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浦島一家の末裔
「開いて何も起こらないことを知っているのは開いた者だけだ」
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人で賑わう旧駅舎時計台の広場を抜け、鎌倉駅西口まで駆け足で戻った慶汰は、今まさにロータリーに停車したシルバーのセダンを見つけてスピードを上げる。
運転席には、紺色のポロシャツを着た父の港鷹が座っていた。目元の皺は濃く、今年で四五歳になるのは慶汰もわかっているが、会社での苦労が多いのか、単に歳が離れているせいでイメージがつかないのか、慶汰的には五十台後半くらいに思える風貌をしている。
「父さん、ちょうどいいところに!」
慶汰がいきなり助手席のドアを開けると、港鷹はびくりと肩を跳ね上げた。
「うわっ、なんだ急に。というかもう着いていたのか」
慶汰は車の中から外へ逃げようとするクーラーの冷気を浴びながら、早口で捲し立てる。
「いいから黙って聞いてくれ、忘れちまう前に! 竜宮城からお姫様が来たんだ、えっと、あの、……なんだっけッ! くそまだ見た目と声は憶えてるのにもう名前が出てこねぇ!」
「はぁ……? どうしたんだ、いったい。とにかく早くドアを閉めてくれ」
「ああ、悪い……」
シートに座ってドアをバタンと閉める。シートベルトを取るべく身体を捻ると、お腹が盛大にきゅるると鳴った。
「なんだ、昼飯食ってなかったのか?」
「いや、ハンバーガー食べに行こうとして……そういや食ってないな……なんでだ?」
と呟いた瞬間、慶汰は左手で掌打するように額を叩いた。
「そうだ。やっぱりさっき、たしかになにかあったんだ、そのせいでまだ食べてないんだ。わからないけどだからこうなっているんだ、俺の気のせいじゃねぇ……!」
父に緊急で伝えなければいけない、そんな使命感に似た緊張感が、たしかに胸の中にあるのは自覚している。にもかかわらず、それが何だったのか、今となっては思い出せず、もどかしい思いを感じている。
「本当に大丈夫か? 竜宮城だお姫様だって、いったい何の話だ」
「竜宮城……? お姫様?」
急に何を言い出すんだといわんばかりに、慶汰の眉間に皺が寄る。港鷹はより深い渋面を浮かべた。
「お前がさっき言ったんだろう……」
「う~ん、さっき姉さんの病室でも似たようなこと思ったんだよな……今日はやけに物忘れがひどくて」
「熱中症か?」
「かなぁ……まあ、気をつけるさ……」
思い出したらその時に話そう。そう決めると、一気に焦燥感が引いた。慶汰は本来の予定をこなすことを優先する。
「で、父さん。今からどこ行くんだっけ?」
「何言ってるんだ、お前のスーツを新しくしに行くんだろ」
「そうそう、それだ。……うん、予定は聞けばちゃんと思い出せるのに……」
唸る慶汰の様子を見て心配になったのか、港鷹はハンドルに乗せた両手の指を組んだ。
「……今日は帰るか?」
「いや、大丈夫。行こう」
港鷹がハンドルを握り直し、アクセルを踏んで、ゆっくりと車が動き出す。
「海来の調子はどうだった?」
「いつもと変わらないよ」
「そうか……」
港鷹も様子を見に行かないわけではない。元々、平日は午前中に母親が顔を出して、放課後に慶汰が来て、夕方には港鷹が訪れる。その組み合わせが寝たきりの海来に時間感覚を与えるためにいいだろうと、家族の共通認識になっていた。
それが夏休みになって母親がパートを始めたので、朝は慶汰、夕方は両親という組み合わせに変わったのだ。
「明後日のパーティーは過去一番大規模なものになる。たくさん話しかけられるだろうから、頑張れよ」
「話しかけられるって、俺が?」
「玉手箱がどんなものか、みんな興味があるんだ。パーティーでも実物をお披露目するから、何か話せるようになっておいてくれ」
「何かって言われてもな……ただのおかしな木箱だろ、あれ」
「そのおかしなところが皆気になるんだ」
普段は鍵の掛かった倉庫に保管されているが、結局のところ木の板でできた段ボールサイズの重たい箱としか言いようがない。
ただ、分厚い木の板の原料は不明な上に、継ぎ目が一切見当たらず、蓋の可動部に金具などのパーツが一切ない。この一点に気づけば、一気に不気味な雰囲気を覚える。
これが厚紙や鉄板なら、折り紙でサイコロを作るような感じで製作可能なのだ。箱状にできるように十字に切り出した後、直角の折り目をつけて、蓋の部分を丸い屋根状に湾曲させ組み立て、接着するという工程を経ればいい。
だが、木材でそんな真似をしようとすれば、バキッと折れてしまうだろう。
いわばオーバーテクノロジーなのだ。木材の板を紙細工のように加工する、という、あまりに地味で、かつ不気味なだけの、再現不可能な未知の技術。
それが玉手箱の異常性だ。
「まあそりゃそうだろうけど……開いたって何も起こらないだろ」
「開いて何も起こらないことを知っているのは開いた者だけだ」
「……何が言いたいのさ」
「何か話せるようになれと言ったが、別に難しいことを話せるようになれって言ってるわけじゃないんだ。ただ、慶汰としては話題にならないと思うようなことでも、相手にとっては楽しい話かもしれない」
慶汰は頬杖をついて窓を流れる外の町を見やる。見知った穏やかな住宅街の風景だ。観光に来たのだろう、若い大人の女性の二人組がスマートフォンと近くの海鮮料理店を交互に見ている。
「そう言われてもねぇ……」
港鷹は簡単そうに言ったが、慶汰にとっては難しい話だった。
姉のような人を惹きつける魅力が自分にないことは慶汰自身よくわかっている。だからそのぶん、頑張らなければいけない。だが、その辺りがあやふやで、どうすればうまくいくのかよくわからないのだ。
再び、腹が鳴った。
「フッ。まずはお前の腹ごしらえからだな」
「父さんは?」
「家で食ってきた」
「そう」
「あまり食い過ぎるなよ、この後ウエスト測るかもしれないんだから」
昔、海来と母親がそんな会話をしていたことを思い出して、慶汰は苦笑した。
「……そのセリフ、父さんが言うと似合わねぇな」
* * *
「ひとまず、記憶麻酔術の効果は間にあったみたいね」
ロータリーで透明化していたアーロドロップは、慶汰の乗り込んだ車を見送ると、ほっと胸を撫で下ろして駅の方へ歩きだした。
〈でも二日連続で遭遇するなんて、なんかすごいよね~〉
「そうね……」
アーロドロップは右手を見やる。今は透明化していて自分でも見えていないが、慶汰の手の感触は、鮮明に覚えていた。意外と大きくて、力強い手。
高圧的な男たちの元から連れ出してくれた時のことを思い出すと、不思議と心が温かくなる。
味方がモルネアしかいない異世界で助けてくれる人がいたことに、少しだけ安心できたのだ。
〈ん? どーしたのボーッとして〉
モルネアに指摘されて、アーロドロップはハッとした。
「べ、別になんでも……あら」
いつの間にか駅の壁際まで来ていたアーロドロップは、四角いポスターに目を奪われる。どうやら図書館で子供向けの朗読会が開かれるらしい。
「そっか、図書館……こっちにもそういう施設があるのね。というか普通に読めるし」
今更ながら、何人かの地上人との会話が成立していたことも思い出す。アーロドロップの発した言葉も、地上人から聞いた言葉も、なんら違和感なく通じあっていた。
〈ボクも違和感ないし、たぶん龍脈が補正してくれてるんだよー〉
「だとしたら、十日前後で龍脈が切れたら、いよいよ助けも求められなくなるのね……」
意識しないと気づかないレベルで自然に通訳してくれる効果まであるとなると、地上人とコミュニケーションが取れている今、言語が違うのか同じなのかを判別するのも難しい。
もっとも、今は余計なことや面倒なことに割いている時間はない。通じることに感謝して、アーロドロップは図書館という施設を目指すことにした。
運転席には、紺色のポロシャツを着た父の港鷹が座っていた。目元の皺は濃く、今年で四五歳になるのは慶汰もわかっているが、会社での苦労が多いのか、単に歳が離れているせいでイメージがつかないのか、慶汰的には五十台後半くらいに思える風貌をしている。
「父さん、ちょうどいいところに!」
慶汰がいきなり助手席のドアを開けると、港鷹はびくりと肩を跳ね上げた。
「うわっ、なんだ急に。というかもう着いていたのか」
慶汰は車の中から外へ逃げようとするクーラーの冷気を浴びながら、早口で捲し立てる。
「いいから黙って聞いてくれ、忘れちまう前に! 竜宮城からお姫様が来たんだ、えっと、あの、……なんだっけッ! くそまだ見た目と声は憶えてるのにもう名前が出てこねぇ!」
「はぁ……? どうしたんだ、いったい。とにかく早くドアを閉めてくれ」
「ああ、悪い……」
シートに座ってドアをバタンと閉める。シートベルトを取るべく身体を捻ると、お腹が盛大にきゅるると鳴った。
「なんだ、昼飯食ってなかったのか?」
「いや、ハンバーガー食べに行こうとして……そういや食ってないな……なんでだ?」
と呟いた瞬間、慶汰は左手で掌打するように額を叩いた。
「そうだ。やっぱりさっき、たしかになにかあったんだ、そのせいでまだ食べてないんだ。わからないけどだからこうなっているんだ、俺の気のせいじゃねぇ……!」
父に緊急で伝えなければいけない、そんな使命感に似た緊張感が、たしかに胸の中にあるのは自覚している。にもかかわらず、それが何だったのか、今となっては思い出せず、もどかしい思いを感じている。
「本当に大丈夫か? 竜宮城だお姫様だって、いったい何の話だ」
「竜宮城……? お姫様?」
急に何を言い出すんだといわんばかりに、慶汰の眉間に皺が寄る。港鷹はより深い渋面を浮かべた。
「お前がさっき言ったんだろう……」
「う~ん、さっき姉さんの病室でも似たようなこと思ったんだよな……今日はやけに物忘れがひどくて」
「熱中症か?」
「かなぁ……まあ、気をつけるさ……」
思い出したらその時に話そう。そう決めると、一気に焦燥感が引いた。慶汰は本来の予定をこなすことを優先する。
「で、父さん。今からどこ行くんだっけ?」
「何言ってるんだ、お前のスーツを新しくしに行くんだろ」
「そうそう、それだ。……うん、予定は聞けばちゃんと思い出せるのに……」
唸る慶汰の様子を見て心配になったのか、港鷹はハンドルに乗せた両手の指を組んだ。
「……今日は帰るか?」
「いや、大丈夫。行こう」
港鷹がハンドルを握り直し、アクセルを踏んで、ゆっくりと車が動き出す。
「海来の調子はどうだった?」
「いつもと変わらないよ」
「そうか……」
港鷹も様子を見に行かないわけではない。元々、平日は午前中に母親が顔を出して、放課後に慶汰が来て、夕方には港鷹が訪れる。その組み合わせが寝たきりの海来に時間感覚を与えるためにいいだろうと、家族の共通認識になっていた。
それが夏休みになって母親がパートを始めたので、朝は慶汰、夕方は両親という組み合わせに変わったのだ。
「明後日のパーティーは過去一番大規模なものになる。たくさん話しかけられるだろうから、頑張れよ」
「話しかけられるって、俺が?」
「玉手箱がどんなものか、みんな興味があるんだ。パーティーでも実物をお披露目するから、何か話せるようになっておいてくれ」
「何かって言われてもな……ただのおかしな木箱だろ、あれ」
「そのおかしなところが皆気になるんだ」
普段は鍵の掛かった倉庫に保管されているが、結局のところ木の板でできた段ボールサイズの重たい箱としか言いようがない。
ただ、分厚い木の板の原料は不明な上に、継ぎ目が一切見当たらず、蓋の可動部に金具などのパーツが一切ない。この一点に気づけば、一気に不気味な雰囲気を覚える。
これが厚紙や鉄板なら、折り紙でサイコロを作るような感じで製作可能なのだ。箱状にできるように十字に切り出した後、直角の折り目をつけて、蓋の部分を丸い屋根状に湾曲させ組み立て、接着するという工程を経ればいい。
だが、木材でそんな真似をしようとすれば、バキッと折れてしまうだろう。
いわばオーバーテクノロジーなのだ。木材の板を紙細工のように加工する、という、あまりに地味で、かつ不気味なだけの、再現不可能な未知の技術。
それが玉手箱の異常性だ。
「まあそりゃそうだろうけど……開いたって何も起こらないだろ」
「開いて何も起こらないことを知っているのは開いた者だけだ」
「……何が言いたいのさ」
「何か話せるようになれと言ったが、別に難しいことを話せるようになれって言ってるわけじゃないんだ。ただ、慶汰としては話題にならないと思うようなことでも、相手にとっては楽しい話かもしれない」
慶汰は頬杖をついて窓を流れる外の町を見やる。見知った穏やかな住宅街の風景だ。観光に来たのだろう、若い大人の女性の二人組がスマートフォンと近くの海鮮料理店を交互に見ている。
「そう言われてもねぇ……」
港鷹は簡単そうに言ったが、慶汰にとっては難しい話だった。
姉のような人を惹きつける魅力が自分にないことは慶汰自身よくわかっている。だからそのぶん、頑張らなければいけない。だが、その辺りがあやふやで、どうすればうまくいくのかよくわからないのだ。
再び、腹が鳴った。
「フッ。まずはお前の腹ごしらえからだな」
「父さんは?」
「家で食ってきた」
「そう」
「あまり食い過ぎるなよ、この後ウエスト測るかもしれないんだから」
昔、海来と母親がそんな会話をしていたことを思い出して、慶汰は苦笑した。
「……そのセリフ、父さんが言うと似合わねぇな」
* * *
「ひとまず、記憶麻酔術の効果は間にあったみたいね」
ロータリーで透明化していたアーロドロップは、慶汰の乗り込んだ車を見送ると、ほっと胸を撫で下ろして駅の方へ歩きだした。
〈でも二日連続で遭遇するなんて、なんかすごいよね~〉
「そうね……」
アーロドロップは右手を見やる。今は透明化していて自分でも見えていないが、慶汰の手の感触は、鮮明に覚えていた。意外と大きくて、力強い手。
高圧的な男たちの元から連れ出してくれた時のことを思い出すと、不思議と心が温かくなる。
味方がモルネアしかいない異世界で助けてくれる人がいたことに、少しだけ安心できたのだ。
〈ん? どーしたのボーッとして〉
モルネアに指摘されて、アーロドロップはハッとした。
「べ、別になんでも……あら」
いつの間にか駅の壁際まで来ていたアーロドロップは、四角いポスターに目を奪われる。どうやら図書館で子供向けの朗読会が開かれるらしい。
「そっか、図書館……こっちにもそういう施設があるのね。というか普通に読めるし」
今更ながら、何人かの地上人との会話が成立していたことも思い出す。アーロドロップの発した言葉も、地上人から聞いた言葉も、なんら違和感なく通じあっていた。
〈ボクも違和感ないし、たぶん龍脈が補正してくれてるんだよー〉
「だとしたら、十日前後で龍脈が切れたら、いよいよ助けも求められなくなるのね……」
意識しないと気づかないレベルで自然に通訳してくれる効果まであるとなると、地上人とコミュニケーションが取れている今、言語が違うのか同じなのかを判別するのも難しい。
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