【R18】僕とあいつのいちゃラブな日々@U.S.A.

紫紺

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第43話 妹来襲

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 黄昏時のフリーウェイ。夕日に向かって車を走らせる。妹たちを乗せた飛行機もそろそろ到着するだろうか。僕らはスタジオから直接、空港に向かう。

 しかし、どこも連れて行かなくていいと言ってたくせに、その後澪から来たメールは僕をイラつかせるのに十分だった。
 レンタカーやデズニーのチケットは予想してたけど、ドジャースのゲームチケットやプラネタリウム、有名レストランの予約とか、どんだけ人使い荒いんだよ。大体、僕らはどこも行ったことがない。

 さすがにデズニーに興味は沸かないけど、佐山がプラネタリウムには行ってみたいと言うので一緒に予約しておいた。
 山の上にある有名な天文台だ。僕も行きたいと思ってたところだから、まあそれはちょうど良かったよ。

「昨日、澪ちゃんからメッセージ来てたぞ。お世話になりますって」

 助手席に座る佐山は、スマホを眺めながら言う。それなら僕にも来てた。
『よろしくー(絵文字付き)』という軽いノリで。

「おまえは通常通りでいいからな。仕事が山場の山場なんだ。全くこっちの予定なんか関係ないんだから、あいつら」

 怒ってるわけではない。僕らのスケジュールを澪が知るわけもないんだから。

「大丈夫だよ。もう目処は付いたし、あとは粛々とレコーディングするだけだ」

 スケジュール通りの納期はとっくに過ぎているが、ギリギリのラインまではあと3日ほど。意外だけど、佐山はギリギリのマネジメントはちゃんと出来るんだよな。マネージャーとしては楽ちんだよ。

「ジェフ達ともお別れだね」
「なんだよ。まさか寂しいってんじゃないだろな?」

 キッと運転してる僕を睨む。ついでにシフトレバーに置いた僕の右手を覆うように自分の大きな手を被せた。

「もう……ジェフだけじゃなく、みんなと会えなくなるのは寂しいよ。佐山だってそうだろ?」
「え? 俺? まさか。あいつらとは、またどこかで組むと思ってるし」

 そうなのか。確かにここでの活動は、彼らやミニアルバム制作したメンバーと組むことになるんだろうけど……。もしかして、本気でこっちで本格的に動くつもりなのかな。

 ――――それでも、おまえがそうしたいなら僕は付いて行くまでだ。

 佐山はかぶせただけでは足りないらしく、性懲りもなく指の股に指を入れる。僕がここを感じること、知ってるんだ。

「だから、もうよせって。迎えに行く前に事故ったら困るだろ?」

 すっと右手をハンドルに戻した。不満げな表情を残して、あいつは大人しく手をひっこめた。



「おにいちゃーんっ、こっち、こっち」

 LA空港の到着ロビーで、カメのように首を伸ばしていると、目ざとく僕らを見つけた澪が手を振っている。
 でかいスーツケース二つの隣には、彼氏、望月さん(と思われる人)が会釈しているのが見えた。

「佐山さんがデカいから、すぐわかったよ」

 筋トレの効果もあって、佐山は日本にいた頃より、一回りくらい大きくなってる。それでもこっちでは普通サイズだけど。

「澪ちゃん、久しぶり。よく来たね」
「お久しぶりです。よろしくお願いします!」

 元気に挨拶してる妹。僕は望月さんとはほぼ初対面だ。渡米前のライブでちらりとお会いした程度なので、少し緊張した。

「いらっしゃい。疲れたんじゃない?」
「お忙しいところ押しかけてしまって、申し訳ないです」

 妹と佐山がはしゃいでる横で、僕らは大人の挨拶を交わす。まあ、普通の人みたいでとりあえず安堵した。



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