王子様と一緒。

紫紺

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番外編 Millen in Rameria 最終話

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 クリスマスの朝。日本では真冬だが、ラメリアでは朝晩少し気温が下がるくらいで暖かい。
 ベッドでぐっすり眠っていたミレンは、携帯電話の音で起こされた。まだ5時だ。

 ――――誰だよ、もう。こんな時間に……。

「はい……」
『ミレン! メリークリスマス!』

 なにも考えず、電話に出ると、驚くほどの大声が耳に飛び込んで来た。

「た、田中さん!」

 それは、日本からの電話だった。

「どうしたんですか? こっちはまだ朝の5時ですよ?」
『いやあ、ごめん。実はアスランたちが日本に来てさ! 今、昭和荘のメンバーでクリスマスパーティしてんだよ! みんながどうしてもミレンに電話しろって』
『ミレンさーん! 元気ですか!?』

 耳をつんざくみんなの声。あっちはスピーカーにしてるようだ。仕方なく、ミレンは付き合うことにする。それに、本心で懐かしかった。

「元気にしてますよ。こっちは相変わらずです」
『ビデオ通話にしてくださいよ。顔見たい』
「ええ? もう……こまりましたね……」
「う……ん。どうした? ミレン……」

 ミレンがベッドから起き上がると、イブの夜を過ごした男がもぞもぞと布団の中で目を覚ます。筋肉の張った肩が掛け布団から覗いた。

「ああ、日本から電話なんですよ。ちょっと相手してきますから、貴方は寝ててください」
「ええ? 日本? ああ、うん、わかった」

 ミレンは上半身だけトレーナを被り、ささっと髪を整える。一人キッチンの椅子に座った。

「これでご満足ですか?」
『おおーっ! ミレンだあっ』
『ミレンさーん』

 小さなスマホの画面に、田中の部屋が映る。そこには懐かしい面々が揃っていた。
 田中の隣には沙知子、それから大貫と成田。そして、英国からはるばるやってきたというアスランとトーゴー。あの時と同じ笑顔で手を振っている。

 ――――変わらないな。みんな。にしても、大分出来上がってる。

 トーゴーの姿を見ても、ミレンは不思議に動揺しなかった。ただ、懐かしいという想いだけ。それは、その画面に映る人々と同じだった。
 それから数分、ミレンは昭和荘のクリスマスに参加した。

「終わった?」

 ベッドに戻ると、黒髪の男がミレンを腕の中へと迎え入れる。

「ええ」
「いい友達だったんだな。日本人の血が流れている私も嬉しいよ。君が日本でいい仲間を持っていて」

 ――――日本人の血ねえ。どこに流れているのやら。

 それでも、動揺しない理由はここにあったと。ミレンにはわかっていた。

「そうですね。本当にいい仲間ですよ。色々と学ばせてもらいました。僕の……宝と言ってもいい」
「宝か……君は私の宝石のようだけどね。きらきらと光ってる」

 男はミレンの頬にキスをする。

「それは、光栄ですね……朱雀」

 ミレンは少し厚めの唇を指でそっと触れてから、自ら口づけをした。
 朱雀は布団を持ち上げ、ミレンをすっぽりと包む。再び腕の中へと閉じ込めていった。




   ⛄完🎄


『王子様と一緒。』はこれで全て完結となります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!


 紫紺







 
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みんなの感想(2件)

マリン
2025.10.30 マリン

第60話

「わがままを聞くためにいる」
なんて!
アスランいいなあ。
私もそういう人欲しい(イケメンなら尚良し)🥰

2025.10.30 紫紺

マリン様

感想ありがとうございます!

私も同じく、欲しいです(笑)。

色々不都合や不満はあるでしょうが、アスランは恵まれてます。
そんな当たり前のことを、彼もこれから気付いていくことと思います😊

紫紺


解除
マリン
2025.10.17 マリン

新しく始まった連載。
待ってました!って感じです😊
登場人物がそれぞれ興味深くてとっても楽しみ!

これから追っていきますね。

2025.10.17 紫紺

マリン様

感想ありがとうございます!
今までより、少し長めの作品になると思います。
楽しんでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします!

紫紺

解除

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