雑に学ぶと書いて雑学 ~昨日より今日の自分が少し賢くなるかもしれない~

雲条翔

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その258.車の「助手席」はなんで「助手」?

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 普通自動車で高速道路に乗り、時速100キロ以上の速度を出すと、

 ……キンコン、キンコン、キンコン……

 と鉄琴を鳴らしたような独特の機械式チャイムが聞こえたよな?と知っている方は間違いなく年配の方。

「パパ、スピード出しすぎだよー、キンコンチャイムがうるさいよー」
「すまんすまん、ちょっと速度を落とすよ。安全運転が一番だからな」

 このチャイムをきっかけに家族たちは、ハンドルを握るお父さんに注意したとかしないとか。

 1980年代の後半製造分までの日本車には、スピードを出しすぎるのを防ぐために、一定の速度以上になると 「速度警告音」が鳴るシステムが標準装備されていました(法律によって義務づけられていました)。

 1986年にこの法律は撤廃されます。
 日本車の性能が評価され、海外へ輸出されるようになると、一番の買い手であったアメリカからこの「速度警告音システム」に対して不満の声が出たからだそうです。
 これを装備することでコストが上がるからですね。
 
 また、日本国内でも、「単調な警告音の繰り返しは、眠気を誘う」という意見があったと言われています。

 速度を出しすぎている人間に対して、睡眠誘発の配慮……謎の心配ではありますが、まあ、自分が高速道路を走っていたとして、周りでビュンビュン飛ばすドライバーに居眠り運転でもされたら、交通事故に巻き込まれる確率が跳ね上がるってもんです。怖い。

 交通事故を起こした時に、運転席よりも助手席の方が死亡率が高い、なんて統計もあるそうです。

 さて、この「助手席」という言葉。

 特に「助ける」わけでもないのに、なぜ「助手」なんでしょうか?

 この「助手席」という言葉は、大正時代にタクシー業界から生まれた言葉だとされています。
 
 大正時代は、タクシーはアメリカの輸入車が使われていることが多く、日本人にはサイズが大きくて、段差も高くて乗り降りに苦労したそうです。まだ着物を着ている人が当たり前だった頃の話で、着物の裾を大きく広げて足を持ち上げ……なんて不格好なことをさせないためにも、乗り降りを手伝う「助手」が同乗していたのだとか。

 英語だと、「助手席」も「後部座席」も全部ひっくるめて、「パッセンジャーシート(搭乗者席)」ですけどね。「運転席」以外は全部同じ。

 「助手席」という呼び方は、日本独自のものなのです。

 長距離ドライブだと、助手席に誰かいて、話し相手になってくれたり、カーナビを運転手の代わりに操作してくれると、眠気や注意力の面で、運転手にとっては非常に心強いですし、ありがたいです。

 そういった意味では、現代でも「助手」的役割は残っているのかもしれませんね。



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