおりを挟む
ざわざわと騒めく観衆達。
手を取られてホールの中央へ。何組ものカップルが楽しそうにダンスを踊っています。
「私でよかったのですか? ご令嬢達が順番を待っていらっしゃったようですが」
よく考えれば、ダンス待ちの列から外れたところにいたので、その資格はないような気がします。見向きもされなかった令嬢達の中には不服そうな顔した方が何人かいました。ファーストダンスのあとは誰と踊っても自由ではあるのですけれど。
「ローラと踊りたかったからね。苦手なダンスも練習したんだ」
「!」
なんと答えたらいいのでしょう。
ドキドキとした胸の鼓動が抑えきれません。顔、赤くなってないかしら?
「あの……レイ様はダンスが苦手なのですか?」
おずおずと切り出すと
「うん。苦手、というより嫌いだったな」
嫌い? ちょっと予想外の答えが帰ってきました。
ダンスは王族にとっても貴族にとっても必修項目。ダンスのスキルは大事です。人間ですから、苦手なものや嫌いなものがあっても不思議ではないですが、レイ様にも当てはまるとは思いませんでした。
私も得意かと聞かれれば否ですけれど。人のことは言えませんね。
「ビビアン様とは上手に踊っていらっしゃいました」
軽々と優雅に微笑んで……とても、素敵だった。嫌いなダンスとはとても思えなかったわ。
「必死だったんだよ。一応、王子だし、みっともないところは見せられないからね。頑張ったんだ。褒めてくれる?」
レイ様。
「……素敵でした。流麗なダンスで見惚れてしまいました」
胸がいっぱいになりながら、素直な感想を述べました。
「ちょっと、褒めすぎ? でも、ローラに褒められると頑張ってよかったと思えるよ。本当に嬉しいな」
破顔一笑したレイ様が眩しくて胸がときめいてうるっと来てしまいます。
それからは夢心地。
レイ様のリードは完璧で難しい曲にも難なく乗って本当に軽やかでした。私のダンスのスキルが上がったと勘違いしそうなくらいに華麗なリードと足さばきです。
豪奢なシャンデリアが光を反射してキラキラと輝く中、クルクルとターンをするたびにピーコックグリーンのドレスの裾が翻る。時折、レイ様が耳元で囁いて、私の笑みを誘います。
そんな様子さえ楽しくて幸せでこの時間がずっと続けばよいのにと思ったくらい。夢のような時間はあっという間。曲が終わりダンスも終焉を迎えました。
「もう一曲、踊りたいな」
私も同じです。レイ様と踊りたい。
「また、この次に」
令嬢達が待っています。独り占めするわけにはいけませんものね。
夢から覚めて現実に立ち返ると一令嬢の我儘は押し通せません。レイ様のためにも身を引くのも必要でしょうから。
「そうか。残念だな。その代わり、あとで会ってくれる? 話がしたいんだ」
交換条件?
スッと真顔になったレイ様に断る理由もないので承諾しました。
祝賀会は宴もたけなわ。会場は祝福ムードに包まれて盛り上がっています。
レイ様は次の令嬢とダンスを始めるようです。歓声が上がり順番を待つ令嬢達がウキウキしているように見えました。ハートマークのキラキラした瞳でダンスを踊る令嬢。うっとりと見つめる令嬢達。
レイ様って、本当にモテるのね。
自分だけのレイ様でないのは当たり前のことだったのに、今まで気づかなかった私ってどれだけ鈍いのかしら。レイ様は第三王子殿下。誰だって選べる立場。仲良くして頂いたのが奇跡のようなもの。
寂しい気持ちを抱えつつ、レイ様を遠くに眺めていると不意に声がかかりました。
「ブルーバーグ侯爵令嬢。テンネル侯爵家が次男スティールと申します。ぼくと踊っていただけませんか?」
テンネル侯爵家?
驚きに目を瞬かせていると彼からフッと微苦笑が漏れました。
「やっぱり、覚えてませんよね?」
図星を刺されて返答に困りました。会ったのは一回か二回くらい? 挨拶をした程度で顔を覚えるには機会も少なすぎました。確か、隣国に留学されたと聞いていたのですが、一時的に帰国されたのかしら?
「すみません」
「いいんですよ。挨拶程度では覚える暇もなかったでしょうからね。踊っていただけますか?」
黒縁の眼鏡の奥から覗く穏やかな青い瞳。波打つ栗色の髪。人目を惹く容姿ではないけれど、人柄の良さを現わしているような柔和な面立ち。
エドガー様とは性質が正反対な印象を受けました。
「はい」
元婚約者の弟。微妙な立ち位置ですが、彼に悪印象はありませんし、婚約解消した今は他人ですから受けても問題はないでしょう。
「兄のことはすみませんでした」
スティール様の突然の謝罪に足が止まってしまい、つんのめりそうになった私を彼が支えてくれました。
「ありがとうございます」
ダンスの途中で転びそうになるなんて恥ずかしいわ。
「いえ。それよりも大丈夫でしたか? どこか痛めませんでしたか?」
「大丈夫です。どこも痛いところはありませんわ」
ちょっとつまずいただけですし、すぐに受け止めてくれたので大事に至らずにすみました。
「よかった」
心底ほっとしたように微笑んだスティール様はとても優しい方なのでしょう。
もしも、エドガー様が彼のような性格だったら、もしかしたら、私達は上手くいっていたかもしれません。たらればを考えても、現実は現実ですものね。変わることはありません。
ふとよぎった想像をすぐに打ち消しました。
「エドガー様のことで謝る必要はありませんわ。すでに両家で解決したことですから」
「そうでしたね。余計な事でした」
音楽はまだ続いています。私達はダンスを再開することにしました。
こんなに婚約解消の件が立て続くと気分が滅入ってしまいます。それはやはり私が傷物だから?
ネガティブな気持ちに引きずられるのを払拭させたくて、スティール様に話しかけました。
「スティール様は留学していらっしゃるのですよね?」
「ええ。してましたよ。今はこちらの学園に編入しています」
「そうだったのですか?」
知らなかったわ。
「でも、新学期には再編入する予定でいます。あちらの方が僕には合うようなので」
「そうなんですね。よければお話を聞かせてもらえますか?」
踊ることに専念した方がよいのでしょうが、ポジティブな気分に浸りたくて、留学の話を聞きたくなりました。
「いいですよ。何から話しましょうか」
快く引き受けてくれたスティール様は温和な話し方がとても好印象で、留学の話に興味は尽きず、ユーモアたっぷりなエピソードも楽しくて、短い時間でしたが、有意義なひとときとなりました。
手を取られてホールの中央へ。何組ものカップルが楽しそうにダンスを踊っています。
「私でよかったのですか? ご令嬢達が順番を待っていらっしゃったようですが」
よく考えれば、ダンス待ちの列から外れたところにいたので、その資格はないような気がします。見向きもされなかった令嬢達の中には不服そうな顔した方が何人かいました。ファーストダンスのあとは誰と踊っても自由ではあるのですけれど。
「ローラと踊りたかったからね。苦手なダンスも練習したんだ」
「!」
なんと答えたらいいのでしょう。
ドキドキとした胸の鼓動が抑えきれません。顔、赤くなってないかしら?
「あの……レイ様はダンスが苦手なのですか?」
おずおずと切り出すと
「うん。苦手、というより嫌いだったな」
嫌い? ちょっと予想外の答えが帰ってきました。
ダンスは王族にとっても貴族にとっても必修項目。ダンスのスキルは大事です。人間ですから、苦手なものや嫌いなものがあっても不思議ではないですが、レイ様にも当てはまるとは思いませんでした。
私も得意かと聞かれれば否ですけれど。人のことは言えませんね。
「ビビアン様とは上手に踊っていらっしゃいました」
軽々と優雅に微笑んで……とても、素敵だった。嫌いなダンスとはとても思えなかったわ。
「必死だったんだよ。一応、王子だし、みっともないところは見せられないからね。頑張ったんだ。褒めてくれる?」
レイ様。
「……素敵でした。流麗なダンスで見惚れてしまいました」
胸がいっぱいになりながら、素直な感想を述べました。
「ちょっと、褒めすぎ? でも、ローラに褒められると頑張ってよかったと思えるよ。本当に嬉しいな」
破顔一笑したレイ様が眩しくて胸がときめいてうるっと来てしまいます。
それからは夢心地。
レイ様のリードは完璧で難しい曲にも難なく乗って本当に軽やかでした。私のダンスのスキルが上がったと勘違いしそうなくらいに華麗なリードと足さばきです。
豪奢なシャンデリアが光を反射してキラキラと輝く中、クルクルとターンをするたびにピーコックグリーンのドレスの裾が翻る。時折、レイ様が耳元で囁いて、私の笑みを誘います。
そんな様子さえ楽しくて幸せでこの時間がずっと続けばよいのにと思ったくらい。夢のような時間はあっという間。曲が終わりダンスも終焉を迎えました。
「もう一曲、踊りたいな」
私も同じです。レイ様と踊りたい。
「また、この次に」
令嬢達が待っています。独り占めするわけにはいけませんものね。
夢から覚めて現実に立ち返ると一令嬢の我儘は押し通せません。レイ様のためにも身を引くのも必要でしょうから。
「そうか。残念だな。その代わり、あとで会ってくれる? 話がしたいんだ」
交換条件?
スッと真顔になったレイ様に断る理由もないので承諾しました。
祝賀会は宴もたけなわ。会場は祝福ムードに包まれて盛り上がっています。
レイ様は次の令嬢とダンスを始めるようです。歓声が上がり順番を待つ令嬢達がウキウキしているように見えました。ハートマークのキラキラした瞳でダンスを踊る令嬢。うっとりと見つめる令嬢達。
レイ様って、本当にモテるのね。
自分だけのレイ様でないのは当たり前のことだったのに、今まで気づかなかった私ってどれだけ鈍いのかしら。レイ様は第三王子殿下。誰だって選べる立場。仲良くして頂いたのが奇跡のようなもの。
寂しい気持ちを抱えつつ、レイ様を遠くに眺めていると不意に声がかかりました。
「ブルーバーグ侯爵令嬢。テンネル侯爵家が次男スティールと申します。ぼくと踊っていただけませんか?」
テンネル侯爵家?
驚きに目を瞬かせていると彼からフッと微苦笑が漏れました。
「やっぱり、覚えてませんよね?」
図星を刺されて返答に困りました。会ったのは一回か二回くらい? 挨拶をした程度で顔を覚えるには機会も少なすぎました。確か、隣国に留学されたと聞いていたのですが、一時的に帰国されたのかしら?
「すみません」
「いいんですよ。挨拶程度では覚える暇もなかったでしょうからね。踊っていただけますか?」
黒縁の眼鏡の奥から覗く穏やかな青い瞳。波打つ栗色の髪。人目を惹く容姿ではないけれど、人柄の良さを現わしているような柔和な面立ち。
エドガー様とは性質が正反対な印象を受けました。
「はい」
元婚約者の弟。微妙な立ち位置ですが、彼に悪印象はありませんし、婚約解消した今は他人ですから受けても問題はないでしょう。
「兄のことはすみませんでした」
スティール様の突然の謝罪に足が止まってしまい、つんのめりそうになった私を彼が支えてくれました。
「ありがとうございます」
ダンスの途中で転びそうになるなんて恥ずかしいわ。
「いえ。それよりも大丈夫でしたか? どこか痛めませんでしたか?」
「大丈夫です。どこも痛いところはありませんわ」
ちょっとつまずいただけですし、すぐに受け止めてくれたので大事に至らずにすみました。
「よかった」
心底ほっとしたように微笑んだスティール様はとても優しい方なのでしょう。
もしも、エドガー様が彼のような性格だったら、もしかしたら、私達は上手くいっていたかもしれません。たらればを考えても、現実は現実ですものね。変わることはありません。
ふとよぎった想像をすぐに打ち消しました。
「エドガー様のことで謝る必要はありませんわ。すでに両家で解決したことですから」
「そうでしたね。余計な事でした」
音楽はまだ続いています。私達はダンスを再開することにしました。
こんなに婚約解消の件が立て続くと気分が滅入ってしまいます。それはやはり私が傷物だから?
ネガティブな気持ちに引きずられるのを払拭させたくて、スティール様に話しかけました。
「スティール様は留学していらっしゃるのですよね?」
「ええ。してましたよ。今はこちらの学園に編入しています」
「そうだったのですか?」
知らなかったわ。
「でも、新学期には再編入する予定でいます。あちらの方が僕には合うようなので」
「そうなんですね。よければお話を聞かせてもらえますか?」
踊ることに専念した方がよいのでしょうが、ポジティブな気分に浸りたくて、留学の話を聞きたくなりました。
「いいですよ。何から話しましょうか」
快く引き受けてくれたスティール様は温和な話し方がとても好印象で、留学の話に興味は尽きず、ユーモアたっぷりなエピソードも楽しくて、短い時間でしたが、有意義なひとときとなりました。
3
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄された聖女リリアナの庭には、ちょっと変わった来訪者しか来ません。』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
王都から少し離れた小高い丘の上。
そこには、聖女リリアナの庭と呼ばれる不思議な場所がある。
──けれど、誰もがたどり着けるわけではない。
恋するルミナ五歳、夢みるルーナ三歳。
ふたりはリリアナの庭で、今日もやさしい魔法を育てています。
この庭に来られるのは、心がちょっぴりさびしい人だけ。
まほうに傷ついた王子さま、眠ることでしか気持ちを伝えられない子、
そして──ほんとうは泣きたかった小さな精霊たち。
お姉ちゃんのルミナは、花を咲かせる明るい音楽のまほうつかい。
ちょっとだけ背伸びして、だいすきな人に恋をしています。
妹のルーナは、ねむねむ魔法で、夢の中を旅するやさしい子。
ときどき、だれかの心のなかで、静かに花を咲かせます。
ふたりのまほうは、まだ小さくて、でもあたたかい。
「だいすきって気持ちは、
きっと一番すてきなまほうなの──!」
風がふくたびに、花がひらき、恋がそっと実る。
これは、リリアナの庭で育つ、
小さなまほうつかいたちの恋と夢の物語です。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
冷徹侯爵の契約妻ですが、ざまぁの準備はできています
鍛高譚
恋愛
政略結婚――それは逃れられぬ宿命。
伯爵令嬢ルシアーナは、冷徹と名高いクロウフォード侯爵ヴィクトルのもとへ“白い結婚”として嫁ぐことになる。
愛のない契約、形式だけの夫婦生活。
それで十分だと、彼女は思っていた。
しかし、侯爵家には裏社会〈黒狼〉との因縁という深い闇が潜んでいた。
襲撃、脅迫、謀略――次々と迫る危機の中で、
ルシアーナは自分がただの“飾り”で終わることを拒む。
「この結婚をわたしの“負け”で終わらせませんわ」
財務の才と冷静な洞察を武器に、彼女は黒狼との攻防に踏み込み、
やがて侯爵をも驚かせる一手を放つ。
契約から始まった関係は、いつしか互いの未来を揺るがすものへ――。
白い結婚の裏で繰り広げられる、
“ざまぁ”と逆転のラブストーリー、いま開幕。
異世界転生公爵令嬢は、オタク知識で世界を救う。
ふわふわ
恋愛
過労死したオタク女子SE・桜井美咲は、アストラル王国の公爵令嬢エリアナとして転生。
前世知識フル装備でEDTA(重金属解毒)、ペニシリン、輸血、輪作・土壌改良、下水道整備、時計や文字の改良まで――「ラノベで読んだ」「ゲームで見た」を現実にして、疫病と貧困にあえぐ世界を丸ごとアップデートしていく。
婚約破棄→ザマァから始まり、医学革命・農業革命・衛生革命で「狂気のお嬢様」呼ばわりから一転“聖女様”に。
国家間の緊張が高まる中、平和のために隣国アリディアの第一王子レオナルド(5歳→6歳)と政略婚約→結婚へ。
無邪気で健気な“甘えん坊王子”に日々萌え悶えつつも、彼の未来の王としての成長を支え合う「清らかで温かい夫婦日常」と「社会を良くする小さな革命」を描く、爽快×癒しの異世界恋愛ザマァ物語。
元お助けキャラ、死んだと思ったら何故か孫娘で悪役令嬢に憑依しました!?
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界にお助けキャラとして転生したリリアン。
無事ヒロインを王太子とくっつけ、自身も幼馴染と結婚。子供や孫にも恵まれて幸せな生涯を閉じた……はずなのに。
目覚めると、何故か孫娘マリアンヌの中にいた。
マリアンヌは続編ゲームの悪役令嬢で第二王子の婚約者。
婚約者と仲の悪かったマリアンヌは、学園の階段から落ちたという。
その婚約者は中身がリリアンに変わった事に大喜びで……?!
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
「無加護」で孤児な私は追い出されたのでのんびりスローライフ生活!…のはずが精霊王に甘く溺愛されてます!?
白井
恋愛
誰もが精霊の加護を受ける国で、リリアは何の精霊の加護も持たない『無加護』として生まれる。
「魂の罪人め、呪われた悪魔め!」
精霊に嫌われ、人に石を投げられ泥まみれ孤児院ではこき使われてきた。
それでも生きるしかないリリアは決心する。
誰にも迷惑をかけないように、森でスローライフをしよう!
それなのに―……
「麗しき私の乙女よ」
すっごい美形…。えっ精霊王!?
どうして無加護の私が精霊王に溺愛されてるの!?
森で出会った精霊王に愛され、リリアの運命は変わっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる