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間奏話(佐山目線)6 どこでも絶頂
しおりを挟む倫の妹、澪ちゃんが遠路はるばる遊びに来た。彼氏君と一緒だというので、倫がちょっとイラついているのが可愛い。
澪ちゃんとは仲良し兄妹なんだろうなあ。ちょびっとシスコンなところを羨ましく思いながら、実は面白くて仕方ない。
「はあっ!? あほか、なわけないだろう」
と、本人は否定するんだけど、それがまた可愛いんだよ。
スタジオ見学に来た時、ジェフがちょっかい出すので焦ってた。なんだかいつもの俺を見てるようだ。
いや、俺のは正当な行為だ。あの野郎はやっぱり油断ならん。
その日、仕事が思った以上に長引いた。こっちの連中は夜遅くまで仕事するのを凄く嫌がる。
気持ちはわかる。独身者は早く飲みに行きたいだろうし、妻帯者は家族の元に帰りたい。後者の方は、半ば強迫観念を感じるよ。恐妻家ってのは、この国で当たり前の種族のようだ。
で、仕方なく一人で頑張ることになる。何人か付き合ってくれる奴もいるが、当然ジェフなんかはさっさと帰宅してる。待ってる人もいないくせに、全く。
俺には待ってる人がいるってのに、なんで残業してんだか。日本人の悪いとこだよな。
「お疲れ様、揉めたのか?」
ガレージに車を入れ、裏口から入ると倫が待っていてくれた。うおー、やっぱりあんたは俺の気持ちわかってるな。
俺はハンドルを握りながら、あんたを抱くことばかり考えてたんだ。
「あー、まあ想定内だから大丈夫よ。それより……」
車庫から入るとそこはランドリー室になってる。何人分洗うんだよってくらいデカい洗濯機と乾燥機、それにアイロン台等々が置いてある長方形、六畳ほどの空間だ。
もうベッドに行くのも面倒だ。俺はあいつを抱きしめる。
「あ……おいっ」
倫は慌てて後ろ手にドアを閉める。澪ちゃんたちがいるので念のためかな。ここはキッチンの奥にあるんだ。聞こえっこないのに。
「やる気満々だな」
「違うよ……」
このセリフが俺は大好きだ。その後、必ず『違わない』と言わせるのが俺の得意技。今日もその言葉を吐かせてやらんとな。
俺はあいつの顎を上に向かせ、熱いキスを浴びせる。さっき閉めたばかりの扉に倫をもたれさせ、足腰立たなくなるくらい濃厚なキスだ。
「んんっ……」
敏感で正直な倫は、すぐにも喘ぎだす。俺は間髪入れず、Tシャツをたくし上げながら手を体中に這わす。
すべすべの倫の肌。マジそそられるぞ。そして徐に下腹部へと移動させ、ファスナーを下ろした。
「あっ……ううんっ」
既に硬直しているものを指と手のひらで弄ぶ、倫は俺の身体にしがみついた。
「違ったんじゃないのか?」
「やっぱ……違わない」
天使か! これだけでイキそうになるっ。
倫は、お返しとばかりに俺のファスナーも下ろしてしまい、中で猛々しくなってるモノを右手で愛撫してくれた。
「はあ、いいぞ……気持ちいい……あんたは最高だよ……」
たまらない……。なんてしなやかな指使い。ホントにあんたは最高だ。
でもな、俺は今、猛烈にあんたに感じて欲しいんだよ。俺はその後で構わない。
「あんっ……」
俺は倫の手を引っこ抜くとすぐ、あいつの前に跪く。そしてボトムスを落とし、目の前にある愛しいものを咥え込んだ。
「ああっ……はあっ、はあ……」
俺の髪をぐちゃぐちゃにしながら身悶えする倫。動きに合わせて扉がぎしぎしと鳴っている。
これだ。これこそが俺の命の源だ。あんたの喘ぎ声が耳に届き、指の震えが全身に伝わっていく。
あんたが頂点に達するその時こそ、俺は幸福の絶頂に行けるんだ。
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