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ヤミイ

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「いい子ちゃんね」
 笑いを含んだ口調で、ジュリが言った。
「よく言えたわ。じゃ、これがご褒美よ」
 くちゅっ。
 人差し指を中心に突っ込まれ、僕の肛門がねちゃついた音を立てた。
「あんっ」
 少女のように甘い声が漏れてしまった。
「やだ、何かしら、このお汁」
 くちゅくちゅくちゅっ。
 入口付近を攪拌しながら、ジュリが訊く。
「いっぱい出てくるけど、これの正体、おまえの口から教えてくれない?」
「肛門、汁・・・」
 左の頬を床に押しつけ、せわしなく乳首を愛撫しながら、僕は答えた。
「ボクの恥ずかしい、肛門から出る淫汁です・・・」
「そうだったわね。そういえば、兄貴とおまえは、虐められるとここからお汁が漏れるんだったわね。でも、こんなの普通、アヌスから出たりしないわ。女性のヴァギナなら、まだわかるけど。なのに、おまえたちは、どうしてなの?」
 にゅるり。
 ジュリの指の腹が、肛門の内側を撫でまわす。
 たまらず括約筋がキュッと締まって、その指に吸いついた。
「それは、ボクと先生が、その、変態性欲者だから・・・」
 前立腺に達するまでのさまざまな愛撫を受け続けているうちに、本来なら尿道から分泌されるべきカウパー腺液が、一部、直腸壁を通して肛門にまで滲むようになってしまったのだろう。
「おまえの学校のクラスメイトや先生にも、見せてあげたいわよね。この浅ましい姿」
 ジュリが吐き捨てるように言い、予想外の行動に出た。
「はうあっ」
 僕はのけぞった。
 尾てい骨に雷が落ちたような衝撃が背筋を駆け抜ける。
 ジュリが僕の亀頭を口に含んだかと思うと、いきなり前歯で噛んだのだ。
 更に、雁首の下を前歯で噛むと同時に、空いている左手でぶらんと垂れ下がった陰嚢を掴んできたのである。
 ジュリは右手の指を僕の肛門に突き刺し、左手で陰嚢を揉みしだき、前歯で亀頭を噛んでいる。 
 陰嚢を真下に強く引っ張りながら、じゅぶじゅぶと指を肛門に出し入れし、グリグリと亀頭の頸に歯を立てる。
「ああっ、ああっ、あああっ」
 僕は、己の指でおのれの勃起乳首を思いきり弄り回さずにはいられない。
 これが教室の教卓の上だったら・・・。
 ジュリの言葉からそんな妄想が脳裏に浮かび、僕は背徳感と恥辱に激烈に興奮する。
 授業中、教卓の上に全裸で四つん這いになって快感に喘ぐ僕。
 先生に肛門とペニスと陰嚢を弄り回されてすすり泣く僕を、皆が好奇に満ちたまなざしでじっと見つめている。
 思えば小学校高学年で蒲団に忍び込んできた父に悪戯され、その道に目覚めて以来、僕は凌辱に喘ぐ自分を他人に見せたいという欲望と戦ってきたように思う。
 あの常軌を逸したオナニーだって、本当ないろんな人に見られたいという思いから、考え出したものなのだ。
 ああ、そうだ。
 また黒い記憶に蓋をするところだった。
 僕の”処女”喪失・・・。
 僕が処女を失ったのは、先生相手ではない。
 僕の肛門を最初に開通させたのは、あの今は不能になった実の父。
 僕は中学に上がる頃には、毎晩のように父に犯され、肛門で感じるようになっていた。
 その父が糖尿病で不能と化し、一時的に僕は凌辱相手を失った。
 父にされたことを思い出し、真夜中に独り、バターやオイルを塗り込んでべとべとになった肛門を鏡に映し、ひくつく赤い穴にちゅぷちゅぷ鉛筆を突き刺したこともある。
 あの頃からすでに僕はもう、浅ましい自分の痴態を不特定多数の他人の目に晒したくてならなかったのだ・・・。
 
 


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