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間奏話(佐山目線)4 お留守番
しおりを挟む本日、俺は留守番だ。
アホみたいに広い家でひとり、ぼけーとしてる。ぼけーとしてると、倫のことばかり考えて、股間が元気になるので仕方なくギターを取り出した。なんとなく浮かぶメロディーを奏でてみる。
倫は今日、こっちで出来た初めての友達と映画に出掛けてるんだ。友達出来たって嬉しそうだったなぁ。マジで可愛いんよ。食べたくなるほどっ(おっと、また股間が……)。
日系のショーンって子で、この家の庭をデザイン、管理してくれてる。これもまたなかなか可愛くていい子だ。
子っていうほど実は若くないんだけどね。倫はやっぱり人を見る目があるな。
倫は元々映画が好きなんだよな。俺はあんまり。アニメくらいしか観ないから、倫に付き合ってやれなくて。だから、いい映画友達が出来たって喜んでた。
俺だって別に倫と映画行くのは構わないんだ。でも、倫はもう俺と映画には行かないって言うんだよ。
それには理由がある。日本にいた頃、二人で映画に行ったんだけど、これが面白くない映画でさ。
いや、俺は興味ないからこんなもんかなーって思ってたら、倫もつまんなかったみたいで。じゃあ、他のことで楽しもうってのが俺のスタンス。
せっかくおあつらえ向きな真っ暗な箱だ。ちょうど良く周りに人もいなかったので、俺は遠慮なく倫に迫った。
『やめろよ……』
なんて耳元で囁くように言うから、余計燃え上がっちゃうだろ? やめろと言いながら、やめて欲しくないんだな。って解釈した俺は、さらに迫る。
キスだけでは物足りない。倫のファスナーに手をかけて……。
――――うっ! や、やば。
倫がいないのに、こんなこと思い出してたら、益々ヤバいことに。ギ、ギター弾かなきゃ。
だけど1度頭に湧きだした妄想は簡単には消せない。あー、もう早く帰ってこないかな。映画はもう終わってるはずだけど、色々感想とか話すんだろうなあ。
――――お、落ち着け、俺。大丈夫、今やんなきゃいけないこともある。新曲、新曲を考えよう。
俺は闇雲に弦をひっぱたく。無になって演奏しようと頑張った。そこに、予想してたより早く、玄関でごそごそする音が。俺の可愛い倫、帰って来たのか!?
「佐山、どこにいる!?」
え? どしたの、倫……。待望のあいつが帰って来たんだけど、なんだか様子が変だ。
「普通にリビングにいるけど?」
俺が応じると、倫は何も言わず、ここに一直線でやってきた。でもって、ソファーに座ってる俺に飛び込んだ。
俺は慌ててギターを置き、あいつを受け止める。そのままソファーに押し倒され熱烈なキスをされた。
「あ……ふううん……」
何が起こったんだろう? 俺はコンマ数秒、唖然とした。
「はあ、ふう。今日の映画って、アダルト映画だったっけ?」
「違うよ、いいから黙って抱け」
えーっ!! マジで? なにこれ、突然天使降臨!? 倫は俺に跨ったまま、着ている服を脱ぎ捨てた。目の前に広がる快楽の園―。倫の綺麗な肌がすぐそこにっ!
「いいの? じゃあ、お言葉に甘えて」
俺はあいつの吸い付くような美肌に両手を這わす。既に欲情してる倫はそれだけで声を出した。
「あ……んんっ」
――――いやーっ、たまらんっ。
俺も既に臨戦態勢だったんだ(いつも)。起き上がり、自分の服も脱ぎ捨て倫に覆いかぶさった。誘う唇を奪い、ボトムを剥がす。膝も手も総動員してあいつを愛撫した。
「ううん……ああ、さやま……」
「倫……たまんねえよ……」
耳元であいつの名を呼ぶ。俺の腕の中で身悶えする倫の愛おしいこと……。シャワーですべすべの肌もいいけど、こんな汗ばんだ体もいいっ。
俺は燃え上がる倫を満足させるべく、情熱の全てをかけこの身を捧げる。
我慢してて良かったー。お互いの炎が消えるまで、俺たちはソファーの上で暴れまわった。映画ってやっぱり俺のラッキーワードだなあ。
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