雑に学ぶと書いて雑学 ~昨日より今日の自分が少し賢くなるかもしれない~

雲条翔

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その189.ここまで出てるのに思い出せない現象

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 トシを重ねると、自分の記憶力に自信が無くなってきます。

 人の名前や、固有名詞が、なかなか思い出せなくなってくるのです。
「顔は分かるんだよ、顔は。あー、ここまで名前出てるんだけどなー」とノドのあたりを指して、ジェスチャーしてみたり。

 その人の顔や年齢、職業などの周辺情報は覚えているのに、肝心の名前だけが出てこない。

 この現象を心理学用語で「ベイカーベイカーパラドクス」と言います。

 ある人の名字が「ベイカーさん」だと思い出せないのに、その人が「ベイカー(パン屋さん)」なのは思い出せる……1987年にキャスリン・H・マクウィーニーの論文で用いられたジョークから、「ベイカーベイカーパラドクス」と名付けられました。

 日本で言えば、本屋さんで働く本田さん、みたいな? アデランスやアートネイチャーで働くカツラさんとか?
 面白い例が出てきませんけど……。

 人の脳は、関連付けて覚える能力には優れています。
 歴史の年号を語呂合わせで覚えたり、ダジャレで英単語を覚えたり。

 逆に、単体で名前だけ覚える能力は、難しいとされています。属性は分かるが名前が記憶されにくい。

 顔と名前を覚えても、すぐに忘れちゃうんだよなーと言う人もいるかもしれませんが、私たちが当たり前のようにしている「顔と名前を関連付けて覚える事」自体、脳味噌が結構頑張っているのです。人間って実はすごいんだな。

 ちなみに、「思い出せなくなる順番」は、1番が名詞、2番が動詞、3番が形容詞だと言われています。

 人の名前が思い出せないうちはまだいいですが、「両足を交互に出して早足で前進する行為をなんて言うんだっけ……歩く、じゃなくて、あ、“走る”だ!」と、動詞や形容詞までいよいよ出てこなくなったら、やべーわ危険信号だわーだと思って下さい。
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